2012年5月31日木曜日

日刊デジクリ[#3271] ご旅行は計画的に ─エルドラドの秘宝─

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【日刊デジタルクリエイターズ】 No.3271    2012/05/31.Thu.14:00.発行
http://www.dgcr.com/    1998/04/13創刊   前号の発行部数 10037部
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             《 Hello! World! 》

■ショート・ストーリーのKUNI[118]
 代理人
 ヤマシタクニコ

■歌う田舎者[33]
 ご旅行は計画的に ─エルドラドの秘宝─
 もみのこゆきと

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■ショート・ストーリーのKUNI[118]
代理人

ヤマシタクニコ
< http://blog.dgcr.com/mt/dgcr/archives/20120531140200.html >
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その日、林原くんはとある食堂にいた。いつものように「なんでおれはこんな
に貧乏なんだろう」と思いながら玉子丼を食べた。ぺろりとたいらげ、レジに
行き、金を払おうとして林原くんは青ざめた。

財布の中には470円。玉子丼は480円。10円足りない。どうしよう。貧乏だとい
っても今まで食堂で「すいません、お金がないんです!」と謝ったりしたこと
はないのだ。当然、食い逃げの経験もない。だいたい足が遅いので絶対つかま
る。こけるかもしれない。最近運動不足だし。

林原くんの額からたらりたらりと冷や汗が伝ってきたとき
「これをどうぞ」
すぐ後ろから10円玉を差し出した男がいた。

ビジネススーツに身を包んだ、いかにも仕事ができそうな男だ。いま風のセル
フレームが似合っている。

「えっ……」
とっさに何もいえず、林原くんはとりあえずその10円玉をもらい、無事に勘定
を済ませた。外に出るとほーっと息を吐いた。

「どこのどなたか知りませんが、ありがとうございました。おかげで助かりま
した」林原くんがそういうと男は手を振り「私にお礼を言う必要はありません。
それよりここにサインしていただけますか」
一枚の書類を差し出した。

領収書
10円
私こと林原よしおは確かに上記の金額を受け取りました。

「え? なんでぼくの名前がわかるんですか?」
「わかるも何も、あなたに贈られたお金だからです」
「はあ?」
「実は私は代理人でして。あなたに恩返しをしたいという方から代理で10円を
 届けたのです」
「恩返し?」

「はい。去年の夏にあなたは一匹のアリを助けました」
「ぼぼ、ぼくが? まさか」
「はい。そのアリが仲間と歩いていたところ、あなたがやってきたのです。
『ああ、なんでおれはこんなに貧乏なんだろう』と言いながら」

「たしかにぼくのようだ」
「アリはもう少しで踏みつぶされるところだったのに、あなたはとっさによけ
 て、そのために転びました。おかげでそのアリ、池田修さんは助かったそう
 です」

「へー、われながらなんといい人間なんだ……と言いたいところですが、それ
 はたまたま転んだのでは……近眼だから見えるわけないし……だいたい、ア
 リがなんで池田修さんなんですか」

「わかりやすいように人間風の名前で言ったのです。ほんとはとても人間には
 発音できない名前ですが、あえて人間風に言うと池田修に相当するという意
 味なんです。で、その池田さんが、どうしても命の恩人に恩返しをしたいと
 申し出られまして。ずいぶん探しましたが、やっと見つかりました」

「それはどうも。でも、10円ですか……」
「アリにとっては大金です。池田さんはあなたの恩に報いるために昼夜を問わ
 ず働き、やっと1年かけて10円をためたのです」
「そ、そうですか。ありがとうございます。池田さんにはくれぐれもよろしく
 お伝えください」

領収書にサインをして男と別れて歩き出した。信号2つ分くらい歩いたところ
で、見知らぬ男に呼び止められた。

「林原よしおさんですね」
「はい、そうですが、ひょっとしてあなたも代理人?」

「さようでございます。あなたは去年の9月に一匹のメスの蚊に血を吸わせま
 した」
「いや、吸わせた覚えはない。それは単に吸われたんだ」
「おかげで元気な卵が産めました、ぜひお礼をしたいと、内村早苗さんのご希
 望を伝えるためにやってまいりました。これを」

「蚊の名前が内村早苗か……なんだこれ。抽選券?」
「そこの商店街でいまガラガラ抽選をやってます。3000円以上買い物しないと
 抽選させてもらえないんですが、これがあればだいじょうぶというすばらし
 い抽選券です」

「それでふつうだよ。でも、当たるのかい」
「サプライズを味わっていただきたいということなので、当たるかどうかわか
 りません。どきどきするのが楽しいじゃないですか。あ、この領収書にサイ
 ンを」

林原くんは領収書にサインをしてガラガラ抽選の会場に行った。結果は「うま
い棒」7本入り袋だった。

林原くんはそのうまい棒をむしゃむしゃと食べながら考えた。なんで恩返しに
しても、こんなにしけた恩返しばかりなんだろう? お話に出てくる恩返しと
いえば大金持ちになるとか美女と結婚するとか……。

いや、でも、あのとき10円がなかったらものすごくはずかしい思いをしてたわ
けだ。このうまい棒だって、ただで手にいれたのだ、ただで。それにこのうま
い棒のギュウタンシオ味、なかなかいけるな。いままでチーズ味ばかり食べて
たけど。

そうだ。人間、調子のいいことばかり考えていてはいけないんだ。小さな善意
の積み重ねが幸せをもたらすということなのかもしれない。なるほどなるほど。
この調子でいけばこれからもいいことがあるかもしれないし、ひとつひとつは
しょぼくてもトータルすればそこそこのもんだったりして……。

と思った瞬間、林原くんはいきなりパンチを受けてその場にぶっ倒れた。

「痛っ! なななな何するんだ!」

すると、頭の上から太い腕がのびて、林原くんが転びながらもしっかり握りし
めていたうまい棒をさっと奪い取った。林原くんが見上げると背の高い筋肉隆
々の男が立っている。グラサンがぎらりと陽に輝く。

「これはもらっておく。ほかにもあったら出すんだ!」
「なな、なんだよ、おまえは」
「おれは復讐専門の代理人だ。おまえは去年の秋、網戸を閉めるときにそれで
 なくとも弱っていたガガンボの沢田ジュンイチさまをはさんだ」

「しししし知りませんよ!」
「おかげで沢田さまは脚を一本切断されたんだ。復讐してくれといわれ、今日
 まで探していた。おまえが引っ越したおかげで苦労したぜ。おまえも同じ目
 にあわせてやりたいところだが、うまい棒を全部寄越せばいいことにする」

「ももも申し訳ございません。うまい棒、さしあげます。テリヤキバーガー味、
 あとで食べようと思ってとっておいたんで、それが残念ですが」
「つべこべいうんじゃねえ!」

男がうまい棒を取り上げようとしたその瞬間、横から巨大な肉塊がものすごい
勢いで飛んできた。と思う間もなくグラサンの男に一撃をくらわし、男は一発
で100メートル先までふっとんだ。

「あぶないところでしたね。あんなやつをのさばらせておくわけにはいきませ
ん、林原さま」
肉塊、もとい林原くんを助けた男は、林原くんのそばにうやうやしくひざまず
いて言った。

「きき、きみは何なんだ」
「私も代理人です。あなたはゴキブリ界にその名をとどろかせている大和田隆
 三さまが寵愛されているゆうこさまが、慣れないコンビニに遠征して道に迷
 っていたとき、そっとドアを開けて逃がしてあげたそうで」

「覚えてない。たまたまだろ、たまたま……」
「大和田さまは感激されて、なんとしてでも恩返ししたい、あなたを見つけ出
 して連れてこいとのお達しです。ささやかではありますが、一席設けており
 ます。姐さんもお待ちかねです。さあ今から一緒に」
「行かないよおっ!」

【ヤマシタクニコ】koo@midtan.net
< http://midtan.net/ >
< http://yamashitakuniko.posterous.com/ >

公園を歩いていたらカラスノエンドウやタンポポに交じって、うちわみたいな
変わった形の種をつけている植物があった。何だろうと思い、帰って調べたら
ムスカリらしい。ん? ムスカリ? そういえば、付近にはゼラニウムも弱々
しく小さな花を咲かせていた。白い木製のミニフェンスも何か所かに……ご近
所のお花好きな方が植えられたらしい。幸いこびとの人形などはまだなかった
けど、「やはり庭におけ園芸植物」ではないだろうか。

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■歌う田舎者[33]
ご旅行は計画的に ─エルドラドの秘宝─

もみのこゆきと
< http://blog.dgcr.com/mt/dgcr/archives/20120531140100.html >
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幾多の旅人が捜し求め
そしてたどり着くことができなかった黄金郷 エルドラド
黄金の鎧兜 砂金流れる川
光り輝くインカの幻を追い求め 血みどろの争いを繰り広げるも
誰ひとり その手に秘宝を掴むことかなわず
力尽きて 斃れた旅人は 白い骨になって 静かに眠り続ける

けれど わたしは知っている
エルドラドの秘宝の在り処を
黄金色に輝く それは
アンデスの峻烈な山や谷 アマゾンのジャングルには すでにない

じりじりと照りつける 灼熱の太陽から身を隠し
夜の闇の中 月の光にこそ浮かび上がる 伝説の秘宝
南米のメトロポリスの片隅で 今宵 妖しく花ひらく

さぁ 今こそ見せつけよ その黄金色の輝きを
エルドラドの秘宝が どれほどのものか
世界中に誇らしく示すがいい
そのパンツを脱いで…………………………え?



ここはアルゼンチンの首都、ブエノス・アイレス。南米有数の巨大都市である。
南アメリカ大陸を旅するバックパッカーなら誰でも知っている日本人宿「上野
山荘ブエノス・アイレス別館」は、この都市を訪れる旅人が大勢去来するレテ
ィーロ駅から歩いて15分の通りにあり、一泊1,000円しないという気軽さも
手伝って、いつも多くの日本人宿泊客で賑わっている。

さて、このまちを訪れた大和撫子が、必ず行かねばならない隠れた名所がある。
それは、マドンナ演じるエビータが♪Don't cry for me Argentina〜♪と歌っ
たカサ・ロサーダ(大統領府)でもなければ、カラフルに彩られたカミニート
でもない。南米屈指の名門サッカークラブであるボカ・ジュニアーズのホーム
スタジアム「ボンボネーラ」でもない。

その名は、「un show exclusivo para mujeres "GOLDEN"」。上野山荘のあ
るスイパチャ通りの一つ裏側、宿から徒歩数分のエスメラルダ通りにある劇場
だ。クラブと言ったほうがいいかもしれない。

"GOLDEN"という、いかにもエルドラドの秘宝が眠っていそうなそのネーミン
グから、ここ掘れワンワンと、スコップ持って掘り散らかしたい衝動に駆られ
るのだが、ここは秘宝採掘体験をさせる場所ではない。

un show exclusivo para mujeres(女性のためだけのショー)の名が示すとお
り、平たく言うと「イケメン男子ストリップ」を見せてくれるところなのだ。
何か文句でも?

しかも料金は50アルゼンチンペソ(約900円・金券ショップ価格)。日本では
決して体験できぬこの条件をおめおめと見過ごしては、大和撫子の沽券にかか
わるというものではないか。

思い起こせば、女子ストリップについては、以前デジクリで「わたしの初体験
(2010/11/12掲載)」として書いているので、ここはもちろん、男女共同参画
社会の高邁な思想に則り、男子ストリップについても書かなければ、不公平と
いうものである。

「男女共同参画社会とは、『男女が、社会の対等な構成員として、自らの意思
によってストリップ分野における活動に参画する機会が確保され、以て男女が
均等に文化的利益を享受することができる社会』のことである」とWikipedia
にも解説されている。多少コピペミスがあるかもしれぬが、まぁ、そんなつま
らんことは気にすんな。

南米がわたしを呼んでいたのは、イケメン男子ストリップについて書きなされ、
触りなされという神の啓示ではないのか。そうだ、そうに違いない。

ちなみに「女性のためだけのショー」と謳っているだけあって、男子禁制であ
る。もちろん女装して突入する男子もあまたあるのであるが、入場チェックで
ひっかかり、たいていが涙で袖を濡らすことになる。セーラー服を着たあの
GlowHairさんにも入場を試みていただきたいのだが、おそらく門前払いをくら
うであろう。

開場は22時。この時刻になると、どこから湧いて出たのか、コスプレに気合の
入ったアルゼンチン女子が三々五々集まり始める。中には「脱ぐのはお前じゃ
ねえだろ」とツッこみたくなるほど露出度が高い女子もちらほらと。正確には、
女子といえども老若女々、うら若き女子からおばあちゃんまで年齢層は幅広い。

出演するイケメン男子が楽屋入りすると、入り待ちのアルゼンチン女子が嬌声
をあげ、それはもう大変な騒ぎで、まるでジャニーズか宝塚である。

会場に入ると、白いカラーに黒い蝶ネクタイをした上半身裸のマッチョなイケ
メンが現れ、紫のレーザービームを反射するミラーボールが輝く中、「いらっ
しゃいませ」と微笑みつつ、席までエスコートしてくれる。どいつもこいつも
分厚い胸板だ。ぺしぺし。

客が食べ放題のピザをつついているうちに、時刻は23時をまわり、やっと前座
のイケメン男子が腰をくねらせ登場する。まぁ、何をどうやったらあんな体型
になるのかわからんが、ウエストを境に上半身対下半身のボリュームの割合が、
2:1なのである。おまえは北斗の拳か、ケンシロウか。もうサイボーグにしか
見えんぞ。

舞台から客席に降りてきた前座男子(パンツ一枚のみ)は、客の婆さまを抱き
しめたり、キャーキャー騒ぐコスプレ女子に、背後からしがみつかれたりして
いる。

前座男子が舞台袖にはけると、ついに5人の真打ち登場だ。体がマッチョな割
には顔が可愛いイケメン男子である。"幼な顔だけど巨乳女子"の男バージョ
ンと言えよう。ここからは写真NG。

客の女子も舞台にあげて、ストーリー仕立てで小芝居を打つのだが、勧善懲悪・
正義の味方、囚われた美女をマッチョイケメンが助け出し、しばし妖しげに絡
み合ったり、みんな大好き裸エプロンがあったり(←男だけどな)。スペイン
語がわかると、結構笑えるネタもやっているらしく、時にアルゼンチン女子の
爆笑に包まれる

そして、ステージもいよいよ佳境。ジャケットの襟に手をかけたマッチョイケ
メンは、「見たいかい? 見たいんだろ? セニョリータ。そう焦るなよ」妖
しい流し目で、じらしながら一枚ずつ脱いでいく。

ズボンひとつになったマッチョイケメンが、腰に仕込まれた紐をスッと引くと、
一瞬でズボンが分解し、パンツ一枚だけに。……ふう、まだ一枚あったか。し
かし、そのパンツをよく見ると……。

そう、WEB系エンジニアの皆さまなら誰でも親しんでいるあのフレズ、
"Hello! World!"。そらもう息を飲むような超弩級戦艦が、パンツの中から
"Hello! World!"と顔を出して挨拶してるんでやんすよ。さぁ、皆さまも一
緒にご唱和ください。"Hello! World!"
……どうしてくれるんですっ!

「おぉっ……こっ、これぞエルドラドの秘宝ぞ! 助さん、格さん、おまえた
ち、頭が高い。みんな揃って控えおろ〜っ!」

黄門様まで平伏するその秘宝は、最後の一枚であるパンツを取り去る前から隆
々と頭をもたげ、黄金はここだ、ここ掘れワンワンと仰せになっておられるの
である。さすがはスペイン語圏の男。無敵艦隊だ。このように巨大すぎては、
戦う前から白旗を掲げるしかあるまい。

しかしながら、ソレはホンモノなのか……。"GOLDEN"で超弩級戦艦を見た女
子なら誰でも考える。

そのため、コトの真偽を確かめようと、舞台かぶりつきで至近距離から見よう
とした女子や、双眼鏡を持ち込んで根元チェックに及んだ女子もいる。さすが
は大和撫子、研究熱心だ。しかし彼らのソレがホンモノであるのか、ナニかを
かぶせたものなのか、未だに真相は解明されていない。

『エルドラド』とは、スペイン語で「黄金の人」あるいは「金箔をかぶせた」
という意味であるらしい。ひょっとすると、エルドラドの秘宝には、金箔じゃ
ないものをかぶせている可能性もあるということを、ここで考古学者の皆さま
にお伝えし、今後のエルドラド研究の課題としていただきたい。



……と、まるで見てきたかのようなことを書いているが、実は見ていないのだ。
一生の不覚、痛恨のスケジュールミスである。

わたしのブエノス・アイレス滞在日程は、日曜から金曜の6日間だったのだが、
"GOLDEN"は週末(金曜・土曜の夜)しか営業していないということを知らな
かったのだ。

金券ショップのオヤジに「すんません、あの……ゴッ、ゴッ……」「ゴ? な
んですか?」「あ、いや、そのタンゴのゴです。えーっと、アストル・ピアソ
ラのタンゴ・ショーのチケットをですね、購入したいんですけど」

「あぁ、今日の分ですか」「そうですね」「はい、ありますよ」「じゃ、お願
いします……えーっと……その……」「まだ何か?」「あっ、いや、えと、そ
の……あらぁ、これって何かしら。ゴッ、ゴールデンって。このチケット、あ
のその、ありますか?」「日時は?」「木曜とか」「あぁ、ここは金曜・土曜
だけなんですよ」

おーまいがーーーーーーーーっ!! なんたる失態! どーしてくれんだよ。

「アストル・ピアソラのタンゴ・ショーのチケット発券を待つあいだに、ちょ
っと振り向いてみたら、ほら、なんかそこに日本では見ないようなポスターが
貼ってあったから、聞いてみただけの通りすがりのあたくしでございますの、
えぇ、別にストリップなんて興味があったわけじゃありませんのよ、だいたい
このポスターのスペイン語も読めませんし、おほほほ。♪ちょっと〜ふりむい
て〜みただけの異邦人〜♪」

……という脚本まで書いて、金券ショップに赴いたというのに。えぇえぇ、わ
たしは見たかったんです、どーしてもイケメン男子ストリップを。……何か文
句でも?

わたしがブエノス・アイレスからマドリッドに旅立った金曜日に、宿の女子が
数人連れだって"GOLDEN"に行ったので、そのときの状況を微に入り細にわた
り聞き取り、加えてWEB上に転がっている情報を総合した結果が、上記のとお
りなのである。ちなみに興奮した女子が舞台で脱ぎ始めることもあるらしい。

しかしながら、このような又聞き体験だけでは、男女共同参画社会に生きる人
間として不適格なのではなかろうか。やはり現地調査というものは自ら行って
こそ、男女共同参画社会基本法の推進に係る課題が浮き彫りになり、ひいては
諸外国との比較を行うことによって、世界における我が国の立ち位置も明確に
なるというもの。

厚生労働省の担当部署におかれましては、このわたしに南米までの旅費さえ支
給していただければ、今すぐ現地に赴き、自ら"GOLDEN"の実態を調査し、超
弩級戦艦の真偽も含め、我が国との比較検討を行う所存であるので、さっそく
補正予算の計上をお願いしたい。

まぁ、そういうわけで、大金を投じて世界を旅する皆さまに進言したい。旅は
事前調査がものすごく大切である。ご旅行は計画的に。

※「GOLDEN」
Esmeralda 1040 Ciudad de Buenos Aires - Argentina
< http://www.golden.com.ar/ >

※「Hola!オラ道中膝栗毛」
↓ブエノス・アイレスの宿で出会った旅友が書いた"GOLDEN"体験記
(写真あり)。
< http://viva0reika.blogspot.jp/2012/05/blog-post.html >

※「Don't cry for me Argentina」Madonna
< http://www.youtube.com/watch?v=4Spy3Nd2D6w >

※「異邦人」久保田早紀
< http://www.youtube.com/watch?v=4mkBeoN44Og >

【もみのこ ゆきと】qkjgq410(a)yahoo.co.jp
かつてはシステムエンジニア。その後、働くおじさん・働くおばさんと無駄話
するのが仕事の窓際事務員。現在、ひたすら貯金を食いつぶす失業者。

ブエノス・アイレスのあとがマドリッドって、いったいどういうルートですか?
と良く聞かれるので、参考までに……。

薩摩藩→羽田…成田→ダラス(USA)→サンティアゴ(チリ)→イースター島
(チリ)→サンティアゴ(チリ)…メンドーサ(アルゼンチン)→ブエノス・
アイレス(アルゼンチン)…コロニア・デル・サクラメント(ウルグアイ)…
ブエノス・アイレス(アルゼンチン)→マドリッド(スペイン)→ミュンヘン
(ドイツ)…レーゲンスブルク(ドイツ)…ミュンヘン(ドイツ)→ヘルシン
キ(フィンランド)→成田…羽田→薩摩藩
※(→)航空機 (…)バス・フェリー・鉄道等

イースター島行きのチケットが確保できそうなら、アメリカ経由で南米往復す
るより、ワンワールドの世界一周航空券がお得と聞き、ヨーロッパを回って帰
ってきたんですが、もっとお得なルートや航空券の種類があれば、ぜひ教えて
くださいまし。ま、失業者なんで、当分行けませんが。

ちなみにこのルートで、航空券価格は燃油サーチャージ込み412,269円(すべ
てエコノミークラス)。マイレージをJALで貯めたものの、実際にJALを使った
のは日本国内線だけで、貯まったマイル数は20529マイルでした。

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編集後記(05/31)

●わたしの好きな新聞コラム「いやはや語辞典」からふたつ。俳人・西村和子
は『可能性』を「負の意味に使わないで」と書く。「可能性」はよいことやプ
ラスの方向に向かう言葉であると思っていた。ところが、最近のニュースでは
「竜巻が生じる可能性がある」などと言うことがある。「可能性」をマイナス
の方向や被害や不幸につながる予測に使っている。明るい未来を約束するイメ
ージの「可能性」には似つかわしくない。

「可能性」を辞書で引けば「事柄や事件について、それが起こるか起こらない
かが未確定である状態」という意味だから間違いではない。しかし、それは
「危険性」「恐れ」と言うべきだ、という指摘にはまったく同感である。「デ
フレ下で増税したら国民生活はメチャクチャになる危険性」を「可能性」と言
ったところで安心できるわけでもない。この場合は「メチャクチャになる。」
と断定するのが正しい。

数学者・藤原正彦は、『お客様の御理解』を「慇懃無礼な文句」だと憤る。電
車でも列車でも、放送でケータイの不使用を依頼したり運行の遅れを弁明した
後に「お客様(皆様)の御理解と御協力をお願い致します」と必ず付け加える。
ほとんどの場合、馬鹿丁寧なだけの不要な文句だ。少なくとも「お客様の御理
解」は要らない。日常的に使用され心がこもっていないが故に不快になる、慇
懃無礼だ、という指摘にはまったく同感である。

無意味で厭味な文句は日本の至るところで使われる。JRばかりでなく、東京電
力も節電や値上げを要請するときに、必ず同じ文句を用いる。どんなに丁寧な
言葉で御理解を求めようとも、家庭向け料金の平均10%値上げと合わせて3年
分のボーナス734億円を計上しているというんだから、とうてい御理解いたし
かねます。やはりさっさと経営破綻なさるよう、東電様の御理解と御協力をお
願い致します。                        (柴田)

●ムスカリ、育ててましたよ〜。/Hello! World!

東京都現代美術館では「トーマス・デマンド展」をやっていた。主に紙で模型
を作り、それを撮影したものが展示されている。遠くから見ると本物っぽいの
だが、近くまで寄ると、のりしろ部分のズレが見えたりする。よくまぁ紙で表
現しようと思ったものだ。一番好きなのは「洞窟」。厚紙を等高線でカットし
重ねたような感じ。映像作品「パシフィック・サン」を見て、気が遠くなった
よ。嵐で揺れた船内のもので、テーブルや椅子、ゴミやら何やらが左右に移動
する。どれだけ手間かかってるんだ! 当初ネットで公開されたらしいのだが、
検索しても見当たらなかったよ。/あったー! 実際の動画と対比できる。尺
が短いからフルバージョンは美術館で。          (hammer.mule)

< http://www.youtube.com/watch?v=lkcwX3NTZxQ >
動画。作品やインタビューが見られる
< http://www.matthewmarks.com/exhibitions/2012-05-05_thomas-demand/installation-video/ >
船内動画は最後の方にちょこっと
< http://www.thomasdemand.info/images/films/recorder/ >
これは展示されていなかった
< http://6thfloor.blogs.nytimes.com/2012/05/04/a-sneak-peek-at-thomas-demands-storm-tossed-imagination/ >
フルバージョンは美術館で

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編集長     柴田忠男 < mailto:shibata@dgcr.com >
デスク     濱村和恵 < mailto:zacke@days-i.com >
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