2012年6月1日金曜日

日刊デジクリ[#3272] 最後の砦はどこまで譲れる?

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【日刊デジタルクリエイターズ】 No.3272    2012/06/01.Fri.14:00.発行
http://www.dgcr.com/    1998/04/13創刊   前号の発行部数 10039部
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          《義理と人情はかりにかけりゃ》

■映画と夜と音楽と…[546]
 最後の砦はどこまで譲れる?
 十河 進

■エンドユーザー大変記[26]
 無個性の中に個性を見出す─スマホ夏モデルを俯瞰して
 ジョニー・タカ

■ところのほんとのところ[80]
 New York Photo Festival 2012
 所幸則 Tokoro Yukinori

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■映画と夜と音楽と…[546]
最後の砦はどこまで譲れる?

十河 進
< http://blog.dgcr.com/mt/dgcr/archives/20120601140300.html >
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             〈人生劇場 飛車角/明治侠客伝 三代目襲名/
                博奕打ち 総長賭博/博奕打ち 流れ者〉


●己と折り合いを付け自省および自制しながら生きていくほかない

人は己の性格をいつ形成するのだろうか。先天的なものもあるだろうが、精神
的なものの大部分は後天的に培われるのではないか。己の過去を振り返り、今
の性格をなるべく客観的に見ると、そう思える。こんな人間にはなりたくなか
ったと思う部分も多いが、今さら否定することもできない。何とか、己自身と
折り合いを付け、自省および自制しながら生きていくほかない。

この歳になると、自分の性格がなぜこうなったのかが見えてくる。なるほど、
あのとき、あんなことを経験したからこうなったのだと納得するし、あの本を
読んでいなければ別の美意識や価値観を持っただろうなあ、と思うことも多い。
人間は、それぞれ個別の価値観を培い育んで生きている。それはホンの些細な
ことの蓄積であり、経験や環境から作られる。そんな風に作られた僕のベース
は、「常に潔くありたい。覚悟を持って生きていたい」ということである。実
践できているかどうかは、わからない。

「ソゴーくんは、覚悟の人だから…」と、先輩のKさんにはよく言われた。し
かし、Kさんこそが「覚悟の人」だった。僕は大学卒業前の2月中旬から出版社
の社員として働き始めたのだけれど、出社した日に席がなく「そこに坐ってお
いて」と言われたのがKさんの席だった。Kさんは新婚旅行中だったのである。
休み明けに出てきたKさんは、自分の席に座っている痩せて青白い顔をした男
を見て驚き、「そこ、僕の席だけど…」と言葉を詰まらせた。

僕が配属されたのは、三人のムック編集部である。編集長を挟んで右側がKさ
んで、左側が現デジクリ編集長の柴田さんだった。Kさんが出社したところで、
柴田さんが月刊誌に異動になり、僕が柴田さんの後の席に入った。編集長を挟
んでKさんと同じ編集部だったのだ。数日後、僕はKさんに連れられてアマチュ
アの8ミリ上映会にいった。新宿西口の安田生命ホールだったと思う。

上映会が終わり、Kさんが「飲んでいくか」と誘ってくれた。僕がうなずくと、
Kさんは背中を向けてさっさと歩き出した。西口から東口へ抜ける地下通路の
方へ向かった。そこは僕もよく知っている「ハモニカ横丁」(別の呼び名もあ
るけれど)だった。上京した頃、よくそこの食堂で「鯨カツ定食」を食べたも
のだ。もちろん、学生時代には安酒で酔いつぶれた場所でもある。

Kさんは早稲田大学出身だから、このあたりは縄張りだ。早稲田から新宿なら
歩けるから、ゴールデン街やハモニカ横丁には早稲田の学生が多かった。Kさ
んが入ったのは「きくや」だったと思う。入社して一週間もしない頃だったし、
会社の先輩と呑むのは初めてだった。その頃あまり飲まなかった僕からすれば、
Kさんの飲みっぷりは豪快で、本当に酒が好きそうだった。

Kさんは僕より2歳年上だったが、入社は一年前で後輩ができたのが何となくう
れしそうだった。世代的には全共闘世代で某セクトに所属し、かなりヤバイ大
学生活を送ったらしいことを、その夜、酔うにつれて口にし始めた。そのセク
トではデモに出るときにサラシを巻くという噂があり、特攻精神でデモに向か
うようなメンタリティがあった。Kさんは、その噂を裏付けるような人だった。

その夜、酔いが深くなってから「義理と人情はかりにかけりゃ義理が重たい男
の世界」とKさんは唄った。「唐獅子牡丹」──高倉健主演「昭和残侠伝」シ
リーズの主題歌である。Kさんが一番を歌い終わると、僕は「やがて夜明けの
くるそれまでは意地で支える夢ひとつ」と唄い、「僕はこのフレーズが一番好
きなんです」と言った。Kさんは感激して「ソゴーくん、きみの言うように覚
悟だよ、覚悟…」とくり返した。

その夜、僕が知ったのは、Kさんがかなりな酒好きであり(ほとんどの人がそ
うだけれど)、酔っぱらうとだらしなくなり、くり返しが多くなるということ
だった。その後、僕を相手に酔うと決まってKさんは「唐獅子牡丹」を唄った。
唄っている時、Kさんは何を思い出しているのだろう、その歌詞に何を託して
いるのだろう、と想像させる歌い方だった。

●彼らはみんな潔く禁欲的であり覚悟の人たちであった

どんな状況でも潔くありたい、そのためにいつも覚悟を持って生きていたい。
そんな考えを、いつ、どのようにして抱いたのだろう。ほとんど右翼的な心情
であり、時代遅れの武士道精神だった。心情右翼、思想は左翼という青年は、
僕の世代にはかなり多かったと思う。任侠映画全盛の頃に青春を送ったという
単純なことではなく、子供の頃からそういう美意識を育む環境があったのでは
ないだろうか。あるいは、そういう性向が…

それにしても、あの頃の左翼青年は高倉健の「昭和残侠伝」シリーズなどの任
侠映画を好んだ。忍耐の末に堪忍袋の緒を斬って、「死んでもらいます」とド
スを抜く。彼らはみんな潔く、禁欲的であり、覚悟の人たちであった。日本人
の好む武士道精神を引き継いでいた。しかし、彼らの見せ場あるいは真骨頂は、
悪役たちの横暴にどこまで我慢できるかといった、前半のマゾヒスティックな
展開にあったのではないか。そんなことを、当時から僕は思っていた。

高倉健より先に東映任侠路線を担ったスターは、鶴田浩二だった。特攻隊員だ
ったが復員し、戦後に銀幕デビューした二枚目俳優である。松竹で渋谷実監督
の「本日休診」(1952年)や小津安二郎監督の「お茶漬けの味」(1952年)な
どの巨匠作品に出て、独立プロ作品「雲流るる果てに」(1953年)で特攻隊員
を演じて初期の代表作とした。

特攻という戦術に懐疑的な隊員が多い中、鶴田浩二が演じた特攻隊員は純粋に
特攻隊を信じ、誇りを持って死に臨もうとしている覚悟の人である。ある日、
父母と妹が面会にくると知り、彼は大喜びする。しかし、面会日の早朝の出撃
命令が下る。仲間たちが家族と面会ができないかもしれないと同情すると、
「そんな女々しいこと…」と彼は豪快に笑い飛ばし死ぬ覚悟を示す。

しかし、その夜、裏の林の中に立ち、彼は号泣する。体を震わせ、涙をあふれ
させ、父母に呼びかけ妹の名を叫ぶ。のたうちまわる。悲しみが彼の体全体か
ら伝わってくる。やがて彼は立ち上がり姿勢を伸ばし、己の女々しさを戒める
ように五省の言葉を暗唱する。「至誠にもとるなかりしか、言行に恥ずるなか
りしか、気力に欠くるなかしりか、努力にうらみなかりしか」と…。その耐え
る姿が痛ましい。

その後、鶴田浩二は東宝(この時代の出演作としては岡本喜八監督の「暗黒街
の対決」がとてもよい)を経て、東映へ移る。そこで、彼は「人生劇場 飛車
角」(1963年)に主演し、大ヒットする。この映画が、その後の鶴田浩二のイ
メージを確立させたと言ってもいいほどのはまり役だった。飛車角は禁欲的で
侠客の筋目を守る覚悟の男だ。悪党たちの理不尽に耐え、最後に殴り込みに向
かう。

尾崎士郎の「人生劇場」は早稲田の学生から小説家になる青成瓢吉が主人公の
成長小説だが、吉良常と飛車角という侠客の話でもある。過去、何度も映画化
されているけれど、飛車角に焦点を合わせたこの作品が大ヒットし、その後の
東映任侠路線の草分けとなった。吉良常は月形龍之介、飛車角の女おとよは佐
久間良子、それと知らずおとよに惚れる宮川が高倉健、ほとんど出てこないが
瓢吉は梅宮辰夫が演じている。

●「傷だらけの人生 古い奴でござんす」が鶴田浩二の終焉か

東映任侠路線は1963年(昭和38年)にスタートし、実質的には1972年の藤純子
の引退と共に終焉を迎えた。留めを刺したのは、1973年正月早々に公開された
「仁義なき戦い」である。その後、実録ヤクザ路線と言われるリアルな暴力映
画が主流になる。中村錦之助や大川橋蔵などの明朗ヒーロー時代劇が「十三人
の刺客」(1963年)を嚆矢とする、リアルな集団抗争時代劇の出現によって消
えていったのと同じ歴史をくり返したのだ。

鶴田浩二は「人生劇場 飛車角」で大ヒットを飛ばして東映の看板スターとな
り、「博奕打ち」シリーズを始めとする数多い任侠映画を10年間で量産したが、
健さん人気の上昇と反比例するように次第に人気を失った。しかし、任侠路線
に翳りが見えてきた頃、彼は「古い奴だとお思いでしょうが…」と語る「傷だ
らけの人生」をヒットさせる。爆発的なヒットだった。

現在の目で鶴田浩二のフィルモグラフィーを見ると、大ヒット曲を映画化した
「傷だらけの人生 古い奴でござんす」(1972年)が、実質的に鶴田浩二の任
侠映画の締めくくりだったことがわかる。その後、何本かの作品はあるものの
特筆すべきものはない。実録路線にも何本か出演したが、すでに時代は鶴田浩
二から菅原文太に移っていた。鶴田浩二は、70年代後半からテレビに活躍の場
を移した。

山田太一脚本のNHKドラマ「男たちの旅路」(1976年〜1982年)シリーズで、
鶴田浩二が演じた吉岡指令補は今も多くの人の記憶に残っているだろう。また、
晩年の代表作としては、やはり山田太一と組んだNHKドラマ「シャツの店」
(1986年)がある。このとき、鶴田浩二は62歳。何10年もオーダーメイドのワ
イシャツを作り続けてきた男の哀感が印象に残った。翌年、肺ガンで逝去。
「シャツの店」が遺作になったことは幸いだった。

僕より若い世代は鶴田浩二というと、「男たちの旅路」を思い浮かべる。しか
し、あのキャラクターは鶴田浩二が任侠映画で確立したイメージを流用したも
のである。ストイックで、筋をきっちりと通す律儀さを持ち、何事にも耐え弱
音を吐かない男、己には秋霜のように厳しいが人にはやさしく面倒見のよい男、
静かで寡黙、ときにせつなそうな表情をして遠くを見つめる…、それが鶴田浩
二が創り上げたロマンチックな人物像だった。

●東映任侠映画の最高傑作で鶴田浩二は耐えに耐える男を演じる

東映任侠映画の最高傑作と言われる作品は二本ある。加藤泰監督の「明治侠客
伝 三代目襲名」(1965年)と、山下耕作監督の「博奕打ち 総長賭博」(19
68年)である。どちらも鶴田浩二が主演だ。藤純子は「明治侠客伝 三代目襲
名」ではヒロインの女郎を演じ、「博奕打ち 総長賭博」では鶴田の実妹であ
り鶴田の兄弟分(若山富三郎)の妻を演じた。

この二本とも鶴田浩二は耐えに耐える男を演じる。「明治侠客伝 三代目襲名」
の鶴田浩二は親分を殺され、自分の組の工事現場を奪われそうになっても代貸
として子分たちを抑えて耐える。義理のある大親分に「我慢してくれ」と言わ
れれば、渡世の筋目をきっちり通す男としては、耐え難きを耐えねばならない
のだ。それを周囲は理解していないから、「なぜそこまで我慢しなきゃならね
ぇ。代貸は腰抜けだ」と罵られる。

その身内の無理解に耐え、罵りに耐え、屈辱に耐え、汚名に耐えねばならない。
その耐える顔がいいと、鶴田浩二にはファンが増えた。三島由紀夫が「博奕打
ち 総長賭博」を絶賛したのは、同性愛者だった三島に鶴田浩二の耐える顔が
魅力的に見えたからという要素もあったのではないか。「博奕打ち 総長賭博」
の鶴田浩二は、渡世の筋を通すために恋女房の桜町弘子が自死しても耐えるの
である。

この二本は間違いなく傑作であるし映画史に残る名作だが、鶴田浩二らしさが
最も出た任侠映画としては、シリーズ8作目「博奕打ち 流れ者」(1970年)
がある。この頃になると、パターンを描き続けた結果、任侠映画は歌舞伎のよ
うな様式美の高みにまで昇華していた。僕たちはわかりきった物語を見るため
に映画館に入り、お約束どおりの展開に拍手し、殴り込みになると「待ってま
した」と声をかけるのである。

九州小倉で、渡世の義理で殴り込みに向かう5人の流れ者がいる。筋目の通っ
た渡世人の鶴田浩二と水島道太郎、老渡世人の北村英三、駆け出しの待田京介、
東京の組の者だが修行の旅をしている天津敏である。北村英三と鶴田が駆け出
しの若者を「命を粗末にするな」と追い返した後、殴り込み寸前に天津敏が逃
げる。結局、3人で殴り込み、水島道太郎は大けがをしたところを、逃げた天
津敏に助けられる。

相手の親分に一太刀浴びせ、怪我をした北村英三をかばって逃げようとしたと
き、待田京介がひとりで飛び込んでくる。三人はかばい合いながら引き上げる
が、北村英三は途中で息を引き取る。死の間際、大阪にいる女房と娘に渡して
ほしいと鶴田浩二は500円を預かり、兄弟分の杯をねだる待田京介を「これが
渡世人の末路だ。今からでも遅くねえ、お前は堅気になれ」と叱りつける。

それから5年、鶴田浩二は預かった500円を懐に老渡世人の娘を捜している。女
房はすでに病死し、娘は女郎として売られたのだ。娘が深川にいるらしいと聞
いて、木場の親分の元に身を寄せる。そこである組の二代目を継いで売り出し
中の天津敏に出会う。天津敏の組には小倉で助けられて以来、寄宿している水
島道太郎がいて、殴り込み寸前に逃げた汚名は彼がかぶっている。

ある日、水島道太郎の妹で芸者をしている藤純子と鶴田浩二は知り合う。藤純
子は兄からずっと鶴田浩二の噂ばかり聞いていたので、鶴田が名乗る前に「舟
木栄次郎さん」と、あの語尾を少し上げる喋り方で口にする。「会ったら惚れ
るぞ、と兄にずっと言われていました」と、すでに惚れちまった口調である。
そんな頃、いっぱしの博奕打ちになった待田京介が天津敏の組にワラジを脱ぐ。
役者が揃い、悲劇が始まる。

この映画でも鶴田浩二は耐える。探していた娘が材木問屋の女将におさまって
いるのを知り、500円を届けにいって拒絶され恨み言を言われても耐え、筋目
の通った渡世人だと心の底まで通じ合っていた水島道太郎が自分を救うために
殺されても耐え、渡世の義理から水島道太郎を刺した待田京介が天津敏の組の
者に殺されたのに耐え、世話になった親分がだまし討ちあっても耐える。彼が
守るべき最後の砦はあるのだろうかと思うくらい、耐えに耐える。

●どこが(何が)自分の最後の砦なのかは明確ではなかった

大学生の頃、「俺には最後の砦がある。最後の砦だけは譲らない」とよく口に
した。その後に「最後の砦が、どこにあるのかはわからないけどな…。けっこ
うズブズブに譲ってしまったりして」と、少しおどけた口調で言い添える。前
半は本音だった。ただし、真面目に主張してしまったが故に恥ずかしくなり、
後半のフレーズで冗談めかしたのである。もっとも、本当にどこが(何が)自
分の最後の砦なのかは明確ではなかった。

それでも、自分の最後の砦だけは守りたいと肩肘を張った。しかし、社会に出
て会社組織に入り、そこで生活の糧を得るというのは、毎日、何かを譲り続け
ることだと知った。何かに妥協し、何かに耐え、ただひたすら耐え、理不尽を
受け入れることによって、僕は日々の糧を得ていたのだ。違う、俺がやりたい
のはそういうことじゃない、そんな叫びが毎日僕の胸に湧き起こる。やがて、
それにも慣れ、自分のこだわりがどんどん後退していくのを自覚した。

一体、どこまで後退できるのか、妥協できるのか、本当に俺にはここだけは譲
れないという最後の砦が存在するのかと思っていた頃、理不尽としか思えない
人事異動の辞令が出て、僕は「そんな辞令受けられません。冗談じゃねぇや」
と上司に向かって声を荒げ、職場に戻って机を蹴飛ばし「こんな会社やめてや
らぁ」と怒鳴り散らして会社を飛び出した。あれが、僕の最後の砦だったのだ
ろうか。

だが、冷静になって考えれば、その人事は僕の能力を評価していなければあり
得ないものだった。現在の僕は若いモンに「仕事が多いのは有能な証拠。あい
つに任せれば大丈夫という信頼感があるから、無理難題をお願いするんだよ」
と言っているが、それはそのときの僕の経験が言わせている。だが、当時の僕
はそこまではわからなかった。その人事を構想した先輩が自宅までやってきて、
僕はようやく客観的に考えることができたのだ。

Kさんに対する社内の風当たりが強くなったのは、もう彼が50も半ばになった
頃だった。その理由はよくわからない。部下からも突き上げがあったと聞いた
し、批判も出ているという話だった。Kさんの仕事のやり方が、あるいは勤務
態度が組織の許容範囲を超えてしまったのだと思う。僕の会社は出版社として
は堅い方だから、型破りな編集者は存在しにくかったのかもしれない。

その頃、僕は編集部を外れて管理部門に移っていた。ある日、会議の決定を受
け、僕はKさんに最後通牒を伝える役目を担った。つまり、勤務状況や仕事の
やり方に改善が見られない場合は編集長からの降格もあり得ると、組織として
の決定事項を伝えたのである。

おそらくKさんは、社内では僕に最も親近感を持っていてくれたと思うが、そ
の後輩から彼は最後通牒を突きつけられたのである。今でも、僕はそのときの
Kさんの顔を思い出す。「それが会社の決定なんですね」と彼は念を押した。
僕に対して敬語を使ったことが悲しかった。Kさんが辞表を出したのは、翌日
だった。最後通牒を伝えたときから、僕にはKさんが辞表を出すことはわかっ
ていた。Kさんは覚悟の人だったし、最後の砦を守ったのである。

彼には彼の言い分があったはずだ。どう見えようが、自分は自分なりのやり方
で仕事をしているのだとKさんは言いたかったはずである。だが、Kさんはひと
言も言い訳をしなかった。「それが会社の決定なんですね」と、メガネの奥の
目を光らせただけだった。Kさんは退職するまでの期間、恨み言のひとつも言
わず、それまで以上に明るく仕事をこなした。

最終日だったか、後輩の編集者が設定した送別会でも終始、にこやかな笑顔だ
った。座が盛り上がり参加者たちの惜別の辞が続き一段落したとき、身を縮め
るようにして参加していた僕の隣にKさんがやってきた。「ソゴーくん、これ
からもがんばってくれよ」とKさんは言った。それから「義理と人情はかりに
かけりゃ」と、思いを込めて歌った。

Kさんが歌い、僕は「おぼろ月でも墨田の水に」と続けた。涙がにじんだ。Kさ
んと共有した30年が甦った。Kさんが新婚旅行から帰って出社したときのこと、
ふたりで出版労連の会議に数え切れないほど出席したこと、一緒にロケしたこ
と、酒を酌み交わし「唐獅子牡丹」を歌ったこと、酔っぱらってタクシーに乗
り僕ひとりが阿佐ヶ谷で降りて青梅街道で寝ていたこと…、Kさん、ありがと
ありました、と僕は口の中でつぶやいた。

Kさん、覚悟の人は僕ではなく、間違いなくあなたでした。健さんや鶴田のア
ニィのように、あなたは最後の砦を守りきった。譲らなかった。妥協しなかっ
た。筋を通した。未練たらしいことなど、一度もしなかった。恨み言など、ひ
と言も口にしなかった。「幼なじみの観音様にゃ俺のこころはお見通し」
──最後にあなたはそう歌いたかったのではないか、今でも僕はそう思ってい
ます。

【そごう・すすむ】sogo@mbf.nifty.com < http://twitter.com/sogo1951 >

久しぶりに会社主催のゴルフコンペに出た翌日、体の節々が痛いのに狭いトイ
レで新しいシャワートイレの交換をした。水が漏れたり様々なトラブルがあっ
た後、何とか使用できるようになったが、結局、4時間近くかかってしまった。
「工事費8,000円倹約になったわ」とカミサンは言うが、やれやれです。

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玩具の鳥」の配信を開始しました→Appストア「グリフォン書店」
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「2002年版 艱難辛苦編」350円+税
「2003年版 青息吐息編」350円+税
「2004年版 明鏡止水編」350円+税
「2005年版 暗雲低迷編」350円+税
「2006年版 臥薪嘗胆編」350円+税
「2007年版 驚天動地編」350円+税
「2008年版 急転直下編」350円+税
「2009年版 酔眼朦朧編」350円+税
< https://hon-to.jp/asp/ShowSeriesDetail.do;jsessionid=5B74240F5672207C2DF9991748732FCC?seriesId=B-MBJ-23510-8-1 >

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■エンドユーザー大変記[26]
無個性の中に個性を見出す─スマホ夏モデルを俯瞰して

ジョニー・タカ
< http://blog.dgcr.com/mt/dgcr/archives/20120601140200.html >
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Androidの夏モデルが各社からデビューした。先にドコモとau、その後にソフ
トバンクから発表されたわけだが、各社のモデルを見て抜きん出ているのは、
ドコモではやはりXperia2機種とGalaxy S3、auではHTC Jと40〜50代男性をタ
ーゲットにした京セラの「URBANO PROGRESSO」である。

○au初のAndroid 4.0:おサイフ、ワンセグ、赤外線──KDDI、日本カスタマ
イズの「HTC J ISW13HT」発表(ITmedia +D モバイル)
< http://plusd.itmedia.co.jp/mobile/articles/1204/20/news027.html >

○+WiMAX対応:防水・防塵対応、上質で使いやすい"大人スマホ"「URBANO
PROGRESSO」(ITmedia +D モバイル)
< http://plusd.itmedia.co.jp/mobile/articles/1205/15/news038.html >

ただ共通するのはいわば"ガラスマ"にほとんど統一した結果、却って個性が
光らなくなり画一的になってしまった感がある。

そこで、ユーザーにしてはケースなどで個性を出すわけだが、意外と"ケース
派"と"アンチケース派"が分かれてしまっていることを知った。

○なんでiPhoneにケースとかつけんだよ! iPhone非ケース派の理由
(GIZMODO)
< http://www.gizmodo.jp/2012/02/stop-ruining-your-phone-with-a-stupid-case.html >

これはiPhoneでの話だが、自分の感覚ではAndroidでは全く逆になっている感
がある。無個性故にケースで個性を出さないと"自分のもの"にならない感覚
だろうか。それを証明するかのようなデータがある。

○スマホなどのアクセサリー、周辺機器市場は824億円、2016年には3倍に
(Business Media 誠)
< http://bizmakoto.jp/makoto/articles/1205/28/news041.html >

随分なそろばんの弾き方だなーと思ったが、自分が感じた限りでは、むしろ周
辺機器(予備バッテリー、Bluetoothキーボード等)の方が伸びて、アクセサ
リーは縮小するんではないかと思う(このグラフの見解でも、そう述べられて
いる)。

というのはこのグラフでは2016年までだが、むしろその4年の間にメーカーの
撤退あるいは合弁による機種数のスリム化が更に起きそうな感じなのだ。過去
の話にはなってしまうが、東芝が富士通との合弁会社設立により事実上撤退し
たため
< http://www.toshiba.co.jp/product/etsg/cmt/info/press.htm >

今後作っても売れないとなると日本人が好きな"グローバル化""海外に市場
を展開する"なんてことが言えなくなってしまう。

確かに、カラバリを増やすために製造ラインを増やすとなるとそれはそれで一
大決断がいるし、スマホ自体の単価が高いため売れなければ無駄、ということ
になってしまう。

なのでカラバリは多くて2つ(大体ホワイトかブラック)、あとはモデルチェ
ンジまで淡々と生産を続けていけばいいだけである。

なので買うユーザーはどうするか、といえばやはりケースを買って個性を出す、
のが一番妥当である。

……と、ここまで書いていたら、ソフトバンクが8色のPANTONEスマホを発表し
てしまった。しかも、簡易放射線測定機能付き。

○スマホ初のPANTONE、防水・防塵対応で放射線測定機能も──「PANTONE 5
107SH」(ITmedia +D モバイル)
< http://plusd.itmedia.co.jp/mobile/articles/1205/29/news049.html >

やはりこのあたりは、キャリアのリーダーシップがないと作る勇気はないよな
ぁ、と思った。やろうと思ったら出来てしまうのである。

こう見ると先行のドコモ&auは、ソニーモバイル・サムスン・HTC以外のメー
カー側が"仕方なく作った"という感が否めない(ソフトバンクにしても、ア
ップル偏重と見られないためにあえてAndroidにもテコ入れしないとメーカー
にそっぽ向かれる懸念はある)。

しかも、放射線測定についてはドコモが去年のCEATECでジャケットとして参考
出展していたが、見事にソフトバンクに商品化されてしまった。

○(参考)CEATEC JAPAN 2011:放射線量やアルコール臭、体脂肪を測れるジ
ャケット──NTTドコモ(ITmedia +D モバイル)
< http://plusd.itmedia.co.jp/mobile/articles/1110/04/news103.html >

そしてアップルは余裕で後追いポジションを選び、WWDCに臨むわけだが、また
他のメーカー(PCメーカーや携帯メーカー全て)を打ち砕いてしまうのだろう
か…。

【ジョニー・タカ】johnnytaka32(a)gmail.com

1976年、横浜・関内で生まれ、上州と越後の風を受けて育ち、来世でもFUNKを
踊り続けるフリーランサー。ヴァーチャル・キャラクターに曲を付けて選曲を
展開する"コンピレーション"を1998年から行っている。2012年はようやく発売
されたPSPソフト『フォトカノ』のコンピレーションを展開予定(と言っても
勝手にやってるだけです。それを続けて14年目)。PS3でも『THE IDOLM@STER2』
が発売されたので、そちらの選曲作業も始めてます。
< http://music.ap.teacup.com/cafedejohnny/ >

日常ブログ < http://ameblo.jp/johnnytaka/ >
ツイッター < http://www.twitter.com/johnnytaka1962/ >

前回のテキストが掲載された後、見事に風邪を引きまして、結局金環日食は素
直にテレビで見ました。そして物凄く寒暖の差が激しい…これまで以上に体が
参ってしまいます。いつもなら書き出すのは早いですが、さすがに体が動かな
いので治癒を待ってたら、ちょうど主要キャリアの発表会の時期になった、と
いうわけです。

○激ヤセのモデルは排除! 冨永愛・山田優らで「VOGUE JAPAN」健康美プロジ
ェクト始動!(シネマトゥデイ) -YAHOO!ニュース
< http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20120522-00000024-flix-movi >

私が読んでいるマンガの一つである『GA 芸術家アートデザインクラス』3巻で
< http://www.amazon.co.jp/dp/4832278355 >

主人公の山口如月(やまぐち・きさらぎ)が「モデルさんってこんなに足細く
て転ばないんでしょうか…ご飯ちゃんと食べてますかねぇ」(93P、原文ママ)
と呟いていたことがある意味現実に。ちなみにこの時に受けている授業は"テ
キスタイル・ファッション"というオチも。

○〈デジバナ〉ネットに貴重な「ボケ役」(朝日新聞デジタル)
< http://t.asahi.com/6py0 >

虚構新聞の一連の騒動を新聞記者が取材したらこうなる、というもの。
【元記事】橋下市長、市内の小中学生にツイッターを義務化(虚構新聞)
< http://kyoko-np.net/2012051401.html >

震災の時も"暗く沈んだ空気を和ませる"目的でボケツイートをする方もいた
が「不謹慎」の一言で潰されたことも考えると、この記者の"ボケ役も必要"
という目線はむしろ必要かもしれない。

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■ところのほんとのところ[80]
New York Photo Festival 2012

所幸則 Tokoro Yukinori
< http://blog.dgcr.com/mt/dgcr/archives/20120601140100.html >
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NYPH(ニューヨークフォトフェスティバル)に行ってきた。US行きは6回目だ
が、NYは3度目になる。JFK空港はわりと小さいので嫌いではない。問題は入国
審査が長く厳重でしつこいことぐらい。

行きのフライトは朝の便だったので成田に泊まる。早起きが苦手なのに、朝5
時に起きて成田に向かうとろくなことがないからだ。今回は自費なので何の気
兼ねもない。芸術を理解しないクライアントだと、東京から成田なのになぜ前
泊しなければならないのかという。たくさんの機材を抱え、今から違う国で写
真を撮りに行くというプレッシャーを理解できないのだろう。

実際、午後便の方がぼくも嬉しいのだけれど、安く行こうと思えば思う程、こ
ういうケースが出てくる。それで数万安くなるのだから、仕事のときの前泊1
万弱ぐらい大目に見て欲しいものだ。

NYへのフライトは行きがだいたい12時間で、帰りが13時間ちょっと……結構長
い。それと時差が同じくらいなので、同じ日の同じ時間にNYに到着する。

[ところ]にとっては、NYとハワイ行きのが時差がとてもキツくて、日本に帰
ってから暫く体調が悪い。まあ、それは諦めて機内で映画を4本見られるんだ
と思いながら乗ることにしている。

さて今回は、[ところ]が参加している写真のプロジェクト「東京画」にとっ
て、初の海外出展となった「New York Photo Festival 2012」のためのNYだ。
5つの章立てによってキュレーションされた26名/53点の「東京画」は、5月16
日のプレスを対象としたヴェルニサージュには250名を超えるメディアとVIPが
出席とのことで、[ところ]もオープニングパーティに間に合うように行くこ
とになったのだ。

パーティは大盛況で、来場者も非常に多かった。[ところ]も初体験だったプ
レスツアーとかいうのがあり、何10人もプレスがまわって来たりするのだ。5
月20日までの4日間の一般会期に1000人を超える来場者を迎え、大きな評価を
得て終了したのだけれど、NYPH '12は5月31日まで会期延長を決め、さらに
「東京画 meets NYPH 2012」展は6月8日までの期間、作品展示が延長されるこ
とになった。これは異例なことである。

(延長会期中のギャラリーオープン日:5/23、24、25、30、31、6/1、6、7、8)
<http://nyph.at/news/the-new-york-photo-festival-has-been-extended/>

世界中の写真関係者が購読するメールマガジン「La Lettre de la
Photographie」では各章を個別の記事として紹介し、16日のオープニングの様
子も大きく報じています。
<http://lalettredelaphotographie.com/search?q=tokyo-ga>
5つ目の最後の2ページが[ところ]の作品なのでぜひ見ていただきたい。

さて、時間を巻き戻してみよう。JFKから宿泊先のBrooklynのホテルまでタク
シーで30分ぐらい。羽田空港から東京って考えるとイメージは近いかな。チェ
ックインの時間までまだ間があるので、荷物を預けて会場の場所を確認のため
に歩いて行った。旅行代理店の話では10分かからないとのこと。

[ところ]はそういうところが慎重なので、場所を把握しなきゃきがすまない。
ちょっと迷ったけれども無事に着いた。迷わなければ7〜8分というところだ。
意外だったのが、道を聞いた相手がみなやさしく教えてくれたことだ。マンハ
ッタンでも、ブルックリンでもそうだった。日本でも外国人をこわがらず対応
できる人が増えたように思う。いいことだ。まあ、欧米の場合、堂々と間違っ
て教えてくれる人が多いのだけれど。

会場に到着してみるとほぼ準備は出来上がっていて、あとはオープニングパー
ティを待つだけの様子。いったんホテルに帰って、シャワーを浴びて再び会場
に向かった。既にすごい人で埋め尽くされていた。

いまさらながら、語学が堪能だったらいいなあと痛感した。英語を話せない
[ところ]は壁の花(?)だから。それでも何人かとはコミュニケーションを
とることが出来た。親切な友人たちに感謝したい。初日は夕方からだけで250
人ぐらいだろうか、盛況であった。

[ところ]はいままでNYではマンハッタンにしか泊まったことがなかった。橋
を渡ればすぐにブルックリン。最近はかなり素敵なお店が増えてきているエリ
アなのである。かわいい風船付き看板が目についた。思わず入りたくなるけど、
[ところ]は一人で食事に入るのが苦手なので、また次回のお楽しみとする。

実際、会場以外だと大抵はマンハッタンにいた。[ところ]の撮影には向いて
るからと、前の2回ともマンハッタンだったからなのだけれど。もう少し時間
があるときにブルックリンにも撮影ポイントを探してみたい。充分撮り甲斐の
ある街だと思う。

ブルックリンの致命的なマイナスポイント。なんと、マンハッタンのイエロー
キャブはブルックリンに行ってくれないのだ。そういえば、TVドラマのセック
ス&シティで言ってた。「ブルックリンはNYじゃないのよ!」って。彼女もマ
ンハッタンからブルックリンに引っ越したとたん、タクシーで帰れなくて怒っ
ていたっけ。気持ちはよくわかった。

結局、初めて地下鉄に乗って帰ったのだが、それもいい経験であった。もっと
滞在したいのだけれど、飛行機の都合で今回は4泊が限度であった。ちょっと
残念な気持ちのまま、日本へ。機会があるのなら、ブルックリンは[ところ]
も一度は住んでみたい街だ。

●所幸則「1second─ほんとうにあったように思えてしまう事」
< http://cosmos-akasaka.sub.jp/?p=2503 >
< http://tokoroyukinori.com/ >
会期:5月10日(木)〜6月9日(土)日月休
会場:Niiyama's Gallery and sales Salon(東京都港区)
ただいま初のヌード作品展開催中。最終日は僕も行きます。

【ところ・ゆきのり】写真家
CHIAROSCUARO所幸則 < http://tokoroyukinori.seesaa.net/ >
所幸則公式サイト  < http://tokoroyukinori.com/ >

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編集後記(06/01)

●こどもの頃、五右衛門風呂に一緒に入った父からはいろんなことを教わった。
1から100までの数え方、かけ算の九九なんてのは普通だけど、ヒネルトジャー
とはなにか、オストアンデルとはなにかといった言葉遊びをよくしかけられた
ものだった(答えは水道、饅頭)。わたしがいまもオヤジギャグを連発して妻
からばかにされるようになったのは、あきらかに父の影響である。また、口中
で舌を立てたり、むりやり指を立てるへんてこな特殊技能を伝授された。

それはこういうの。口をあけて、━状態の舌を┃状態にする。舌を立てる。お
わかりになるだろうか。写真に撮ればすぐわかるが、マヌケな顔だから見せら
れない。この特技は誰もまねできないはずだったが、うちの小1男子がある日
「できたよ〜」と家族に公開した。一生懸命練習したという(こんなことを…)。
また、拳をにぎり親指から一本づつ立てていく。薬指まで4本まっすぐ立てる。
小指だけは曲げたままだ。これ、かなり苦痛だが訓練するとできるようになる
(よい子はやってみよー)。小1男子は、こっちはまだマスターしていないが、
かなりいい線までいった。駄洒落もだいぶうまくなった。娘から「変なことば
かり教え込まないでよ」と叱られた。

父はレンズ職人、旋盤工だったから手先が器用でなんでも自分で作った。正月
の飾り物つくりなどプロ級で、竹馬も近所では一番かっこいい、一番丈の高い
ものを作ってくれた。母も器用で、小学校の夏休みの宿題の工作はいつも9割
方母の仕事だった。それらの器用の素質は兄に持って行かれて、わたしにはあ
まり伝わらなかったようだ。なんだか最近、よく父や母のことを思い出す。お
迎えが近いのかもしれない。それだったらラッキー。       (柴田)

●ケースつけてる。それも同じメーカーの同じ形のを二代にわたって。蓋の部
分に交通系カードを入れていて、どこでもタッチして改札を抜ける。東京に行
くとPasmoに入れ替え。滑り止めにもなるし、知り合いらのiPhoneと見分けら
れるし、いいんだけどな〜。
< http://www.appps.jp/archives/1936042.html >
iPhone完全防水化サービスが国内向けに発表されました

今回の旅行で役に立ったのが、パノラマ撮影できるiPhoneアプリ、名前そのま
んまの「パノラマ」。無料。iPhoneを垂直にして、スタートボタンを押し、
iPhoneの高さを固定したまま、体をゆっくり回転させると勝手にシャッターが
下りていく。「終了」ボタンを押すと合成される。これの縦バージョンがあれ
ば、近くからでもスカイツリーが上から下までとれるのになぁと思ったり。こ
のアプリは一枚ものの画像として書き出すことが目的ではないらしく、それだ
とあまり精度は良くない。が、「ギャラリー」の中、再生ボタンを押すと、魚
眼レンズで見ているような、少し歪んだ風景を自動的に横スクロールして見せ
てくれて、臨場感があるよ。360度撮影だとぐるーっとまわってくれる。人に
見せる時は、書き出した画像をメールしたり、FacebookやTwitter、クラウド
へ。メーカーのサーバにアップロードすることもでき、これだと画像をマウス
で操作して、360度見てもらえるよ。雰囲気は伝わる。   (hammer.mule)

< http://itunes.apple.com/jp/app/panorama/id441183050?mt=8 >
パノラマ
< http://www.dermandar.com/p/cOhtlt >
東京駅で。マウスで画像を触ってみて
< http://blog.dgcr.com/mt/dgcr/archives/2012/05/30/images/Image.jpg >
画像だとこんな感じ(画質落としてます)。ゆがみ大きい。
< http://nanapi.jp/37983/ >
Facebookで自分の名前と写真を広告に使えないようにする方法
< http://d.hatena.ne.jp/Hamachiya2/20120530/bitly >
ソーシャル化したbit.lyの恥ずかしいリンクの消し方

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発行   デジタルクリエイターズ < http://blog.dgcr.com/mt/dgcr/ >

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デスク     濱村和恵 < mailto:zacke@days-i.com >
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