2012年4月27日金曜日

日刊デジクリ[#3257] 絵を描く人々

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【日刊デジタルクリエイターズ】 No.3257    2012/04/27.Fri.14:00.発行
http://www.dgcr.com/    1998/04/13創刊   前号の発行部数 10036部
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          《なーんも分かっちょらんくせに》

■映画と夜と音楽と…[543]
 絵を描く人々
 十河 進

■Otakuワールドへようこそ![151]
 オタク騒然! 広告代理店がオタク研究チームを発足
 GrowHair

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■映画と夜と音楽と…[543]
絵を描く人々

十河 進
< http://blog.dgcr.com/mt/dgcr/archives/20120427140200.html >
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〈炎の人ゴッホ/セラフィーヌの庭/ポロック 2人だけのアトリエ/クロエ〉


●写生大会にクラス代表の男女を出さなければならない

あれは……中学生になってすぐの頃だった。我が家は、僕が小学六年生の冬に
隣町に引っ越しをした。何とか通学できる距離だったので転校せず、特別な許
可をもらって三学期だけは自転車で通った。しかし、四月に入学した中学には
知った人間はひとりもいなかった。まったくの転校生状態だったのだ。

入学式が終わり振り分けられたクラスにいくと、担任の教師が「小学校でクラ
ス委員をしたことがある者は手を挙げろ」と言った。僕を含めて何人かが手を
挙げた。教師は手を挙げた生徒たちを男女に分け、ジャンケンをさせた。男た
ち数人とのジャンケンでは僕が勝った。

教師はジャンケンで勝ったふたりを教壇に立たせ、「とりあえず一学期は、き
みたちでクラス委員をやってくれ」と言った。その中学に進学してくるのは主
にふたつの小学校からで、その他にも僕のような人間もいて選挙をしたところ
でよくわからないだろうから、とりあえず経験者にやってもらい、選挙で選ぶ
のは二学期からにすると説明した。

確かに僕は小学校でクラス委員の経験はあったし、中学に入学した頃は「小学
校で卒業生総代として答辞を読んだんだぞ」というのが自慢の鼻持ちならない
ガキだった。だから、教師の言葉に得意そうに手を挙げたのだが、誰も知って
いる人間がいない状態なのにクラス委員を引き受けなければならなくなり、急
に不安になり落ち込むことになった。

一緒にクラス委員になった女子生徒は、小学六年生のときに東京から引っ越し
てきたことを鼻にかけているイヤな奴で、讃岐弁でしゃべる僕たちを馬鹿にし
た。「言葉が汚くて驚いた」という作文を書いたと、彼女の小学校の同級生か
ら聞いたことがある。一緒に職員室にいき教師に報告する横で、僕の言葉にい
ちいち馬鹿にした笑みを浮かべるのが腹立たしかった。

彼女は、僕が話す言葉がわからない振りをした。たとえば「それ、先生、かん
まんよったで(それ、先生はかまわないとおっしゃっていましたよ)」と僕が
言うと、「何、言ってるの?」と首をかしげた。その頃はまだ「ブリッコ」と
いう言葉はなかったが、まさにブリッコでおまけにチクリ屋だった。何かとい
うと教師に言いつける。しかし、見た目が可愛いので人気はあった。

入学して一カ月もしない頃、写生大会にクラス代表として男女ひとりずつを出
さなければならなくなった。他のクラスでは絵のうまい人間が選ばれたらしい
のだが、どういうわけか僕のクラスだけ美術の授業が遅れていて、担任教師も
絵がうまいのは誰かを把握していなかった。そこで、とりあえずクラス委員の
ふたりを出そうということになった。

僕は、絵が下手だった。小学生の頃もコンプレックスを持っていたのだけれど、
なぜか一度だけ絵のコンテストで入賞したことがあった。今となってはどんな
絵だったか忘れてしまったが、いわゆる「上手な絵」ではなかった。気まぐれ
な審査員が「ちょっと個性があって面白い」と思っただけだろう。

だから、写生大会の代表に指名されたとき、辞退すればよかったのだ。しかし、
その一度の入賞があったのと、見栄っ張りのエリート意識が僕に代表を受けさ
せてしまった。自分は絵が下手だと思っていたが、もしかしたら…という自信
が少しはあったのだろう。自惚れの強いガキだったのである。

●最初のひと筆で自分でも呆れるくらいひどい絵だとわかった

写生大会は、学校の近くにある栗林公園で行われた。中学校のすぐそばにコト
デン栗林駅があり、そこから歩いて5分ほどのところにある公園である。美術
館も併設されており、入賞者の作品はそこのロビーに展示される予定だった。
僕は、意味もなく張り切っていた。だから、その後の美術教師の態度にひどく
傷ついたのである。

僕は同じクラスの女子代表と一緒に写生するのがイヤで、ひとりで場所を探し
ていた。小高いところから俯瞰ぎみの絵を描こうと思いつき、少し坂を登った
場所にいくと、別のクラスのYクンがいた。彼もクラス委員をやっていて、ク
ラス委員会で何度か顔を合わせ、一、二度口を利いたことがあった。

「ソゴーくん、一緒に描こうか」とYクンが言った。自惚れ屋のくせに人見知
りで、まだ学校で親しい友人もできていなかったが、人から誘われるとうれし
いものである。僕はYクンと並んで腰を降ろし膝を立てた。膝に画板をのせ、
画用紙を広げた。絵の具箱を横に置き、こぼさないように持ってきた水入れを
並べた。

そのとき「Yクン、ここにおったんな」と言いながら女子生徒が現れた。「一
緒に描かせて」と言いながら、その女子生徒も腰を降ろし、絵を描く準備を整
えた。Yクンを挟んで、両側に僕と彼女が並ぶ形になった。Yクンが「同じ組の
Kさんや」と彼女を僕に紹介し、「9組のソゴーくんや」と僕を紹介した。

「Yクン、絵がうまいんで」とKさんが言った。「Kさんやってうまいやないか。
先生ほめとったの」とYクンが答えた。そのふたりは、本当に絵がうまいのを
認められて代表になったのだ、と僕は思った。それから、しばらく三人とも無
言で絵を描き続けた。僕は水彩絵の具をパレットで溶き、大胆に筆を使った。
というか、自分でも呆れるくらい、ひどい絵だった。最初のひと筆で失敗した
のがわかった。

失敗したのを自覚していても、人から否定されて傷つくのは別である。しばら
くして、美術教師が見まわりにきた。参加者の絵を見て、アドバイスをして歩
いていたのだ。美術教師はKさんの絵を見て、「ほう」という顔をした。「こ
このところ、もう少し描き込んだ方が…」などと口にした。

それからYクンの絵を覗き込み、「いいじゃないか」と言った。それから、僕
とYクンの間に入って、熱心にアドバイスを始めた。そのとき、僕も教師に絵
を見てほしかったのだ。自分では失敗だと思っていたが、もしかしたら何かを
認めてもらえるかもしれないと期待していたのだろう。

しかし、今でも僕は思い出す。あのときの教師の反応を、その無関心さを…。
教師はチラリと僕の絵を見ると、明らかに馬鹿にする表情になった。どうしょ
うもない…というように首を振り、無言でYクンの絵に視線を戻した。それで
も、僕は期待した。教師が何かアドバイスしてくれることを…。

あのとき、教師に無視されたことを、50年近くの年月が過ぎ去った今でも僕は
思い出す。鮮やかに甦らせることができる。医者が手の施しようのない患者を
見る目だった。憐れみさえ浮かんでいた。彼にとって、それは救える対象では
なかった。なぜ、こんなに絵が下手な生徒が代表なんだ、という疑問さえ抱い
たのだろう。無視、無関心、無言だった。

あのとき傷付けられたのだ、と甘ったれたことを言いたくはないが、それ以来、
僕は絵を描かなくなった。描くのが怖くなった。美術の授業で絵を描かなけれ
ばならないときは、ひどく雑な絵を意図的に描いた。高校では美術を選択しな
かった。編集者になって撮影のための絵コンテを描く必要が出たときは、怪盗
セイントのような線画ですませた。

しかし、音痴の僕でも音楽を聴くのが大好きなように、絵が描けないのに絵を
見るのは好きなのだ。好きな画家は多いし、ひとりで美術展にいくこともある。
20年ほど前、ひとりで見た東武美術館の「モディリアーニ展」は今も思い出す
至福のときだし、美術好きのカミサンに連れられて見たブリヂストン美術館の
ジャクソン・ポロックの原画に圧倒され、今も凄いものを見た感動が甦る。

●「楽園のカンヴァス」はアンリ・ルソーの絵画を巡る小説

原田マハさんの「楽園のカンヴァス」を読もうと思ったのは、僕の好きなアン
リ・ルソーの絵画を巡る小説だと書評で読んだからだった。日本ラブストーリ
ー大賞を受賞して作家デビューした原田マハさんについてはまったく興味がな
かったが、あるとき原田宗典さんの妹で元キュレーターだと知って少し興味が
湧いた。一時期はニューヨーク近代美術館で仕事をしていたこともあるという。

「楽園のカンヴァス」は、美術ミステリとして実によくできた小説だった。序
章は、倉敷市の大原美術館で監視員をしている43歳の早川織絵の視点で描かれ
る。毎日、彼女は展示した作品の前に立ち、作品と最も向かい合う時間が長い
のは監視員だと、昔に聞いた言葉を思い出す。ある日、館長に呼ばれて館長室
に入ると、新聞社の文化部の人間がいる。

新聞社の人間は、日本で大規模なアンリ・ルソー展を企画しているが、ルソー
最後の大作「夢」を保有するMoMA(ニューヨーク近代美術館)に貸し出しを交
渉したところ、MoMAのチーフ・キュレーターが「オリエ・ハヤカワ」という女
性を交渉の窓口に指名してきたのだという。かつて、彼女はソルボンヌ大学で
博士号を取得したルソー研究家として、美術界で名を知られた存在だったのだ。

第一章では時代が10数年遡り、MoMAのアシスタント・キュレーターのティム・
ブラウンの視点になる。チーフ・キュレーターのトム・ブラウンと名前が似て
いる彼は、よく上司と間違えられる。ある日、自分宛に伝説の絵画コレクター
から招待状が届く。それも間違いだと思うが、世に出ていないルソーの絵の真
贋の判定依頼の内容を読み、上司になりすましてヨーロッパへ向かう。

バーゼルにある城のようなコレクターの屋敷でティム・ブラウンは、ひとりの
日本人女性に引き合わされる。彼女の名前は「オリエ・ハヤカワ」、パリに在
住する新進気鋭のアンリ・ルソー研究家だった。ティムは、彼女とルソーの絵
の真贋判定を競うことになる。そして、彼らの前に現れたのはMoMAにあるルソ
ーの大作「夢」とそっくりな絵だった……

●30数年前に買った中央公論社版「世界の名画」を引っ張り出す

「楽園のカンヴァス」を読むと、ルソーやピカソの絵が無性に見たくなった。
小説の中に具体的に登場する作品を改めて確認したくなるのだ。僕は昔買った、
中央公論社版「世界の絵画」を書棚の奧から引っ張り出した。ルソーの絵は、
「眠るジプシー女」や「カーニヴァルの夜」など、5点ほどを自室に印刷物で
飾ってあるけれど、画集を開くのは久しぶりだった。

それは30数年前に買ったものである。当時、画集は大判で函入りの全集が多く、
高価で手が出なかった。そんなとき、中央公論社が大判だがソフトカバーの
「世界の名画」「日本の名画」を出版した。それは1750円と比較的安価だった
ので、僕はどうしてもほしかった「ゴッホ」「ルソーとシャガール」「ユトリ
ロとモディリアーニ」「ムンクとルドン」「ピカソ」を買った。

それらの画集をよく見ていたのは、20代のことである。しかし、近代美術史の
中に位置づけて見ていたのではなく、単に好きだっただけなので画家たちの関
係に関心を抱くことはなかった。子供の頃に見た「炎の人ゴッホ」(1956年)
で、ゴッホとゴーギャンが一緒に暮らしていたことを知ったくらいである。

しかし、同時代を生きていたのなら、彼らの間に何らかの関係があっても不思
議ではない。「楽園のキャンヴァス」を読んで知ったのは、ルソーの絵を最も
評価していたのがピカソだったことだ。ピカソはルソーを讃える夜会を自分の
アトリエで開き、ルソーを招く。ピカソが「青の時代」を経て、前衛的な「ア
ヴィニョンの娘たち」を発表したのは1907年。3年後、アンリ・ルソーは「夢」
を描いて死ぬ。

ルソーは、「素朴派」と呼ばれることがある。カテゴライズとしては何だかピ
ンとこないけれど、ルソーを始めとした「素朴派」の発見者として名を残して
いるのが、ドイツ人の画商ヴィルヘルム・ウーデだ。ウーデらしき男も「楽園
のカンヴァス」でピカソと一緒に登場するが、最近、オッと思ったのは「セラ
フィーヌの庭」(2008年)を見たときだった。

「セラフィーヌの庭」には、「善き人のためのソナタ」(2006年)や「アイガ
ー北壁」(2008年)に出ていたウルリッヒ・トゥクールがウーデ役で登場して
いた。落ち着いた渋いドイツ人俳優で、ルソーやセラフィーヌ・ルイを見出し
世に出した画商には合っていた。ウーデは借りた別荘の家政婦だったセラフィ
ーヌの絵を見て驚き、その絵をすべて買うと申し出る。

●「素朴派」の代表的画家として有名なセラフィーヌ・ルイ

日本でも何度かアンリ・ルソーの絵画展が開催されているが、ルソーと同じ
「素朴派」にカテゴライズされる画家として、セラフィーヌ・ルイの作品も展
示されることが多かった。彼女もルソーと同じく、正式な美術教育は受けてい
ない。「セラフィーヌの庭」では家政婦として働いていた彼女は、神のお告げ
によって絵を描き始めたように描かれていた。

セラフィーヌは信心深く、ときどき心を癒すために大きな木に登り緑に囲まれ
て過ごす。絵の具さえ買えない貧しさで、川の水草や泥、動物の血などから絵
の具を作り、小さな板に絵を描いていく。それは独特なタッチの絵だ。その作
品を見いだしたウーデのアドバイスで絵を描き続け、やがて絵が売れるように
なるが、慣れない大金を手にし館を買うなどの浪費をする。

やがて、セラフィーヌは精神に異常をきたして病院に収容され、そのまま死を
迎える。絵が売れたことを告げにきたウーデも、医者に「会って刺激を与えな
い方がいい」と忠告され、彼女の姿を遠くから見るだけで去っていく。天才画
家のさみしい晩年である。ピカソは別にして、ルソーもセラフィーヌもゴッホ
もモディリアーニも不幸な人生を送ったのだ。

いや、当人が不幸だと思っていたかどうかはわからない。案外、幸せだったの
かもしれない。セラフィーヌほどの病状ではなかったが、ゴッホもムンクも精
神病院に入った時期がある。「叫び」の絵で有名なムンクだが、「生の舞踏」
を見ると精神を病んだ人の絵としか見えない。ゴッホが自殺の数か月前に描い
た最後の自画像を見ると、筆使いにめまいがする。やはり精神を病んでいたの
ではないか。

生誕100年で「ジャクソン・ポロック展」が東京国立近代美術館で開かれてい
るが、ポロックも精神を病んだ人である。アルコール依存症が原因だったのか
もしれない。エド・ハリスが監督主演した「ポロック 2人だけのアトリエ」
(2000年)を見ると、奇矯な行動もあったらしい。だからなのかもしれないが、
その作品の力は凄い。僕はポロックの原画を見たとき、巨大なカンヴァスの前
から動けなかった。

そんな風に僕も絵は好きなのだが、自分で描こうとはまったく考えない。義父
はリタイアして亡くなるまで、趣味として油絵を描き多くの作品を残した。義
父の油絵は、我が家の壁にもかかっている。血筋なのか、義妹は美術教師にな
った。カミサンもファッションデザインの学校でデザイン画を描いていた。娘
は美術大学で絵を描き続け、作品が生徒募集のポスターに採用されたと喜んで
いる。

絵心のある血筋と結婚したおかげで、子供には絵画コンプレックスは遺伝しな
かったようだが、僕は今も12歳で受けたトラウマから自由になれない。義父の
絵を飾っていると、訪問客に「絵を描かれるんですか?」とたまに訊かれるこ
ともあったが、僕はいつも「いえ、絵なんて一度も描いたことはありません」
と強い口調で答える。しかし、あるとき「クロエ」(2001年)を見て考えを変
えた。

「クロエ」はボリス・ヴィアンの小説「日々の泡」を日本で映画化した作品で、
永瀬正敏とともさかりえが主演した切ない恋物語である。ふたりの出逢いは、
永瀬の伯母が出品した絵画展のオープニングパーティだった。ふとしたきっか
けで、ともさかりえと口を利くことになった永瀬は、「あなたも絵を描かれる
んですか?」と問いかけ、ともさかりえに怪訝な顔をされる。その理由を訊ね
ると…

──だって一度も絵を描いたことがないひとなんて…いないと思うから…

そう、絵を描いたことがない人など、どこにもいない。最古の人類も壁画を遺
しているじゃないか。子供の頃、僕もクレヨンでチラシの裏に落描きばかりし
ていたし、小学生の夏休みの宿題の定番は絵日記だった。あの頃、僕も自由奔
放に絵を描いていたのだ。うまいか、へたか、そんなこと気にもせず、僕は描
いていた。そのことを「クロエ」のともさかりえが思い出させてくれたのだ
った。

【そごう・すすむ】sogo@mbf.nifty.com < http://twitter.com/sogo1951 >

連休です。特にナンの予定もありませんが、連休です。メーデーも休みなので、
4連休して一日出社し、さらに4連休。9連休してもやることがないので、こう
いうスケジュールになりました。前半は仕事のまとめ、後半は原稿書きの予定
です。何だかいつも通りだなあ。

●長編ミステリ三作「愚者の夜・賢者の朝」「太陽が溶けてゆく海」
「黄色い玩具の鳥」の配信を開始しました→Appストア「グリフォン書店」
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「2002年版 艱難辛苦編」350円+税
「2003年版 青息吐息編」350円+税
「2004年版 明鏡止水編」350円+税
「2005年版 暗雲低迷編」350円+税
「2006年版 臥薪嘗胆編」350円+税
「2007年版 驚天動地編」350円+税
「2008年版 急転直下編」350円+税
< https://hon-to.jp/asp/ShowSeriesDetail.do;jsessionid=5B74240F5672207C2DF9991748732FCC?seriesId=B-MBJ-23510-8-113528X >

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■Otakuワールドへようこそ![151]
オタク騒然! 広告代理店がオタク研究チームを発足

GrowHair
< http://blog.dgcr.com/mt/dgcr/archives/20120427140100.html >
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広告代理店大手の電通は3月5日(月)、社内横断プロジェクトチーム「電通
オタクがラブなもの研究所(DENTSU OTAKU LOVE LABORATORY)」を発足したと
発表した。自分の興味・関心を追及する「オタク層」の視点で世の中を研究し、
その知見を活用したソリューションを提供していくという。

これに対し、ネットの掲示板を住処とするオタク層からは、すさまじいばかり
の反発が巻き起こっている。「こっちくんな!」「すげーうざい。擦り寄って
くんじゃねえよ」「冗談はセカンドライフだけにしてくれ」。

オタクがラブなものを研究しようとして、まず分かったことは、オタクが猛烈
に嫌悪しているのが電通であったと。なんという皮肉。救いようのない断絶。
たとえて言うならば、鶴が深海魚の研究を始めるようなものか。

なんとなくエリート集団という世間のイメージのある電通であるからして、い
わゆる「上から目線」でオタクを研究してやろうという姿勢が気に食わなかっ
たのかもしれない。けど、「下から目線」の猛反発はすでにネットにさんざん
書かれていることなので、ここはひとつ、さらに上から目線でナデナデして差
し上げようと思っちゃったりなんかする次第である。

●オタクはトレンドセッター ─ 電通

一般的に言って、二者の間で反目が起きているとき、調停しようとして、完全
中立の立場をとって両者から公平に言い分を聞こうとすると、だいだいにおい
て両方から敵認定されてしまうものである。本件に限って言えば、私は電通の
側の人間ではなく、さほど濃ゆい部類ではないにせよオタクの側に立っている
ので、中立もへったくれもないわけだが、それはいったん棚上げにして、まず
はニュートラルな立場から、電通の発表を見てみよう。

このプロジェクトの発足は3月3日(土)に電通から記者発表され、3月4日(日)
の産経ニュースで報じられている。
< http://sankei.jp.msn.com/economy/news/120304/biz12030410080005-n1.htm >

その記事では「3月中に設立する」だったが、3月5日(月)に電通のウェブサ
イトに掲載された情報では、同日に「発足しました」となっている。
< http://www.dentsu.co.jp/news/release/2012/pdf/2012021-0305.pdf >

そのサイトで、まず、オタクはアウトサイドな存在からトレンドセッター(流
行仕掛け人)へと変貌したと言っている。もともと情報感度が高く、幅広いカ
ルチャーに精通するオタク層であったが、近年、ソーシャルメディアの急速な
浸透のおかげで、オタクコンテンツがニッチな領域から広く一般に波及し、映
画やテレビドラマ、アニメ、バラエティといった幅広いコンテンツに大きな影
響を及ぼすようになってきたと分析する。

そして「電通オタクがラブなもの研究所」の狙いは、オタクの知見を活用して
さまざまなソリューションを提供していくことにあるという。オタク層はコン
テンツビジネスにおけるトレンド感覚にすぐれているので、この層が注目する
良質なコンテンツを研究することにより、エンタテインメント市場におけるト
レンドの兆しをいち早く掴み、ソリューション提供につなげていきたいと考え
ている。

ここで、「ソリューション」という言葉が聞き慣れないかもしれないので注釈
を加えておくと、顧客の抱えている課題の解決策のことである。一般に、ビジ
ネス(Business)は、消費者(Customer)に価値を提供することで代価を得る
BtoC というタイプと、企業どうしで商取引をする BtoB というタイプに大き
く類別される。

ソリューションという用語は、主として BtoB の場面で使われる。例えば、携
帯電話の会社がお得なプランを宣伝したいという課題を抱えているとき、「じ
ゃあ、タダちゃんに『タダ』って言わせちゃいましょう」と提案するのがソリ
ューション提供である。

「電通オタクがラブなもの研究所」は昨年9月に第1回「オタクが好きなもの」
調査を実施し、ファッションやビューティーの領域に感度の高い「女性オタク」
層の存在が明らかになったと述べている。

この層は一般の女性よりもファッション誌やビューティー誌の閲読率が高く、
世の中のトレンドに対しても敏感で、美しいものに対する意識が高い一方、ア
ニメを中心としたオタクコンテンツに関する知識も豊富で、興味・関心も高い
という特徴があるという。この「ビューティー感度の高い女性オタク層」を
「美オタ」と名付けている。

「電通オタクがラブなもの研究所」は電通社内で部門横断的に集まった12名が
参加・活動するプロジェクトで、2012年はこの「美オタ」層に着目していきな
がら、
(1)定期的なトレンド観測調査
(2)有識者ネットワークの構築・活用
(3)アニメ等オリジナルコンテンツの制作・開発・情報発信
(4)オタクが好きなものの知見を活用した商品・サービスの開発、ソリュー
   ションの提供
を行っていくとのことである。

●オタクが激しく嫌悪するもの、それは電通

電通の発表に対するオタクの反応は、ネットの掲示板「2ちゃんねる」のまと
めサイト「痛いニュース」で見ることができる。
< http://blog.livedoor.jp/dqnplus/archives/1700062.html >
もともと「2ちゃんねる」に投稿されたコメントの中から128件がピックアップ
されていて、さらに、このまとめサイトへのコメントが1,275件ついている。

これだけたくさんのコメントがついていながら、電通に肩入れするものがただ
のひとつも見当たらない。まあ、このムードの中で「電通ってほんとはいい会
社。みんながんばってるよ」とはとても書き込めるものではなく、全オタクが
全会一致で電通嫌いってわけでもないんでしょうけど。

ま、とにかくざっと眺めてみましょう。

・普通はこういうプロジェクトは極秘にするがな。公表するということは反応
を見ているんだろう。反応:電通倒産しろ

・オタクが嫌いなもの=勝ち組=既得権益=電通

・ほらほら電通の社員さん、まとめの抽出コメより、こういったまとめサイト
の書きこみの方が生の声が聞けて参考になると思うよ。電通死ねや。市ねじゃ
なくて死ね今死ね

・でんすけが来ると一気に流行って一気に廃れるからな

・研究したところで無駄なのは変わらない。オタクの嗜好ってもんは基本的に
広告と対極にあるから

・>オタクがラブなもの研究所 脳ミソ昭和に忘れてきたの?

・ヲタがラブなものを一つだけ教えてやると「電通叩き」。電通はガンガン電
通を叩くといいよ

・バラバラだったオタの心が今一つに…。お前らホントに電通嫌いだなw

さて、ここで疑問に思うは、電通ってなぜかくもオタクから嫌われちゃってる
んだろうか、ってことである。ひとつには、嫉妬心というのがあるだろう。電
通というと、エリート集団っていうイメージがある。いい大学出てんだろうな、
とか、高給取ってんだろうな、とか、夜は六本木あたりの高級店で優雅に遊ん
じゃったりしてんだろうな、とか、つきあってる相手は3次元でスペック高い
んだろうな、とか。リア充。勝ち組。

それが事実かどうか、私は知らない。ただ、一般の人々から見た電通のイメー
ジって、なんだか高〜いところにおわしましまする、なところがあるのではな
かろうか。

しかし、オタクが電通を嫌う理由はそれだけではない。長年にわたってオタク
を差別・迫害してきた張本人が電通だ、というイメージがオタクの間で浸透し
ている模様である。それが事実かどうか、これまた私は知らない。けど、電通
は、オタクに対してネガティブキャンペーンを張り、世間一般がオタクに対し
て、ダメなやつ、危ないやつ、変なやつ、暗いやつ、というイメージを抱くの
に加担してきた、と捉えられている。

・お前らが『キモいからこっち来んな』って言うから、離れた場所で地味にコ
ッソリ楽しんでるのに、なんでわざわざこっちに来るの? お前らはお前らの
場所で楽しくやってろよ。

・てめーらが散々オタクを叩きまくって差別しまくってきたんだろうが。しか
し、それでオタクは拡大を続け、オタクを相手にしないと儲からなくって来た
ら一転して媚び出したと。

・電通ってオタクを馬鹿にしてるリア充だらけのイメージなんだけど金になる
からってオタクに擦り寄るのやめてもらえませんか

・散々俺らを蔑んで差別して笑い者にしてきたくせに、金になると知った途端
にすり寄ってきやがって、ふざけるなよ、馬鹿野郎。

・電通関係って知れただけでネガキャン張られるのわかりきってるのに、ナニ
をどう広告する積もりなんだか。オタクの恨みを甘く見過ぎ。

・電通「オタクってこんなにキモイ人たちなんですね〜笑い()」って嘲笑し
てるのを見てる視聴者の多くがオタク系だったでごじゃるよの巻。いつの間に
か嫌われ者企業

オタク文化はオタクのものである。濃ゆ〜いオタクがこよなく愛し、薄いオタ
クもそれなりに愛するものである。それなのに、なーんも分かっちょらんくせ
に影響力だけは多大な集団が参入してきてひっかき回していくことに危惧を抱
く意見も多々ある。

・みんな一切宣伝されなくても金を使うのに、何で宣伝屋がしゃしゃり出て来
るの?

・オタク研究所なんてもんが研究して仕掛けたヒット商品なんて「オタクって
こういうのが好きなんでしょ?」的な紋切型の駄作ばっか生まれるんだろうな

・基本ヲタクって天邪鬼だから、TVなんかで「流行ってます」とか言われると
とりあえず一歩距離をとるんだよ。それが真に良いものなら流行るし、上辺だ
けのものなら流行らない。

・寒流ごり押し→ハワイへの観光客減少。AKBごり押し→グラビアアイドルの
仕事激減。電通の臭い息のおかげで一部の偏った市場は潤うかも知れないが、
むしろ電通など無い方が経済は満遍なく回る。よって電通は潰されるべき。

・やらせておけばいいさ。オタクコミュニティは確かに大きいけど、個々の商
品市場は大して大きくないと知るだけだよ。有名どころで「初音ミク」や「東
方」を見ればわかる。「初音ミク」や「東方」は、オタクにとってただの言語
にすぎない。その言語を使って、多くの人たちが多くの仕方で活動し、全体と
して大きな市場を成しているだけだ。じゃあ言語の方を生み出せばいいってい
うのは、その通りだけど、言語は自由に使えてこそのもの。自分らの手を離れ
たところで好き放題されることを、果たして電通は許せるのだろうか?

・電通が国内だけで呆れられるのは構わないけど、一番心配なのは、電通が
「オタク文化の日本で、今、これが大人気!」とか捏造して、海外の日本ファ
ンにいい加減なものを売り出す可能性があること。善意と好意でオタク文化に
興味を持ってくれる外国人が、電通にまがい物を押し付けられて失望して去っ
ていってしまうのが、日本人として一番怖い。

最後のコメント、非常に好きだなぁ。

ところで、エリート、金持ち、高貴な家柄の子女の中にもオタクはいる。電通
社内にも濃ゆ〜いオタクはぜ〜ったいにいるに違いない。ところが、電通のサ
イトに掲載された発表を精読してみると、この12人のプロジェクトの中に真の
オタクがいないんだな、ってのがよく透けて見える。

な〜んも分かっちゃいないんだな、と。まあ、猿を研究するチームのメンバー
に猿はいなくてもいい理屈なんだけど。オタクに限っては、それでよかったか
どうか。

こういうプロジェクト、やるにしても、もっとやり方ってもんがあるだろうに、
と思う。つくづくマーケティング屋さんなんだなぁ、この人たちは、と。もし、
チームの中に一人でも濃ゆいオタクがいたら、こういう発表のしかたにはなら
なかったような気がする。

もしかして、社内のオタクからも冷ややかに距離を置かれちゃってるんだろう
か。下記のコメント、ほんとに社員からかどうか確認のしようもないのだけど。

・てゆーか現役電通でオタクな自分はどーしたらいいのか。仕事のためにネタ
提供すべきか。趣味のためにシカトすべきか。とりあえず好きな歌姫は公表し
ないでそれなり売れてるコンテンツでも生け贄にするか?

●では、ツッコみますよ

オタクはトレンドセッターですか。いいラベルを貼っていただきまして、あり
がとうございます。けど、違います。まるでズレてますな。私は中年男性であ
りながら、休日に外出するときは、セーラー服を着て出ることが多い。ツイッ
ターなどで「罰ゲーム?」とか言う人がいるけど、いやいや、自発的に着て、
大いに楽しんでおりまする。世の中からのフィードバックがやけにポジティブ
なもんで、勇気づけられこそすれ、やめるきっかけはなくなります。

さて、1〜2年経ったとき、世の中の男性の多くがセーラー服を着て歩くことの
楽しさに目覚め、表へ出れば、あっちにもこっちにも、そんなのがうじゃうじ
ゃ、ってことになれば面白いけど。もしそうならなかったとしても、それはそ
れでいい。

トレンドをセットしよう、なんて大それたこと、最初から思ってないもんで。
ああ、俺は先見の明がなかった、流行らなかったのはトレンドセッターとして
失敗だった、と落ち込むようなことはない。流行ろうが流行るまいが、好きな
ことを好き勝手にやってるのがオタク。むしろ流行らないほうがちょっと嬉し
いかな〜、ぐらいの勢いで。

イノベーター理論によれば、ものの流行というものは、革新者、初期採用者、
前期追随者、後期追随者、遅滞者の順に伝播していくが、革新者の始めた奇異
なことが、みんな初期採用者に受け継がれるってもんでもないでしょう。オタ
クにトレンドセッター役を期待? 無駄無駄。まあ「痛車」とか「聖地巡礼」
とか、オタク発のトレンドっていろいろあるけど、それを薄めて一般人に展開
してお茶濁し、ぐらいが妥当な着地点でしょうか。

次に、「美オタ」。もう、どっからツッコんだもんか……。まずはネーミング
センスから。名詞に対して接尾語的に「オタ」あるいは「ヲタ」をつける形は、
それを興味の対象とするオタク、という意味になるのが通例である。「鉄ヲタ」
然り、「ハロヲタ」然り。

ちなみに「ハロヲタ」とはガンダムに出てくる「ハロ」のオタク、ではなく、
ハロプロ系アイドルのオタクという意味である。その段で行くと「美オタ」と
は「美に耽溺しているオタク」ってことになっちゃう。

一方、接頭語的な「美」に名詞を伴う形で「美しい何々」という意味になる例
もある。美顔とか美脚とか美声とか美少女とか。こっちの形に沿った意味で
「美オタ」とつけちゃうセンスに、どうにもこうにも、オタクの世界を分かっ
ていない、オッサン臭さがぷんぷん漂うのを感じてしまう。

それよりも「あちゃー」なのは、この「美オタ」を「今までのオタクにはない
存在」と言い切っちゃっているところ。私の記憶だと、コミケが華やかになっ
てきたね、と言われたのは10年くらい前のこと。まず、コミケの来場者は常に
男性よりも女性のほうが圧倒的に多いという基本事実は押さえておこう。

「今」までは、男性も女性も、漫画なり活字なりを読むこと以外に何も興味な
いだろ、服なんてとりあえず体が隠れてりゃよしと思ってるだろ、な感じの人
が多かった。けど、21世紀に入ったあたりから、女性がファッショナブルにな
ってきた。

「美オタ」が一般女性よりもよくファッション誌を読む、というのは今までデ
ータがなく、電通が発見したのかもしれない。そのファッション誌って、
「KERA」とか「FRUiTS」のような原宿ストリートファッション系なんではない
かい? って疑いは置いといて。コスプレイベントに来る女性たちの往き帰り
のファッションをチェックしてみるとよい。たいへんおしゃれである。

コスプレイヤーは、衣装制作の技術をちゃんと学びたいという動機から、服飾
関係の短大へ行く人が多い。ファッションに関心が深くて当然なのである。
「美オタ」を「従来のイメージとは異なる」と言っているけど、まず、そのイ
メージが実態と合っているかどうかを検証してみることから始めてみてはいか
がだろうか。

(1)電通のもっていたオタクに対するイメージ
(2)世間一般のもっていたオタクに対するイメージ
(3)オタクの実態

以の3つを時系列にみると、私の感覚では、たぶん、オタクの実態はそんなに
変化してなく、世間一般からのイメージがだいぶん実態に近づいてきた中、電
通のもつイメージだけが実態から乖離して取り残されている。

禅問答にこういうのがある。風になびく旗を見ながら、二人の僧が言い争って
いた。「これは旗が動いているのだ」「いや違う。風が動いているのだ」。そ
こに通りかかった慧能が言った。「旗が動くのでも、風が動くのでもない。あ
なたたちの心が動いているのだ」-無門関-
旗がオタクだとして、風が世間からのイメージだとすると、どうだろう。

過去に遡って、オタクのイメージと実態の差異を検証してみるのにお薦めの書
籍を挙げておきましょう。

・岡田斗司夫『オタク学入門』(太田出版、1996年)
・東 浩紀『動物化するポストモダン─オタクから見た日本社会』(講談社現
代新書、2001)
・木尾士目『げんしけん』(講談社アフタヌーンKC 全9巻、2002─2006)
・大塚英志『「おたく」の精神史 一九八〇年代論』(講談社、2004/2/21)
・堀田純司『萌え萌えジャパン 2兆円市場の萌える構造』(講談社、2005/4/1)
・杉浦由美子『オタク女子研究 腐女子思想大系』(原書房、2006/3)
・井上明人『ゲーミフィケーション─ < ゲーム >がビジネスを変える』(NHK
出版、2012/1/25)
あ、最後のは趣旨とはちょっとズレますが、おまけです。

「美オタ」にはコミケやコスプレイベントの往き帰りでも出会えますが、この
時期、一番お薦めなのは4月30日(月・祝)の「ドールショウ34春」ですね。
詳しくはウェブサイトをチェックしてみてください。
< http://dollshow.web.infoseek.co.jp/ >

コーエーのネオロマンス系ゲームの男性声優たちによるライブイベントもよい。
オタクとはちょっとズレるけど、地続きな領域にヴィジュアル系のバンドのラ
イブがあり、これもよい。ズレるけど地続きという意味じゃ「宝塚」もある。
まあ、「美オタ」扱いされちゃ怒る人も多そうだけど。

あと、池袋の通称「乙女ロード」。身の安全のためには言わないほうが賢明な
のかもしれないけど、ここで言う「乙女」とは「腐女子」の婉曲表現である。
以前、「B:Lily-rose」というBL喫茶があり、ほんとうにすばらしいお店だっ
た。黒服にばりっと身を固めた男装の令嬢が低い声で「お待ち申し上げており
ました」というのも「超かっけー」んであるが、それにも増して、来店する淑
女たちのファッションがすごかった。貴族さながらの美しい令嬢たちの集うお
店であった。

「美オタ」ってぜんぜん新しくないじゃん。10年来撮らせてもらっているコス
プレイヤーに聞いてみた。彼女は服飾の短大を出ている。
「電通に狙い撃ちされてるけど、なんかコメントある?」。
「うええええーーーなにこれえええ。電通って、やばいかいしゃだなあ
( ;´Д`)確実にオタクうけの逆を行ってるね〜 オタラブ活動はほとん
ど知られずにこけそうww」。

けど「電通に期待、。。。するならやっぱ企業ならではのロケ地の開放かな! 
一般人が使えないような撮影ロケ地でイベントとかやってほしー! 映画で使
われたセットとか、さ。例えば桜田門外の変のセットでイベントやってるとこ
みたいなのを期待してしまうわあ(*^^*)」とな。天下の電通様様、やるなら
こういうことやってちょーだいませませ〜。

しかししかし。この時期にオタクの研究を始めるのは、まったくの的外れでも
ないような気もするのだ。映画『電車男』が封切られた2005年ごろはひとつの
「オタクブーム」であり、その結果として世間からのオタクのイメージが著し
く向上したが、今年あたり、次の山が来るのではないかという予感がしている。

それは「ゲーミフィケーション」に代表されるように、今までオタクのものだ
った濃ゆい楽しみが、ほぼ全一般人に拡散・浸透していく流れになっていくの
ではなかろうか。

「電通オタクがラブなもの研究所」の活動のひとつに「有識者ネットワークの
構築・活用」が挙げられている。上記書籍リストの著者など、評論系の人々に
あたってみるのもいいだろう。けど、もし全部お断りされちゃったりなんかし
たら、僭越ながら私がやらなくもないですよん。まあ、(親指と人差し指で輪
を作りながら)コレ次第ですけどな。

【GrowHair】GrowHair@yahoo.co.jp
セーラー服仙人カメコ。アイデンティティ拡散。女装オタクも研究して
くれんかのぅ。

「男一匹プラス猫五匹、廃車に暮らす」を書いたのは2回前の3月30日(金)の
ことだが、4月22日(日)に人形の撮影で再び訪れた。なんと! 猫が10匹増
えていた! 5匹、10日置いて別のがまた5匹産んだそうで。後のは目がやっと
開くか開かないかぐらい。

私が埼玉県福祉士会に電話して聞いたことと、上田さんが語ることが食い違う。
貧困ビジネスのかほりがぷんぷん……。橋の下を立ち退かされて、アパート暮
らしを始めた何人かは、もうすでに河原の別の場所に戻って来て暮らしている
という。亡くなったホームレスの空き家とかに。

書きたいこと、いっぱいあるんだけど、もうすでに長くなっているので、続き
はまた今度。あ、もう一言。生活保護受給者200万人、その額年間3兆円。急増
中。政府が「無駄」を削ると仕事にあぶれる人が増えて、生活保護の支出が増
えるという「無駄」。仕事、出そうよ、河原のゴミ拾いでも草刈りでも。

4月15日(日)、セーラー服を着て中野駅付近を歩いていると、制服を着た男
子高校生から呼び止められた。同じ学校の仲間4人と一緒に写真を撮らせて下
さい、と。近くに立って政治思想関係のビラ配ってるオニイサンにシャッター
をお願いする、その勇気あったらリアル女子高生をナンパすればいいのに。

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
編集後記(04/27)

●デジクリは明日から長期の「GWメンテナンス休暇」に入ります。
次回の発行は5月14日(月)となります。

●成毛眞「日本人の9割に英語はいらない」を読む(祥伝社、2011)。ご存知
マイクロソフトの元社長が、第1章「本当に英語は必要なのか」で、「頭の悪
い人ほど英語を勉強する」「創造力のない人ほど英語を勉強する」「英会話ス
クールのカモになるな」などと刺激的な見出しで英語不要論を展開する。外資
系トップだった人の挑発だから、非常に説得力がある。第2章「英語を社内公
用語にしてはいけない」の章では、ユニクロや楽天をこきおろし、「英語がで
きても、バカはやっぱりバカである」「英語ができても自分の付加価値にはな
らない」などとボロクソである。まことに小気味がよい。

結局、言いたいことは「本当に英語が必要なのは1割の人。残りの9割は勉強す
るだけムダである」であり、その理由が成毛流に、過激にそしてやや得意げに
述べられた本である。この1割の根拠はちょっと乱暴な計算だが、雰囲気とし
てはまあそんなものか。第3章以降は読まなくてもオッケー。

著者は、自動車部品メーカーから、出版をやりたくてアスキーに転職したら、
子会社であるマイクロソフト日本法人の前身に出向を命じられた。会社で外国
人が話す英語の99%は理解できなかった。だが半年もしないうちに一定レベル
のビジネス英語を使えるようになったという。まともに英語を勉強したことは
ないのに、なぜ英語を自分のものにできたかというと「耳がいいのかもしれな
い」にはオットットである。

書かれていることはもっともなことで、英語ができないわたしにとって、英語
不要論(というか日本語防衛論)の理論武装に役立つと思った。だが、英語が
できない人がこの論を受け売りするのは危険だ。そうだそうだと納得し、心に
秘めておくのがよい。また、学生が「英語を勉強しなくていい理由」に利用す
るのもよろしくない。それにしてもつまらない装丁である。    (柴田)
< http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/439661392X/dgcrcom-22/ >
→アマゾンで見る(レビュー49件)

●GrowHairさんのにコメント書きはじめたら長文になった。同意と、似非オタ
クである自分が、元来の現役オタクらを知っているからこそ書きたかった文章。
彼ら、彼女らは凄いのだ。研究したところで真似できん。流行とは相容れない
もの。服装については別の意見があるが、長くなったのでカット。今のオタク
さんたちは門戸が広く、市民権があっていいなぁとは思う。カテゴリ細かすぎ
て収拾つかないと思うし、流行はじめたらオタクは別の注目されていないカテ
ゴリ見つけて遊んだり、またはそのまま貫いて流行が終わっても続けるだろう。
「みんな一切宣伝されなくても金を使う」「流行ってますとか言われるととり
あえず一歩距離をとる」「個々の商品市場は大して大きくない」「海外の日本
ファンにいい加減なものを売り出す可能性がある」というのは分かる気がする。

雪組トップの音月桂が退団発表。長期トップだと思っていたので驚いている。
もったいない。退団公演は当て書きが多いのに、彼女の場合は『JIN(仁)』
なんだって。JINでお別れの言葉、名言があるといいな。

仕事が詰まっていて、お花見に行けなかったというか、桜が咲いたことにすら
気付かなかった。後記でもぼやいていた。二週間前のまにフェス当日、うちの
一番大きなハメゴロシの窓に桜の花びらが。部屋は16F。ここまで迎えに来て
くれたのねと嬉しくなった。今もついたまま。次に強い雨が降るか、強い日差
しで乾燥するまでは残ってくれそう。と書いてボツになっていた。一週間前の
夜に落ちてしまった。休み前なので載せちゃった。GWは予定がたんまり。遊ぶ
ぞ〜! 皆様も楽しんでくださ〜い!           (hammer.mule)
< https://twitter.com/#!/zacke/status/190948854642917376 >
桜の花びら。出かける前に慌てて撮ったから写真は汚いよ〜ん
< http://item.rakuten.co.jp/kuwakabu/c/0000000136/ >
ヘラクレスオオカブトの三枚目の写真が、ちょっと可愛い(閲覧注意)

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発行   デジタルクリエイターズ < http://blog.dgcr.com/mt/dgcr/ >

編集長     柴田忠男 < mailto:shibata@dgcr.com >
デスク     濱村和恵 < mailto:zacke@days-i.com >
アソシエーツ  神田敏晶 < mailto:kanda@knn.com >

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2012年4月26日木曜日

日刊デジクリ[#3256] 選ばなかった選択

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【日刊デジタルクリエイターズ】 No.3256    2012/04/26.Thu.14:00.発行
http://www.dgcr.com/    1998/04/13創刊   前号の発行部数 10041部
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登録・解除・変更・FAQはこちら  http://www.dgcr.com/regist/index.html
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          《いまではすっかり対比フェチ》

■わが逃走[104]
 アジトの思い出 の巻
 齋藤 浩

■電網悠語:HTML5時代直前Web再考編[189]
 選ばなかった選択
 三井英樹

■ローマでMANGA[51]
 イタリアがMANGAを「発見」した頃
 midori

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■わが逃走[104]
アジトの思い出 の巻

齋藤 浩
< http://blog.dgcr.com/mt/dgcr/archives/20120426140300.html >
───────────────────────────────────
こんにちは。前回の写真がことのほか好評だったので、一緒に出てきたネガを
スキャンしつつ、今回はさらに狭く深い話題をひとつ。

1980年代、私が中学生の頃だった。S玉県O宮市郊外を散歩していた際、妙に気
になる物件と出会ったのだ。

周囲には田んぼ以外これといったものもない。大抵の人なら気にもとめずに通
り過ぎてしまうような場所に、溶接や旋盤加工なんかをする作業場のようなも
のが建っていた。

いつ行っても誰もいないが、朽ちていく様子もなく、廃屋のようではあるが、
現役のようでもある。トタン板の建家の外には錆ついた機械やドラム缶等が放
置されており、それらを覆うように雑草が群生している。

とくに理由はないが、なんかイイ。私はその物件を『アジト』と名付け、学校
の帰り道にちょっと遠回りしては眺めたりしてたのだった。

数年後の春、高校生の私が久しぶりにアジトへ行ってみると、敷地全体にだい
こんばなが咲いていた。基本的に花に興味のない人生を送っている私であった
が、錆ついた機械とのコントラストに心引かれ、家から一眼レフを持ち出して
何枚か撮影した。
< http://blog.dgcr.com/mt/dgcr/archives/2012/04/26/images/fig1.jpg >

そしてたまたま近所に住んでいたユキオ君が通りかかったので、「ジャケ写っ
ぽく撮ってやるぜ」とか言って撮影したのがこれ。
< http://blog.dgcr.com/mt/dgcr/archives/2012/04/26/images/fig2.jpg >

クラフトワークをはじめとするテクノミュージックでロシア構成主義を知った
私は、とにかく歯車と人をからめて撮りたくてしかたなかったのだ。

アジトの壁
< http://blog.dgcr.com/mt/dgcr/archives/2012/04/26/images/fig3.jpg >

当時の私の美の基準はこれだった。どんな抽象画より美しい! と本気で思っ
ていたし、今もわりとそう思っている。錆とペイントとの調和が見事。右下の
数式らしき落書きも効いてる。

そして錆びたボルト!
< http://blog.dgcr.com/mt/dgcr/archives/2012/04/26/images/fig4.jpg >

当時の私の美の基準は、YMOのアートディレクションであった。YMO散開記念写
真集『SEALED』に触発されて、こんな写真をたくさん撮った。

さらに数年後の初夏、ムサビにおける写真の授業で「何でもいいから撮って来
い」という課題が出たので、早速アジトを撮ることにした。ちょうど、前回紹
介した写真と同時期のものになる。約23年前の記録。使用したフィルムはトラ
イX、カメラはα7000だったと思う。

電気のメーター。
< http://blog.dgcr.com/mt/dgcr/archives/2012/04/26/images/fig5.jpg >

アジトの壁面に発見した瞬間、YMOにそっくりだ! と思った。なんの変哲も
ないメーターをいかに人物っぽく印象づけるか? なんてことを考えながら、
いろんな構図で撮った。思えば、20年以上も同じような写真を撮っている。

白い花
< http://blog.dgcr.com/mt/dgcr/archives/2012/04/26/images/fig6.jpg >
< http://blog.dgcr.com/mt/dgcr/archives/2012/04/26/images/fig7.jpg >

花には興味がなかったが、背景に錆びた金属がある場合は別。硬いものと軟ら
かいもの、人工物と自然物など、対比の面白さに興味を覚えたのもこの頃。い
まではすっかり対比フェチになってしまった。

プロパンガスの頭
< http://blog.dgcr.com/mt/dgcr/archives/2012/04/26/images/fig8.jpg >

モビルスーツ! と思ってシャッターを切った。先日、20年ぶりにこの写真を
見たときも、モビルスーツ! と思ったのだった。

謎の機械
< http://blog.dgcr.com/mt/dgcr/archives/2012/04/26/images/fig9.jpg >
< http://blog.dgcr.com/mt/dgcr/archives/2012/04/26/images/fig10.jpg >

歯車とハンドルがカッコイイ! 動きを想像させる構造美と、無秩序に生い茂
る植物との対比。

というわけで、アジトをご紹介しました。最近このあたりがどうなっているか
は知りませんが、おそらく周囲の田んぼは埋め立てられて、この建物も敷地も
もうなくなっていることでしょう。

最後にアジトの全景をおみせします。こうして見ると、どこにでもありそうな
場所なんだけどね。
< http://blog.dgcr.com/mt/dgcr/archives/2012/04/26/images/fig11.jpg >

【さいとう・ひろし】saito@tongpoographics.jp
< http://tongpoographics.jp/ >

1969年生まれ。小学生のときYMOの音楽に衝撃をうけ、音楽で彼らを超えられ
ないと悟り、デザイナーをめざす。1999年tong-poo graphics設立。グラフィ
ックデザイナーとして、地道に仕事を続けています。

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
■電網悠語:HTML5時代直前Web再考編[189]
選ばなかった選択

三井英樹
< http://blog.dgcr.com/mt/dgcr/archives/20120426140200.html >
───────────────────────────────────
米国TV番組「Flashforward(2009〜10年制作)」。世界中で全人類が同時に
2分17秒間意識を失い、それぞれ自分の6ヵ月後の姿を目撃する。未来を見てし
まった人と見なかった人のその後の物語。そこに気になるフレーズがある。

   選ばなかった選択
   (─過去に起こりえたことはすべて他の宇宙で起きている)
    Flashforward 第10話
    < http://amzn.to/IRNFDU >
    < http://www.hulu.jp/flash-forward > (第1話は無料)

ドラマの中では、量子力学的な話が加わり、より取っ付き難くなっている。し
かも、ドラマ自体に完結編がなく、中途半端に打ち切られていて、打ち切られ
なかった選択肢がどんなものだったのか色々と考えさせてくれるドラマだ。

そもそもMacromedia Flash系のイベントと同じ名だから気になったドラマなの
だが、膨大な費用をかけて作られた第1話は見て損はないかと思う。

   ▼エヴェレットの多世界解釈 - Wikipedia
   < http://bit.ly/doFtFt >
   ▼多世界解釈。←これ位の情報量が好きw
   < http://shigekifactory.com/blog/?p=1125 >



この「選ばなかった選択(肢)」を過疎の村(正確には合併して「町」)で考
えている。人口カバー率99%を誇るWillcomも圏外となる地域ではあるが、道
路の整備もよく、山奥でもない。陸奥湾が目の前に広がる穏やかな場所。でも
確実に過疎が進んでいることを、訪れる度に実感する。この地域にある小学校
の新一年生は3名だという。

3.11の影響を直接受けた訳ではない。しかし、例えば50年後のこの地域を考え
ると、深刻な状況にあるとしか言いようがない。「震災がなくてもこの村は長
くは続かない…」という、ある被災地支援者が言った台詞を思い出す。

そして、不謹慎な50年後を考える。仮にこの村が消滅するような事態になった
としたら、近隣のより小さな村も恐らくは既になくなっていて、この海岸線一
帯は人の営みのない地域になってしまっているだろう。

それが延々と続くとしたら、少々背筋が寒くなる。単なる郷愁とかではなく、
延々と人のいない道が続いているのを想像すると何とも言えないそら恐ろしさ
を感じる。



どこかで別の選択肢があったはずだ、と考える。この過疎化の進行を停める策
があったのではないか。深く考える程の知識も情報もないので、漠然とだが考
える。どこかで道を間違えたのか。それとも、こうなるのが必然なのか。

「村から出ては生きて行けない」と高齢者の方が言う。被災地での葛藤と同じ
ものが、此処でもただ静かに沈殿して行くように響く。「やっぱり自分の家は
落ち着く」と帰宅を許された方々の声をテレビで見聞きする度に、何かが引っ
かかる。昔と同じにするのは無理だろうと諦めが先に立ちつつ、今残された選
択肢は何なのだろうと考える。

結果的に過疎化を防ぎ切れなかった施策も、原発を建てた選択肢も、考える段
階では対案があったはずだ。考えつかなかった場合もあるだろうが、選ばれな
かった選択肢が皆無ということはあり得ない。それら消えて行った選択肢に乗
っていたら、今はどうなっていたのだろう。

人が都市部に集中しすぎることなく、人も仕事も文化も日本全国に分散/共存
し、多様性を維持しつつ豊かな地域社会が存続するような未来はあり得たのだ
ろうか。



故郷の地への愛着が強い世代がいて、薄い世代がいる。世代で線引きができな
いものかもしれないけれど、少なくとも今の私にはそうした執着はほぼない。
大阪で生まれ、今は横浜に住んでいるけれど、何処ででも生きられるような気
もする。今の家も子供たちが独立したら、こだわる必要もない。

私はデジタル・ネイティブではないけれど、リアルの繋がりを補うものを、ネ
ット側にある程度知っている。ネットがまったくない世界に、今から行けるか
と問われれば厳しく思うだろうけれど、そうでない限り何とかなるだろう。

そんな想いを多少込めて、この地の人へIT紹介をする。でも一蹴される。iPad
もiPhoneも、「震える指でそんなもの触れるか」と笑い飛ばされた。震える指
で操作してたらカッコイイけどね、と付け加えられながら。ITは無力だ。生活
の支援はできるかもしれないけれど、高齢者の生活の主軸には役不足だ。

でもあと少しすると、私の指も震えていくのだろう。それが10年後か20年後か
は分からないけれど、いずれ細かい作業ができない時はくる。その時までにも
っとUIが進歩してもらわなくちゃ困る。そしてその時には、私も郷愁をもって
住んでいる場所を見つめるのだろうか。それとも執着がないのは、そうした移
住的なものが容易に進むための準備なのだろうか。



選ばれなかった選択(肢)を気にするのは正常ではないのかもしれない。単に
選ばれなかったのだから、あり得ないものなのかもしれない。でも何か事が起
きた時に、もっと何かができただろうと後悔の念にとらわれるように、捨てら
れた選択肢に未練が残る。

3.11以降、この国は未だ揺れ続けている。地面だけじゃなく、様々なものが揺
さぶられている。せめて、つまらない理由で有意義な選択肢が捨てられないよ
うに、目を凝らしていなければならないのだろう。そしてもっと使い易いITを、
もっと高品質なユーザビリティを、よりよいデバイスを工夫して行かなきゃな
らないのだろう。道は遠い。

【みつい・ひでき】@mit | mit_dgcr(a)yahoo.co.jp
 < http://www.mitmix.net/2012/04/189.html >
・Adobe CS6、Google Drive、でましたねぇ。Windows8、見えてきましたねぇ。
激動継続中という感じをヒシヒシと感じます。
・SkyDrive既存ユーザは25GBまであげられます、放っておくと7GB。

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
■ローマでMANGA[51]
イタリアがMANGAを「発見」した頃

midori
< http://blog.dgcr.com/mt/dgcr/archives/20120426140100.html >
───────────────────────────────────

●日本のアニメの上陸

私がイタリア旅行をしている間に、この国では日本のアニメのテレビ放映が始
まっていた。記念すべき第一弾は永井豪の「グレンダイザー」。1978年(昭和
53年)、私の最初のヨーロッパ旅行の年に放映が始まったわけで、イタリアで
の新しいマンガ月刊誌発刊といい、もう、私とイタリアとマンガとMANGAとア
ニメの深いご縁を感じないわけには行きません。

ちなみにこの年、イタリアの首相アルド・モーロが誘拐・暗殺され、法王パウ
ロ六世が死去。選出されたヨハネ・パウロ一世が在位33日で死去し、455年ぶ
りのイタリア人ではないポーランド出身の法王ヨハネ・パウロ二世が選出され
るという、イタリアにとっても怒涛の年だった。

1978年に始まった日本のアニメ「グレンダイザー」はたちまち子供たちの心を
掴み、翌年には「マジンガーZ」、そのまた翌年には「キャンディ・キャンデ
ィ」が放映され、いずれも今までにないヒット作になった。

イタリアで、こんなに子供たちが熱狂したアニメは今までなかった。そりゃそ
うですよ。それまで日本のアニメがなかった、つまり、感情移入できる作品が
なかったのだから。

なぜ日本のアニメがイタリアで放映されるに至ったのかは知らない。子供たち
がイタリア中で「なんたらパ〜ンチ!」と唱えては攻撃するようになったので
びっくりした。世間では「日本はコンピュータで作るからアニメが安く出来る。
だから放映権も安いのでテレビ局どんどん買ってるんだ」と囁かれた。

当時、アニメーションソフトを持つコンピュータなんか、アニメスタジオで使
ってませんって。日本=技術、絵を動かす=機械がやる(人が描くわけがない)
という短絡思考の賜だ。当時は日本といえば、なんだか小さな体の黄色いサル
たちが四六時中働いている…というイメージだったように思う。

旅行中に「日本に電話はある?」とか「日本? ああ、香港?」とか聞かれた
りした。日本に対する知識、認識が殆どなかった。ソニー、ニコン、ホンダは
あったけど、日本の会社だと知ってる人はあまりいなかったように思う。

1982年(昭和57年)、後に大ヒットする「ベルばら」の放映が始まった年、イ
タリアでちびっ子向けの雑誌を作っていた出版社が、売上を上げるためにはア
ニメから取ったMANGA(アニメコミックスとかフィルムコミックスとか呼ばれ
る)ものを掲載するのがいい! というアイデアを得て、講談社にコンタクト
をとった。アニメコミックスなどというのは多分日本特有のものだと思うけれ
ど、そこへ目をつけるなんて、この編集長、盛んに勉強したと見える。

なぜ他のアニメコミックスを出している出版社ではなく、講談社に話を持って
いったのかは、どうしても「私とイタリアとマンガとMANGAとアニメ」をつな
げようとする運命の神様の操り糸に導かれてのことだと思うが、少年マガジン
編集部から講談社KC(単行本を扱う部署)へ移っていた阿久津さんから、ミラ
ノの出版社へ行くので通訳として来てくれないか、との連絡を受けたのだった。

通訳なんてしたことがない。仕事の話をするのに語彙が大いに不足してる。そ
れでも阿久津さんは、いわゆる本職の通訳家より、MANGAのことを知ってる人
の方が話がツーカーに通じるのでありがたい。言葉が足りない分は、相手のい
うことがわからなかったら聞き返す勇気を持ってくれること、本職ではないの
でと相手にも断って、辞書を使っても良い、と言ってくれてやってみる決意を
した。

ミラノには当時、イタリア全国規模の大きな出版社が二社あった。ちびっ子雑
誌「corriere dei piccoli(コリエレ・デイ・ピッコリ)」の編集長はそのう
ちの一社。

編集長はものすごい熱意で、アニメコミックスを掲載したい意思を説明した。
子供たちにとってはテレビで見るアニメのキャラクターが本物であり、たとえ
MANGAが原作であっても、テレビで見るのと少しでも違うと本物ではないと認
識する。抗議の手紙を受け取ったりするので、アニメコミックスを掲載する必
要がある。

阿久津さんが「アニメコミックスは著作権が複雑だから…」と難色を示しても、
「一件づつ解決していくから問題ない」と強気だった。

この件で私が関わったのは、この講談社とリッツォーリ社の初めての会見だけ
で、どのように話が進んだのか承知はしていない。でも、後に講談社が発行し
たアニメコミックスが掲載されていたので話は結実したわけだ。

●MANGAの発見

同じ年、私は関わっていないけれど、アニメで大ヒットした「キャンディ・キ
ャンディ」のMANGAがイタリア語版で出版された。これは、アニメの原作に
MANGAがあって、そのMANGAも面白い、というMANGA発見の先駆けになった。女
の子に受けて、MANGAだけでなく同名の雑誌には女の子が喜びそうな記事が載
っていた。

翌年、もう一度阿久津さんがイタリアを訪れ、私はまた通訳をする機会を得る。
フィレンツェの近郊都市ルッカで行われるコミックスフェアに、講談社が招待
を受けたのだ。阿久津さんは国際室に異動になっていて、その室長と一緒にイ
タリア視察を兼ねてやって来た。

招待といっても「いつからいつまでこういうフェアがありますので、よろしか
ったらどうぞ」というお知らせであって、ゲストとしての招待ではない。旅費
やら宿泊やらフェアの主催者が払うわけではない。それでも、「コリエレ・デ
イ・ピッコリ」でMANGAの縁がついたイタリアだから、今後のためにも視察を、
というとても日本企業らしい考え方で出張を決めたらしい。

講談社は、ボローニャで毎年開催される「国際児童図書展」には必ずブースを
出しているので、イタリアには縁が深い。ボローニャでは絵本の取引が主だか
ら、これでMANGA発行でも縁ができるかも、と思ったのかもしれない。

「キャンディ・キャンディ」がアニメとMANGAでヒットしても、マンガ市場が
小さいイタリアだから、国際室(後の国際版権)の思惑とは大いに差があった
と推測する。

フェアにはMANGA色が殆どなく、イタリア、フランス、スペイン、アメリカの
新旧コミックスの祭典だった。今から見ると信じられない風景だ。実際、もう
このフェアには来る必要ないね、とお二方は話し合っていた。

「キャンディ・キャンディ」の熱狂はそれまでなかったことという意味で、イ
タリアのマンガ界を騒がせたが、市場から見れば一部のものであり、出展者の
ほとんどはMANGAに関してまったく知識を持っていなかった。この「一部の熱
狂」がどういうことなのか理解してなかった、とも言える。

古本のブースで「お手持ちのコミックス買います」の張り紙があるところで、
阿久津さんが試しに「キャンディ・キャンディ」の単行本(もちろん日本語)
を差し出してみたら、ブースのおじさんは苦笑いをしながら首を横に振った。

この10年後のMANGAブームで、マンガに関わる誰もがMANGAを無視できなくなっ
た時、このおじさんはホゾを噛んだろうか…と時々考える。

イタリアにおける「キャンディ・キャンディ」の特異性として、話が完結した
後、発行していたファッブリ・エディトーリ社は続編を小説として刊行する。
作家はイタリア人で、この許可を得るのに講談社に打診し、講談社は作者の水
木杏子といがらしゆみこをイタリアに招待してくれという条件をつけた、とい
うのが微笑ましい。

その後ファッブリ・エディトーリは、MANGAから離れてもとの百科事典事業に
専念。MANGAに参入する出版社が多くなっていったのと逆行した。このへんの
決定の経緯を知りたいものだ。

こうして日本のアニメのテレビ放映開始で、当時のガキンチョ達はショックを
受けた。そして、日本発ポップアートの洗礼から、MANGAの発見につながって
いった。洗礼を受けたガキンチョ達の中には、小学生だけではなく中学生や高
校生も含まれた。

アニメやマンガが10代の層に影響を与えたということが、後のMANGAブームに
大きく関わっていく。なぜなら、その数年後にこの高校生たちが社会に出るか
らだ。普通の就職ではなく、MANGAという自分の情熱を仕事にしていく者も現
れてくるようになる。

一方、日本では講談社で宮原さんの下で編集を覚えた栗原さんがモーニングを
創刊し、宮原さんは少年マガジンを編集長を退任してヤングマガジンを創刊。
読者の対象を青年に広げていき、少年海外コミックという部署(?)を設けて
(多分お一人で担当)、さらに編集総務局長に就任という変化が起こっていた。
これらが、わたしの活動にもだんだんと繋がっていく。

【みどり】midorigo@mac.com

主に料理の写真を載せたブログを書いてます。
< http://midoroma.blog87.fc2.com/ >

2008年に里帰りした時に、知り合いのマンガ家さんに紹介されてインターネッ
トTVのインタビューを受けて、ビデオも一緒に撮った。ミーハーだから「うほ
ほ、私もメディア出演だわ」とちょっと得意になった。

インタビュー記事はすぐにサイトにアップになったけど、〈働く・仕事〜エン
タテインメント産業(4)コミックエージェンシー山根緑さんに聞く LWAC-TV〉
ビデオはなかなかなアップされなかった。小心者なので、担当者に質問するこ
となく、そのうち生活に追われて忘れてしまった。

で、先日、なんだか検索してて行き着いた。嬉し恥ずかし私のインタビュービ
デオ。
< http://lwac.jp/wmv/manga/yamane.wmv >

光を調整して、祖母、母譲りの私の垂れた顔面皮膚がほとんどわからなくなっ
ている(目の下の頬が垂れ、口元の脇の肉が垂れてブルドックようになる)う
うむ、この調整に手間取ったのかも…と、気を使ってくれた担当者に深く感謝。

日本事情、たまには嬉しいニュースもありますね。

・石原都知事の尖閣諸島購入という発想、いいですね。支持します。「国を守
るならなん国が買わないの」という意見もあるけど、持ち主は政治家不信だっ
たそうで国には売らないといっていたそうで、だから無理です。それに、今の
政府が購入したら、熨斗つけて中国様に献納してしまいそう。

尖閣諸島なんて小さい島、がたがた言うならあげちゃえばいいじゃない、とい
う人もなかにいるようですが、どんな小さな島にも「領海」という概念がつい
て回るのを忘れてはいけない。尖閣諸島には九州の6倍の海がついている。そ
の海を守れないと、都民を含めた日本国民の生活に欠くことのできない資源輸
送が危険になるということ。

不安材料にはことかかないけど。

・新潟に支那領事館というのも危ない。地図を逆さまにしてみるとわかるけど、
新潟は支那から太平洋へ抜ける拠点になる。領事館になったらそこは治外法権。
日本の力が及ばなくなる。チャイナタウンを作って経済活発化、とか支那の旅
行者を誘致して経済活性化とか、目の前の人参に飛びついて後どうなるのか。
落とし穴の方にもよーく目を通して考えてほしい。

新潟だけじゃなく仙台もか。子供のためにパンダ誘致… パンダはプレゼント
ではなくて賃貸し。その費用年間一億とか。そのお金を復興と内需拡大に使う
ほうが先ではないのかな。だいたいパンダはチベットのもので、支那が勝手に
どうこうしていいものではない。

▼ローマでMANGA[15]東京でMANGA
< http://blog.dgcr.com/mt/dgcr/archives/20081125140300.html >

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編集後記(04/26)

●浅田次郎「降霊会の夜」を読む(朝日新聞出版)。信州の別荘地にひとりで
住む初老の男が、謎めいた女の誘いでミセス・ジョーンズが開く降霊会に参加
する。かつて男と同じ時を過ごした人たちの霊魂が現れ、彼の心の闇の奥深く
ある記憶の古井戸の蓋を開けて行く。忘れたことにしていた暗い記憶が次第に
よみがえる。彼が知り得なかった真実が死霊や生霊によって語られる。最初の
夜に現れたのは、小学3年生の1学期だけの友達キヨとその家族、知り合いの警
察官などだ。彼らの心の内を知ることによって、彼のうちに燻り続けていた悔
悟や罪悪感がきれいさっぱり拭われる。

ところが、二日目の夜、招かれざる客が降りて来る。一番会いたいと念じたの
は、大学時代に半年つきあって、潮時という身勝手この上ない理由で捨てた百
合子だった。しかし、現れたのは……。迷える霊魂の哀切極まる語りは絶品だ。
一人語りさせたら、浅田次郎の右に出る者はいない。それにしても苦くて重い
話だ。

浅田作品には、娘の霊魂が現れる「鉄道員(ぽっぽや)」がある。主人公の悔
悟が救済される、心温まる泣ける話だ。ながやす巧の描いた漫画を持ち出して、
一気に読んでまた泣いた(しかも「ラブ・レター」との2本立て)。しかし、
「降霊会の夜」の主人公の悔悟や罪悪感は救済されたとは思えない。これから
は以前に増して孤独な日々が続くのだろう。もやもやした読後感がいつまでも
漂う。わたしは過去を振り返るのがきらいだ。恥ずることの多き一生でした。
って、まだおめおめ生きてます。                (柴田)
< http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4022509503/dgcrcom-22/ >
→アマゾンで見る(レビュー5件)

●齋藤さんの写真好きやわ〜。/SkyDriveを25GBにアップした。今後はもうち
ょっと使いたいな。/イタリアっ子も「なんたらパ〜ンチ!」と言っていたの
か。midoriさんのインタビューは見応えあり。

カブトムシの幼虫。朝起きた時にフンが増えていて、底にいたらほっとする。
フンは作り物のよう。ボトルガムの粒に似ていて、大きさは半分ぐらい。机の
上に置いて合間合間にも生存確認をする。さすが自然の無農薬ファームだぜ、
焦げ茶(土)と白(幼虫)と青(ジップロックコンテナの蓋)に、緑が加わっ
た。草がひょろひょろ〜と伸びてきたよ。家人の会社に、クワガタ生育セミプ
ロがいて、カブトムシのケース(コバエの入らないフィルターつき)をもらっ
てしまった。丸いほうがいいらしい。ジップロックコンテナも丸かったぜ。昆
虫ショップについても教わる。このセミプロは育てるのが好きで、近所の子供
たちにあげたりはするものの、ショップに売ったりはしないそうだ。夜行性の
クワガタに合わせて、夜中に取りに行くツアーがあって、場所を覚えさせない
ために、車の内部にカーテンが吊られているとかいう話も聞いた。うちのマン
ションには広めの植樹エリアがあるので、カブトムシの幼虫をツガイで育てて、
産まれた卵を埋めてやったら自然に育つのだろうか。腐葉土をえさに、成長し
てからも樹液。国産カブトなら生態系を壊すことはなさそうなんだが。

三日前、ゴキブリが死ぬ時のように土の表面でひっくり返っていた。直視でき
ず、死んでしまったと半泣きで家人に電話していたら音がした。動きはじめた。
しかし明らかに弱っている。酸欠なら私の土の管理が悪い。新たに土を買った。
環境が変わってはと、古い土からも一部入れようとふるいにかけたら、出てく
るわ出てくるわ、フンの山。食料が減っていたのと湿度(醗酵しての酸欠)の
せいだろう。土を変えたら、もこもこもこもこと潜っていった。気に入ったよ
うだ。                         (hammer.mule)

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編集長     柴田忠男 < mailto:shibata@dgcr.com >
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2012年4月25日水曜日

日刊デジクリ[#3255] 組立付録の時代/ペパクラメディアの時代

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【日刊デジタルクリエイターズ】 No.3255    2012/04/25.Wed.14:00.発行
http://www.dgcr.com/    1998/04/13創刊   前号の発行部数 10038部
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        《手がショートカットを勝手にお寿司〜》

■ユーレカの日々[11]
 組立付録の時代/ペパクラメディアの時代
 まつむら まきお

■グラフィック薄氷大魔王[300]
 300回記念、超小ネタ集
 吉井 宏

■デジアナ逆十字固め…[125]
 Japan Color 2011のICCプロファイル
 上原ゼンジ

■展覧会案内
 所幸則個展「1second─ほんとうにあったように思えてしまう事」

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■ユーレカの日々[11]
組立付録の時代/ペパクラメディアの時代

まつむら まきお
< http://blog.dgcr.com/mt/dgcr/archives/20120425140400.html >
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朝の連ドラ「梅ちゃん先生」のオープニングがちょっとした話題だ。レトロな
昭和の風景がジオラマで再現され、郷愁を誘う。このジオラマの作者は山本高
樹さん。

< http://www.hiyori-geta.com/ >
今はCGが全盛だが、昭和のノスタルジックな風景にはこういった手作りの模型
がよく似合う。

以前も書いたが、僕のような1960年代生まれの男性は多かれ少なかれ「模型好
き」「ジオラマ好き」だ。この歳までそれを引きずっているかどうかはともか
く、小学生の頃はみんな、サンダーバードやウルトラマンといったミニチュア
特撮に夢中になり、プラモデルブームの洗礼を受け、実物大未来都市ジオラマ
「大阪万博」に度肝を抜かれた。

今のようにCGもビデオもゲームもNAい時代、模型は子どもにとって一大エンタ
ティメントだったのだ。この歳になってもドリンクについて来るフィギュアを
つい買い集めたり、ディアゴスティーニの週刊模型に手を出しそうになったり
するのは、そういった刷り込みのせいだ。「梅ちゃん先生」のオープニングも
つい、見入ってしまう。

そんな僕らにとって一番身近な模型は、小学館の学年雑誌「小学◯年生」の
「組立付録」だった。

厚紙に印刷、型抜きされたパーツを組み立てると、乗り物や建物、道具などが
でき上がる。今でいうペーパークラフト、ペーパーモデルだ。高価なプラモデ
ルは特別な時にしか手に入らないが、「学習」雑誌は毎号買ってもらうことが
でき、そこには毎月、なにかしらの組立付録がついてきた。

今のようにキャラクタービジネスが定着する以前である。ウルトラマンなどの
キャラクターものもあったが、モデルは東京タワー、アポロ宇宙飛行士(たし
か歩くという、子どもから見ても無茶ぶりなものだった)、霞が関ビルなど、
実在の建物なども多かった。

小学館のサイトでは、当時の東京タワーの組み立てモデルがpdfでダウンロー
ドできる。ここに載っているのは昭和43年、小学二年生の付録。その頃ぼくは
幼稚園なので時期がずれているが、おそらく何年かは再録されていたのだろう、
ぼくもこれを組み立てた記憶がある。おどろくほど少ない部品点数で、ビルや
駐車場、さらに糸をつかった昇降可能なエレベーターまで再現されている。

かなりの大きさだった記憶があるが、このサイトを見ると、なんと1.5mもある。
小学生の身長よりでかいのだ。
< http://family.shogakukan.co.jp/kids/netkun/furoku/menu.html >

調べてみるとこのような組立付録の歴史は古く、戦前の子ども雑誌にも、建築
物や軍艦などのモデルなどが付いていたようだ。印刷した紙という、量産しや
すく、また、工業化時代に必要な指先のトレーニングという目的もあったのだ
ろう。たくさんの組立付録が発行されていたらしい。

乱暴に切り取って、セロテープでベタベタと貼っても、かなりのサイズにちゃ
んと組み上がる。一枚の紙が立体になるのが面白く、毎月枚月、夢中になって
組みたてた。弟や妹の付録まで手を出してしかられた記憶もある。

一度憶えてしまった、立体物が自分の手で組み上がるという悦楽への興味は、
その後LEGOブロック、プラモデル、さらに大学では建築専攻と順調にエスカレ
ートしていくわけだが、間違いなく、自分の立体物のルーツは、組立付録だ。

中学校以降は、時代がプラスティックの時代になったこともあり、紙の組立モ
デルというものとは疎遠になっていた。すっかり「子どもの頃の記憶」になっ
ていた組立モデルと再開したのは、今から25年ほど前、サラリーマンをしてい
た時だ。

アメリカに出張に行った先輩が、オミヤゲにペーパーモデルを買ってきた。た
しか第二次世界大戦の戦闘機なのだが、機体の前半分しかない。シカの首の剥
製よろしく、壁にかざれるというシロモノだ。

幸いそこはデザイン室。カッターもノリも揃っている。さっそくそれを奪い取
り、会社で組み立てた。子どもの頃の雑誌付録と違い、部品点数も多く、それ
なりに組立に時間がかかったような気がする。

組み立ててみると、翼長が1.2mほどもあり、事務所の壁に飾ると、それはかな
りの迫力だった。プラスティックモデルでこのサイズだと、組立は相当大変だ
ろう。紙ならではのホビーがある、ということをこの時改めて知ったわけだ。

しかし、ある朝会社に行くと、そのモデルは半分分解して、壁から落ちていた。
組立に使った両面テープがいけなかったのだ。何度か補修したが、そのうちゴ
ミ箱行きとなってしまった。

それからしばらくして、今度は東急ハンズでおどろくべきペーパーモデルと出
会った。ドイツ・Schreiber社製のペーパーモデル、第二次世界大戦の超大型
飛行船「グラーフ・ツェッペリン」だ。

開発元サイト
< http://www.schreiber-bogen.de/cat.php?ac=4&t=205 >
国内取扱。こちらのサイトではパーツの一部を見ることができる。
< http://miniature.ne.jp/item/SB557/ >

実際に組み立てられたものが東急ハンズに展示されていた。1/200サイズ、全
長118センチというビッグサイズである。おどろいたのはその精度と存在感だ。

ペーパーモデルは曲面を再現するのは苦手。だからモチーフは建物などが多く、
航空機はまだ基本が円筒形だからそれっぽくはできるが、それでもディテール
はデフォルメせざるを得ず、どこかオモチャっぽなる。

ところが飛行船ツェッペリン号は実物の断面が多角形。現在みかける広告飛行
船は軟式で、気球同様内圧で膨らんでいるため、丸い。それに対し、ツェッペ
リンはガス袋と外装が別の硬式。なので、外装は膨らんでおらず、面はフラッ
トである。

曲面が苦手なペーパーモデルにはうってつけだ。さらに、実物の外装も薄い布
貼りなので、プラスティックモデルよりも紙の方がホンモノらしい、薄さと軽
さが表現できる。

テグスで天井から吊された完成品は、まさに理想的なグラーフ・ツェッペリン
号だった。完成させても、天井から吊せばいいので、置き場所に困らないとい
うのも魅力だ。

たしか3,500円くらいだったと思う。当時3,500円というとそれなりのプラモデ
ルが買える値段。たかだか紙に3,500円も出すのか? と何日か悩んだが、結
局その魅力に勝てず、A4サイズほどの紙が9枚からなるキットを購入した。

当初、紙なのだからいくら精度が高くても簡単にできるだろう、と考えていた
が、実際はそう甘いものではなかった。切り取りも、小学館の付録のようなカ
タヌキはされておらず、自分で正確にカットしなくてはならない。

カタヌキは印刷と精度がずれるので、このような大人の高級モデルであれば当
然だろう。しかしキットを開封してみると、このモデルの切り抜きにはとんで
もない工夫がなされていた。

通常のペーパーモデルでは、表面に切り取り線が印刷されている。これだと切
り取った時に、エッジに黒い線が残ってしまう。なんとこのモデルでは、切り
取り線を表に見せないために、すべての切り取り線が紙の裏面に印刷されてい
たのだ。表の印刷は各パーツサイズよりも大きめ、つまり塗り足しを設けるこ
とで、精度を維持しつつ、組み上げた時に切り取り線が表面に出ないことを実
現していた。

3,500円とはいえ、所詮紙だろう、と思っていた気持ちが、一気に引き締まっ
た。組立図を見てみると、さらにおどろくべき仕様が見つかった。それは「の
りしろ」だ。このモデルでは、全てののりしろが別パーツだったのだ。

通常、のりしろはパーツの端に同じ面として存在するが、これを組み立てると
接合部分に紙の厚さの段差ができる。1mmにも満たないそのかすかな段差が、
模型としての「おもちゃ」っぽさの原因のひとつなのだ。

のりしろを別パーツにすることで、この問題が解決する。たとえば二つの面、
AとBをつなぐとき、AとBを重ねるのではなく、AとBを突き合わせて、裏からの
りしろパーツCを充てて接着するのだ。

こうすることで、表面には紙の厚みの段差が現れない。その結果、完成するツ
ェッペリン号の表面には、段差も切り取り線も存在しない。紙でありながらと
ても美しい流線型ボディなのだ。

おそるべし、ドイツ人。

プロダクツに対するドイツ人の完璧主義に敬意を表しながら、ひとつひとつの
部品を丁寧にカッターで切り抜く。面合わせを行うのだから、フリーハンドは
厳禁だ。折り曲げ線は裏から鉄筆で折れ線を入れる。精度をきっちり出さなけ
れば、スキマやゆがみが出てしまう。20等分ほどの輪切り状態の各パーツを丁
寧に組み立て、それを接合。キャビンやエンジン、尾翼などのパーツまで組み
上げるのに、軽く一か月はかかったと思う。

じっくりと作り上げたおかげで、完成したモデルは実に見事だった。今の家に
引っ越す時、かなり薄汚れてしまって捨てるまで、8年ほど、部屋の天井でず
ーっと浮かんでいてくれた。

それから10年。昨年のことだ。書籍のイラストのキャラクターとしてロボット
のデザインを考えているとき、それをちょっと3Dにしたくなった。愛用してい
るGoogle SketchUpを起動し、レトロスタイルの単純な箱型ロボットを30分ほ
どでモデリングした。その時、ふと、これをペーパーモデルにすることができ
るんじゃないか、と思いついたのだ。

それ以前から、「ペパクラデザイナー」というアプリがあるのは知っていた。
仕事で自分が描いた建物をペーパークラフトにしてもらったこともある。3Dア
プリとプリンタがあれば、あの組立付録が自作できる時代になっていたのだ。

Google Sketchupのデータでも、いくつかのアプリを経由すればペパクラデザ
イナーで展開できるんじゃないだろうか。そう思って色々と検索してみると、
Google SketchUp用の無償プラグインにまさに立体を平面展開するものが見つ
かった。

インストールしてみると、これが非常に簡単。面を二つ選択すると、接合軸を
軸にして、前者の面を後者と同じ面に展開してくれる。パチパチとクリックし
ていくと、箱がパラパラと展開図になっていくのだ。
< http://www.youtube.com/watch?v=PXJN_Pm8vFo >

実際に展開してプリントアウトし、組み立てる。バーチャル世界でモデリング
した仮想立体物が、印刷物を経て、立体物になる。組立付録から40年。模型少
年だった自分が建築を勉強したり、会社員時代に3DCGを覚えたりしたりしたの
はすべてこの日のためだったのか!! とまでは思わないが、まぁ、かなりの
感動である。

ちょうど友人でイラストレーター・まんが家のMONさんが、A3サイズの同人誌
を作るというので、そこにペーパーモデルのロボットを掲載してもらうことに
なった。最初は楽勝〜、と思っていたのだが、実際に作ってみると、いろんな
ことがわかってくる。

3DCGだと、見た目優先でつい、複雑な形状にしてしまうが、これを展開してみ
ると、切り抜きや組立が非常に面倒になる。面倒なわりに、でき上がった立体
のディテールはさほど、目に入らなかったりする。展開をどう行うかの工夫も
必要。のりしろをどうつけるか、切り抜きやすいか、組立やすいか。

理想はツェッペリン号だが、そんな物を組み立ててくれる人はいないだろう。
量産するのであれば、もっと手軽に楽しめるものにしたい。さらに、複数のパ
ーツを一枚の紙に配置するための工夫。パーツ状態で「組み立てたい!」と思
えるようなワクワクする感じが欲しい。

ツェッペリンを組み立てた時は、ドイツ人すげー! 紙モデルこうあるべし!
なんて絶賛していたが、自分でやってみてはじめて、シンプルな子ども向け付
録にも設計者の創意工夫が大いに詰まっていたことを知る。

あたりまえのことだが、できあがりがシンプルだから設計も簡単というわけで
はないのだ。自分の描く絵やマンガで、そのことは充分わかっていたはずだっ
たのだが、模型というものに対しては消費者だったのでつい、甘く見ていた。
反省。

さて、デザインや展開を何回も修正してはプリント、組立を繰り返し、完成し
たのがこちら。最初掲載してもらった同人誌が売り切れたので、単品として製
品化したもの。

完成品
< http://www.makion.net/makionlog/item_422.html >
メイキング。SketchUpプラグイン情報などもこちらに
< http://www.makion.net/makionlog/category_6/item_353.html >

これをオフセット印刷、一枚100円で創作同人誌即売会コミティアで販売して
みた。かなりのペーパークラフト好きなのか、二枚三枚まとめて買ってくれる
男性、遠くから完成品を見つけ「かわいい」とかけよってくる女性、子どもに
せがまれる親子連れなど、いろんな人が買ってくれる。

一点物の彫刻や完成させたプラモデルを「すごいねぇ」といって見てくれるの
とは違う、メディアとして配布できる醍醐味。マンガやイラストレーションと
同じように、メディアとして配布できる立体物。

立体の量産には、レジンやソフビなどのガレージキットという手もあるが、生
産工程が大変だ。またガレージキットは「形状のみ」の販売であり、その表面
は組み立てるユーザーにゆだねられる。

ペーパーモデルは、デスクトップでありながら表面のマッピングまで手軽に複
製できる。大量に印刷されたそれぞれの紙から、立ち上がる立体物。これはハ
マル。

ぼくにとってのメディアファーストインパクトは、コピーによる同人誌発行や
PageMaker、そしてWEBに至るデスクトップパブリッシングだった。セカンドイ
ンパクトは、制作から公開までアニメーションがデスクトップで集結する
Flashだ。とすれば、このペーパークラフトというメディアはぼくにとって、
サードインパクトなのかもしれない。

というわけで、今回、その第二弾、ロケットを制作した。ロボットといっしょ
に楽しめるよう、レトロなデザイン。有名なあのロケットやこのロケット、自
分の中にある大好きなロケットの印象をすべてミックスした。

こちらは先のMONさん主宰「トイロ・ト・トイロ」クラフト特集「クラフトイ
ロ」に収録され、先のロボと共に5月の東京コミティア、関西コミティアにて
販売される。お出かけの節はぜひ覗いてみてください。

「クラフトイロ」
< http://www.seian-manga.net/toiro >

作りたいものは山ほどある。好評なら販売チャンネルも開きたい。しかし残念
なのは、自費出版ではなかなか時間を割くことができないこと。だれか仕事と
して発注してくれませんか。

【まつむら まきお/まんが家、イラストレーター・成安造形大学准教授】
< twitter:http://www.twitter.com/makio_matsumura >
< http://www.makion.net/ > < mailto:makio@makion.net >

大学も仕事もプライベートも4月は忙殺状態。プロのマンガ家になった大学の
教え子たちの原画展。29日はぼくも参加してのトークショー。
< http://www.seian-illust.net/manga10/ >

イラストを担当した森さんのiPhone開発本、重刷出来。アリガト三刷りや。
< http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4839941734/ >

コミティアの東京と関西。まつむらは本文中のペーパークラフト以外に、マン
ガ本の新刊も出します。関西はうちの大学のゼミも参戦。
< http://www.comitia.co.jp/ >
< http://www.k-comitia.com/ >
コミティアは「デジクリ読んでます」と言ってくださればポストカード進呈し
ます。

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
■グラフィック薄氷大魔王[300]
300回記念、超小ネタ集

吉井 宏
< http://blog.dgcr.com/mt/dgcr/archives/20120425140300.html >
───────────────────────────────────
●キャラクターデザイン仕事。ちょっとムリヤリな変更依頼があって作業して
たのだけど、やってみたらスゲ〜イイ! これだから人の意見が入ると面白い。
思わぬ要望を取り入れると、それをどうにか消化する過程で化学反応が出るこ
とが多い。

普段は自分の好みの世界から出ないから、人の意見で殻が破れるんだろうね。
「こっちは専門家なんだから任せてよ〜」とか思ってても、意見を取り入れた
ほうが結果がいいこと多いのは確かです。人の意見大歓迎! 化学反応大歓迎!

●最近はもっぱら紙にラフを描いてます。色鉛筆と鉛筆とサインペン。スケッ
チやラフ描きで、液タブにできて紙と鉛筆にできないことといえば、つきつめ
れば「拡大・縮小・回転」くらいなんだよね。

長いことデジタル狂信者だったけど、iPadや液タブとくらべて紙と鉛筆のコス
トパフォーマンスと性能比は異常! くらいには考えられるようになってきた。
たとえば今コンビニでノート一冊とボールペン一本買ってくる。300円くらい
か? それでノート一冊びっしり描きつぶすのに何週間かかるか。デジタルだ
とそのへんかなり頼りない。

●発注側のみなさん。イラストでも写真でもデザインでも、Webとかでよさそ
うな人いたらどんどん連絡してみてくださいよー。なんか、コネがないと発注
できないって思ってる人が多いようです。僕の場合も、二つも三つも知り合い
のつてを辿って話が来たことがある。

みんな、コネがない人にも発注してもらおうと思って、Webサイト作ったり
「イラストレーションファイル」に出してるのです。突然電話しても、ほとん
どのクリエイターはこわくないですし〜。

●パブーの電子書籍はPDFなので管理がラクで良い。プロテクト的の代わりに、
なんとPDFにメールアドレスが埋め込まれる! これは賢い方法。流出したら
その人のせい。利便性は保証するから購入者の責任で管理しろってことですね。

これが広まってほしい。市販されてる独自フォーマットやプロテクトの電子書
籍より、自炊したPDFのほうがぜんぜんいいって、最近は思ってるくらいなの
です。
< http://p.booklog.jp/about/faq#faq_90 >

●Photoshop CS6のイマイチな点。ブラシサイズのショートカットが、直径=
横方向ドラッグなのが非常に気持ち悪い。縦方向ドラッグの堅さをオフにする
と、代わりに不透明度になる。塗っててなんかムラが出ると思ったら、やはり
ブラシの不透明度が96%になってた!

ブラシの不透明度なんて描画のときに滅多に使わないよね。ブラシの濃度は
「流量」を使うもんだ。実はmodoのショートカットとモロにかぶるんで、これ
からずっと苦労しそう……。あと、スポイトで出てくる大きな輪っかがウザい!

●リンクは「ノマドワーカーがクールだなんて幻想だ! というお話」。ノマ
ドはおいといて、フリーランスってたいへんなんだぞってお話です。一般の会
社員とかの人がノマドワーカーってスタイルにあこがれたとしても、それはフ
リーランスってスタイルの向こう側にしかない、と。ここに書かれてる「ノマ
ドに必要だと思われる心構えや条件」を、当たり前のようにクリアしてるオレ
らってすごいなあと褒めてやりたいわ。
< http://www.lifehacker.jp/2012/04/120410nomadisntcool.html >

●フリーランスって人力ヘリコプターみたいなもの。必死でプロペラ回してな
いと即墜落。会社員は大勢で漕ぐカヌーみたいなもんか。ただし、すぐ後ろが
滝。一人がちょっとサボっても沈まないけど、みんながサボると真っ逆さま。

●今はiPhoneやスマホに全部入りだけど、昔想像してたのはラジカセベース。
テレビがついてラテカセってあったし、鍵盤がついたラジカセもあったな。CD
がついて、さらにビデオがついて電話がついてFAXがついてコンピュータがつ
いて……とか。

中学3年までの頃は、自前のメカといえばステレオラジカセくらいしかなかっ
た。松本零士のメーターがいっぱいあるアレにあこがれて、ラジカセを中心と
したメカニックなメーターだらけの部屋を想像してた。メーターに何の数値が
出るのか知らんけどさ。あと一歩だったのにな、ラジカセベース文明。

●メキシコの無料PDFデザインマガジンに作品とインタビューが出てます。自
分で英訳したテキストを元にスペイン語になってるので、内容はちょっと不安。
119ページにTDW作品3つをモンタージュしたものがあって、勝手に切り刻むん
かい! とか思ったけど、おもしろいので許す。たくさん載せてもらった中の
スパイス的一点ですね。
< http://www.inkultmagazine.com/ >

●「ショートカットを手が勝手にお寿司〜」。あ、「手が勝手に押すし〜」と
打とうと思って誤変換。なんかカワイイ。

【吉井 宏/イラストレーター】
HP < http://www.yoshii.com >
Blog < http://yoshii-blog.blogspot.com/ >

え〜、この連載、300回目、丸7年。200回目には何思っていたんだろうと振り
返ったら、始まった経緯とか書いてますね。あと、内容を盛り込みすぎて無駄
に長くなりがちなのをなんとかしたい、1200字くらいを目指すって書いてある。
最近は短いコラムの三本立てみたいな回が多くなってますが、それでも今回
2500字越えてる〜。せめて2000字以内にまとめたいです。
< http://blog.dgcr.com/mt/dgcr/archives/20091118140100.html >

●iPhone/iPadアプリ「REAL STEELPAN」ver.2.0がリリースされました。
「長押しロール」のオン・オフ切り替えスイッチを追加しました。
「オフ」ではレスポンスが速くなるので、素早い演奏が可能になりました。
REAL STEELPAN < http://bit.ly/9aC0XV >
●「ヤンス!ガンス!」DVD発売中
amazonのDVD詳細 < http://amzn.to/bsTAcb >

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
■デジアナ逆十字固め…[125]
Japan Color 2011のICCプロファイル

上原ゼンジ
< http://blog.dgcr.com/mt/dgcr/archives/20120425140200.html >
───────────────────────────────────
現在、日本印刷産業機械工業会のJapan Color認証制度のサイトでJapan Color
2011のICCプロファイルが無料でダウンロードできるようになっているので、
今回はそのJapan Colorのお話。

Japan Colorというのは日本の印刷の標準だ。1995年に始まり今まで何度かの
改訂が行われているが、Photoshop等アドビ製品にCMYK変換用のプロファイル
としてバンドルされているので、その名称に見覚えのある人も多いと思う。

このJapan Colorというのは、始まった当時はあまり評判は良くなかったと思
う。元々標準がなかった時代、各印刷会社は顧客の望む通りの色で印刷をする
というのが当たり前で、そこに勝手な標準を持ちだされても「うちにはうちの
やり方があるんだ」という話になってしまう。それに最初の頃の標準は印刷会
社にとって納得のできるようなものでもなかった。

ただ、標準化されることによるメリットというのはたくさんある。同じデータ
を使って違う印刷会社で刷った場合に、標準に準拠していれば同じように印刷
されるということだ。たとえばあるチェーン店のチラシで、テキスト部分だけ
を差し替え各地方で印刷をしたいなんていう場合に色を揃えやすい。一箇所で
刷って全国に配送するなんていうシステムよりは、はるかに効率がいい。

それから、制作段階で色のシミュレーションをすることも可能だ。とりあえず
刷ってみてから色校正をしようというやり方ではなく、ディスプレイやプリン
タを使って仕上がりの確認をするわけだ。どのように印刷するのかが、標準に
よりフィックスしていればシミュレーションのしようもあるが、刷ってみない
と分からないというような状況では、データ段階でのシミュレートも不可能だ。

このシステムがうまく機能すれば、何度も色校正のやりとりをする必要もない。
手元のプリンタでプルーフが出力できるのであれば、海外でデータを作成した
り、海外で印刷したりすることもできる。

海外にもこういった印刷の標準がある。欧州のFOGRAや北米のGRACoLがそれに
あたる。たとえばドイツのどこかの印刷会社向けのデータを、日本のどこかの
印刷会社向けのデータに直すのは大変だが、FOGRAからJapan Colorへの変換で
あれば計算もしやすい。もちろんCMYKからCMYKに変換するのではなく、元の
RGBから変換したほうがクオリティーは高くなるわけだが……。

現在はただ印刷の標準を作るだけでなく、実際にJapan Colorに準拠した印刷
ができるかというテストをし、合格した印刷会社を認証するという制度も生ま
れている。勝手にJapan Colorのシミュレーションをしても、実際にJapan
Colorで刷ってもらえなければ意味はないので、これは発注側として歓迎すべ
き動きだろう。

●「Japan Color 2001 Coated」との違いは?

今回無料配布されるようになったJapan Colorのプロファイルは、ジャパンカ
ラーの2011年版に準拠したもの。一方ユーザーに馴染み深いプロファイルであ
るアドビ製品にバンドルされている「Japan Color 2001 Coated」は、10年前
に策定された「ジャパンカラー色再現印刷2001」に基づいたものだ。

Japan Color 2001 CoatedとJapan Color 2011の違いとしては、前者がアドビ
システムズ製のプロファイルであるのに対し、後者は日本印刷機械工業会(JP
MA)のプロファイルであるということ。

また前者がフィルム/PS版からの印刷を基準としていたのに対し、後者はCTPに
よる印刷向けになっていることが上げられる。どちらも枚葉機でコート紙に刷
った場合用のプロファイルなので、大きな違いがあるわけではないが、10年間
の技術の進歩が反映された修正が加えられており、変換結果にも違いが出る。

印刷機のプロファイルというのは、印刷機でカラーチャートを刷り、そのパッ
チ一つ一つの測定値を元に作成するのだが、エディットの仕方により変換結果
も異なる。まずRGBは3次元データだが、CMYKは4次元データだというのが大き
な問題。このことにより変換結果を一義的に定義することはできない。

それからCMYKの色再現域はかなり狭くなるので、そのまま表現できない色は近
い色に置き換えなくてはいけない。この場合に色相が変わらないようにするの
か、彩度が落ちないようにするのか、といったことの方針を決めてエディット
する必要がある。つまりそこに人間の感覚的なものが入り込む余地があるとい
うこと。同じ測定値を元にしても違うプロファイルが出来上がるというわけだ。

基本はチャートの測定値を元にして色が近似するということが重要なのだが、
色は合っても階調再現に問題が出てしまう場合がある。その階調をなだらかに
する作業はスムージングと呼ばれるが、このスムージングをかけると今度は色
差が大きくなる。そこでいい落とし所を見つけてバランスをとらなくてはなら
ないが、これもまた人間の感覚に依存する。

今回Japan Colorのプロファイルを作成するにあたっては、プロファイルを作
る技術者や学識経験者だけではなく、印刷機メーカー、インキメーカー、用紙
メーカー、印刷会社、広告代理店など、多くの人達が検証に関わったそうだ。
そういった様々な意見が一つのプロファイルに集約されているということだ。

アドビのプロファイルが普及したのは、アドビ製品に無料でバンドルされてい
るということが大きい。今回のプロファイルがどういった形で普及していくの
かはまだ分からないが、10年間の技術の蓄積でいろいろと改良が加えられたも
のなので、興味のある方はぜひ検証してみてください。

結果が良ければそのまま利用が可能。ただしこのプロファイルはあくまでの枚
葉機でコート紙に刷った場合のものなので、用紙や印刷方法が違えば、色も変
わってしまうので注意が必要。

印刷物を作る場合の用紙の選定には、値段や風合いなどさまざまな要素が絡ん
でくるが、このジャパンカラーに準拠したワークフローを導入すれば、かなり
イメージに近い色再現を得ることができる。

ディスプレイでオーケーであれば、プルーフを出力してもほとんど修正の必要
のないデータを作ることもできる。色校正の回数が減ることはコストや時間の
削減にもつながる。「Japan Color認証制度」のサイトにもいろいろと情報が
あるので、興味がある方はご覧ください。

・Japan Color認証制度
< http://japancolor.jp/ >

・Japan Color 2011のICCプロファイルダウンロード
< http://japancolor.jp/icc.html >

【うえはらぜんじ】zenji@maminka.com < http://twitter.com/Zenji_Uehara >
上原ゼンジのWEBサイト
< http://www.zenji.info/ >
Soratama - 宙玉レンズの専門サイト
< http://www.soratama.org/ >
上原ゼンジ写真実験室のFacebookページ
< https://www.facebook.com/zenlabo >

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
■展覧会案内
所幸則個展「1second─ほんとうにあったように思えてしまう事」
< http://cosmos-akasaka.sub.jp/ >
< http://blog.dgcr.com/mt/dgcr/archives/20120425140100.html >
───────────────────────────────────
会期:5月10日(木)〜6月9日(土)13:00〜18:30/土12:00〜18:00 日月火休
会場:Niiyama's Gallery and sales Salon
(東京都港区元赤坂1-5-20 ロイヤル赤坂サルーン 709 TEL.03-6447-1500)
< http://cosmos-akasaka.sub.jp/ >

実はこのヌード作品はまだまだ発表する時期ではなかったのですが、Facebook
で一枚だけアップしているのを「Eyemazing」の編集長 Susan.A.Zadeh氏が見
かけて「このヌードシリーズはもっとあるんでしょう? 何枚あるの?」とメ
ッセージを送ってきたところから、急に発表しちゃおうか? と思い始めたシ
リーズなのです。この作品はゆっくり気が向いた時に撮っていたもので、発表
のことは全然考えていませんでした。

本当に気持ちが盛り上がって、撮りたくなったら撮る。そういうペースなので、
2008年から始めたのに、まだ15〜16作品しかできていません。

そんなシリーズがオランダのファインアートフォトマガジン「Eyemazing」の
2012年3月21日発売号で特集が組まれることになり、それは日本以外の世界に
発表するということなので、急遽日本でも発表するわけですが、同じタイミン
グで上海のキュレーター鳥本君からもオファーがあって、中国でも発表するこ
とになりました。

「1second─ほんとうにあったように思えてしまう事」
曖昧な人の記憶、現実とは実は曖昧なもの。確かにあったと思っている記憶も
現実も「本当にあったように思えてしまう事」なのかもしれない。僕が現実に
見て残したいと思って撮った美しいNUDE作品を展示します。

【ところ・ゆきのり】写真家
CHIAROSCUARO所幸則 < http://tokoroyukinori.seesaa.net/ >
所幸則公式サイト  < http://tokoroyukinori.com/ >

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
編集後記(04/25)

●息子がわたしのところに来て、小声で「しかし、あんたの奥さんは口達者で
辛辣で容赦がないね〜」と言う。お前の母だろうが。いやまったく、そうなの
だ。数十年一緒に暮らしてきたが、ここ数年はささいなことで口喧嘩すること
も度々で、いつも必ず敗戦の屈辱を味わう。妻にこういう才能があったなんて、
若い頃は気がつかなかった。リリー・フランキーとみうらじゅんの「どうやら
オレたち、いずれ死ぬっつーじゃないですか」(扶桑社)での、女との喧嘩に
ついてのふたりのやりとりがおもしろい。

M:女の人との喧嘩はよくないよ。極力、喧嘩しないように、機嫌をとって生
きていくのが男でしょ。それでも怒りが収まらないときは、黙って外に出て
「うわーっ」って叫ぶんだ(笑)。そうやって少し冷静になってさ、「なぜ怒
っているのか」を自分に問いただすんですよ。何が怖いって、そもそも口じゃ
勝てない相手に勝負して、思ってもないことを言ってしまう自分が怖いんだか
ら。L:男友達とやるみたいに、女の人とも計算ずくで喧嘩できないもんです
かね? M:できないねえ。女の人は、男と違う角度や視点から言ってくるか
らね。

まさしくその通りだ。妻の機嫌を窺いながら生きるのが男であり、口論では圧
倒的に不利な状態でヘタなことを言ってしまい、ますますドツボに嵌るのが常
である。でも最近いいテクニックをおぼえた。松岡修造の名言に「怒りを覚え
たら頭の中で歌をうたう」があるが、喧嘩の最中これをやるとなかなか効く。
「聞き分けのない女の頬をひとつふたつはり倒して〜」で始まるカサブランカ
ダンディでもいいし、「うさぎ追いしかの山〜」でもいい。世の中の夫という
立場の人、いざというときにお試しください。          (柴田)

●「弟や妹の付録まで手を出し」た覚えあります。『関西コミティア40』の日
は先約があった……。/吉井さん、祝300回! ありがとうございます!! 
前回の「Things Mac」を試そうと思いつつ一週間。毎週これだけのネタをお持
ちなのに感服。イラストレーターさんにお願いする時は、ギャラがわからなか
ったりして、なかなか飛び込みはできなかったりする。クライアントさんが曖
昧な発注をしそうだったら申し訳ないし、とかいろいろと。/「Japan Color
2011」落とさなきゃ。

iOSアプリの「はりがな」で遊んでみた。まにフェスに出展してくださったブ
リリアントサービスさんのゲーム。見ず知らずの人と、もじぴったん。もじぴ
ったん的なのは昔からあるらしいので、もじぴったんと書くのは気がひけるな。
配られる6枚のひらがなのカードを並べて言葉を作る。ひらがなにはそれぞれ
点数がつけられていて、使いにくい「に」などは4点、使いやすい「く」など
は1点。ただし「ゆ」が1点なのは納得いかない。縦横に単語が成立したり、文
字数が多いほど得点は高くなる。色枠のコマにはボーナス特典がつき、それも
カウントされて高得点になる。最初に起動した時は、オートマッチングされた
相手がプレイしてくれなくて、一度も遊べないまま三日目に強制終了させた。
先日の相手は、結構マメに返してくれて、平均して3時間に一度ぐらいはプレ
イできた。気の長いゲームだ。アドオンでアップグレードすれば、一度に遊べ
るボードが増える。一人用があればなぁと思うが、この気の長さがちょうど良
いのかも。/4日かけてゲーム終了。勝った。さぁ次の人とゲームをと思った
が、5時間経っても番が回ってこない。また強制終了か?  (hammer.mule)
< http://itunes.apple.com/jp/app/harigana/id502735751?mt=8 > はりがな
< http://blog.dgcr.com/mt/dgcr/archives/2012/04/25/images/harigana2.jpg >
すきるはあるのに、こるくがない。えいしゃがあるのに、えいしょはない。

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2012年4月24日火曜日

日刊デジクリ[#3254] 金環食までいよいよ後一か月切りました

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【日刊デジタルクリエイターズ】 No.3254    2012/04/24.Tue.14:00.発行
http://www.dgcr.com/    1998/04/13創刊   前号の発行部数 10037部
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          《フリフリのパンツのひもが〜》

■気になるデザイン[76]
 触ってドキッ、見てドキッとした二冊の本
 津田淳子

■装飾山イバラ道[97]
 リスに魅了された人々
 武田瑛夢

■おかだの光画部トーク[76]
 金環食までいよいよ後一か月切りました
 おかだよういち

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■気になるデザイン[76]
触ってドキッ、見てドキッとした二冊の本

津田淳子
< http://blog.dgcr.com/mt/dgcr/archives/20120424140300.html >
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同じように思っている方も多いと思うのですが、私は気に入った書店というか、
いい本に出会える書店というのがいくつかある。それは大書店ばかりでなく小
さな書店でも。お店のスペースが小さければ置ける本の数も限られてくるのに、
どうもいい本に出会える。そんなお店には、ついふらふらと鴨葱状態で立ち寄
ってしまいます。

この前の日曜日、所用があって(後述します!)大阪に行き、時間があったの
で、以前から行ってみたかった「スタンダードブックストア心斎橋」という書
店へ伺いました。

ここは「本屋ですが、ベストセラーはおいてません。」という刺激的なコピー
が忘れられない本屋さん。お店の中は、見たことのない本がいろいろあり、非
常におもしろく、その後仕事だというのにまた本を買い込みました。こうした
「意思のある」本屋さんは、本当にすばらしいですね。

さて、そんな書店通いの毎日のなかで目にした、気になるブックデザインの本
をご紹介。まず一冊目は『田中慎弥の掌劇場』(田中慎弥著/毎日新聞社刊/
1,260円)ブックデザインはAlbireo。
< http://books.mainichi.co.jp/2012/04/post-6534.html >

この本は、書店で手に取ったときに違和感が、もう気になってしょうがない。
私の少ない語彙で伝えるのは難しいのだが、ヌメっとゴムのような引っかかり
のある質感。手が本に吸い付くような独特の感じがします。

真っ黒いに白と黄色の文字のみで構成されたカバー/帯ともに同じ質感。触っ
た人なら誰しも「なんだこれは!?」と思うことでしょう。

これはカバー、帯ともに、通常の白いコート紙に墨と黄色を刷り、その上から
「ベルベットPP」というフィルムをラミネート加工してある(実は最初触った
ときは「スカッフフリーマット」というフィルムを貼ってあるのかと思ったが、
少し別のフィルムのようでした)。

このフィルムは、ヌメッとした独特の質感がおもしろいのはもちろんなのです
が、私がそれ以上にすばらしいと思う点が、「傷がつきにくい」というところ
です。

本書のカバー(と帯)は文字以外のところがすべて真っ黒。通常、こうした真
っ黒い印刷や紙の上にマットPP加工をすると、爪でちょっと触ったりするだけ
で、すぐに傷がつき目立ってしまいます。そうなるとカバーを交換して……と
いう無駄な作業が多くなってしまいがちですが、このフィルムは傷がつきにく
い(目立ちにくい)ので、その心配が軽減される。

「怖ろしい。あり得ない。しかも美しい─。あらゆる感情が味わえる37篇の掌
の小説」という内容に合った「ヌメッとしたあり得ない質感」を実現し、かつ
機能的にも配慮された加工。いやー、すばらしいデザインだと思いました。

そしてもう一冊は、うって変わってタレント・優香さんの写真集『優香グラビ
ア 特装版』(著:優香/写真:菅野ぱんだ/講談社/3,675円)ブックデザ
インはえぐちりかさん。
< http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4062176491/dgcrcom-22/ >

正直、グラビア写真集に興味はあまりないのですが、非常に大胆な写真トリミ
ングに驚き、かつ特装版は、表紙にドンと載っているフリフリのパンツのひも
が、片側だけ本物のリボンになっており、それをピーッと引いてほどいて本を
開くというしかけ。

そして、本書と同時に『優香ボディー』という著者のエクササイズやダイエッ
ト中の食事日記、レシピ集などが掲載された本が発売されている。こちらの本
は著者のバスト部分の写真がカバーに使われていて、先ほどの『優香グラビア』
と並べると、体が繋がるというしかけになっている。
< http://www.asahi.com/photonews/gallery/yuka_gravure_041212/cover.html >

私の好みのブックデザインとは言い難いものの、やはりこの大胆な写真の使い
方にはドキッとさせられたので、今回ご紹介しました。

さて、最初に書いた「所用で大阪に行った」ということについて、ちょっと書
かせてください。大阪の梅田に「MARUZEN&ジュンク堂書店 梅田店」という大
きな書店があり、その7階のイベントスペースで「『デザインのひきだし』の
押し入れ展」という展示が昨日から始まっています。その搬入で日曜日夕方に
伺っていたという次第でした。

この展示は、過日、東京の青山ブックセンターで開催した展示の巡回で、『デ
ザインのひきだし』創刊5周年の感謝のしるし(といえるか微妙ではあります
が……)として、今までのさまざまな印刷加工の試作や校正、使った型などを
展示しています。東京よりスペースが広いこともあって、今回初披露のものも
展示しています。

5月12日(土)まで開催していますので、お近くに行かれた際にはぜひご覧く
ださい。

●「『デザインのひきだし』の押し入れ」展
場所:MARUZEN&ジュンク堂書店 梅田店 7Fイベントスペース
日時:2012年4月23日(月)〜5月12日(土)無休
   10時〜22時(最終日は撤収のため15時頃まで)
※もちろん無料です。自由にお持ち帰りいただけるおみやげも用意して置いて
ありますので、ぜひお持ち帰りください。

【つだ・じゅんこ】tsuda@graphicsha.co.jp twitter: @tsudajunko

デザインのひきだし・制作日記 < http://dhikidashi.exblog.jp/ >

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年ベスト・ブックデザインはこれだ/飛び出す! 動く! 3D印刷A to Z/連動
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本づくりの現場を訪ねた「デザインのひきだし」の連載をまとめた『本づくり
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■装飾山イバラ道[97]
リスに魅了された人々

武田瑛夢
< http://blog.dgcr.com/mt/dgcr/archives/20120424140200.html >
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ぶらりと花見をしようと、だんなさんと一緒に井の頭恩賜公園へ行った。まだ
桜は七〜八分咲きだったが、土曜日だったこともありとても混んでいた。お昼
頃に着いたら、青いシートを敷いて既にかなりの人たちがお花見をやっている。
いい場所を取るために、朝から大変な思いをした人が多いのがわかる。

井の頭恩賜公園は広いけれど、桜の真下にシートを敷けるところは激戦のよう
でどこにも空きはない。それどころか、川縁に並ぶ桜の木からだーいぶ離れた
奥の奥の民家の脇の方まで、シートを広げた若者でいっぱいだった。とにかく、
この場に座る場所があるだけでもといった感じだ。

花見と言えば上野恩賜公園も有名だけれど、個人的には上野の方はもうちょっ
と年配が中心のお花見という印象。今はどうだか知らないけれど、カラオケセ
ットで歌うビジネスパーソンや名物おじいさんが、酔っぱらっていい気分にな
っているような映像が浮かぶ。

井の頭恩賜公園は土曜日だったからかもしれないけれど、圧倒的に若い学生風
の集まりが多く、ハジけ方も若かった(上半身裸とか)。公園の柵に立ってバ
ランスを取りながらヨロヨロしてる若者が二人ほどいて、危なっかしくて見て
いられない(なぜか絶対に落ちない)。お花見の目立ち方って簡単だけど体に
悪そうである。

とにかくきれいな桜と平和な気分に浮かれた人々がセットとなって、春のムー
ドにどっぷり浸ることができた。その後、井の頭動物公園に行った。正式には
「井の頭自然文化園」で、有名なアジアゾウのはな子やモルモット、水鳥なん
かがいる。
ここは歩道橋を挟んで「本園」と「分園」に分かれている。お花見をしている
エリアに近いのはで「分園」で、オシドリなどの水鳥やフナなど魚がいる。公
園を見渡せばどこにもいるような感じの生き物だけれど、泳いでる姿を横から
見られるのは興味深い。

でも、やっぱり楽しいのは「本園」で、モルモットを抱っこできるコーナーや
猿山などもある、地味だけれど私にとっては十分過ぎる動物園だ。

・井の頭自然文化園
< http://www.tokyo-zoo.net/zoo/ino/ >

フェネックという、わたしの大好きなキツネがいるのも楽しみ。砂漠に棲んで
いる耳の大きなキツネで、最近ではペットにする人もいるらしい。でも、ここ
で一番のおすすめは「リスの小径(りすのこみち)」で、森を再現したような
木々や川などがあるリスたちのオリの中に、人間も入ることができるというも
の。もちろん入り口は二重扉になっていて、リスの逃亡を防いでいる。

中に入ると、見物客の足下をサーッと横切っては木に登り、くるみを食べるリ
スの可愛さにメロメロになる。オリの中にはかなりの数のリスがいるので、追
いかけっこしてるリスや、マイペースにのんびり過ごすリスたちを見ることが
できる。

・iPhoneで撮影したリス
< http://www.eimu.com/dgcol/ris.jpg >

ずっとリスの動きを見ていると、殻付きのくるみを持って来たリスが、木の根
の横の地面をホリホリホリッと両手で掘り始めた。くるみを素早く穴に入れる
と、パンパンパンッとまた両手で上から押さえている。

後で食べるつもりなのか知らないけれど、しぐさの一つ一つが可愛すぎるのだ。
テレビで見たことがあるようなシーンを、間近で見られて嬉しい。非常食を備
えるのは人間だけじゃないのね。

ディズニーのアニメでも、森のリスがなめらかに動き回るシーンがあるけれど、
本当にあんな感じでラブリーさ全開のリスたち。ディズニーの動きって、すご
くリアルで忠実なのだとわかる。パパパッと動いては数秒じっとして、すぐに
またいなくなるので目が離せなくなる。

しばらくすると、リスが先ほどのくるみが埋められた場所から手早くくるみを
掘り出し、持っていって食べ始めた。くるみを埋めたリスと同じだったかは、
みなそっくりすぎて確認できなかった。非常食というにはあまりにも消費が早
かったな。

残念ながら、リスは噛むらしい。ここのルール上でも手を出すことは禁止され
ていて、猫カフェのようには触れないのがもどかしいけれど、抜群の癒しスポ
ットであることは間違いない。カップルも家族連れもおじさんもおばさんも、
オリの中でけっこうな滞在時間を過ごしていた。リスに魅了されてしまうとい
う言葉が近いと思う。

いつかは猫を飼って、リビングにキャットタワーを置きたいと妄想していたけ
れど、リスと本物の木でもいいかもと妄想が変化した。ただ、あのリスたちが
本物の木だけを選んでかじるわけがないので、家具もボロボロになる覚悟が必
要かもしれない。タンスの隅に隠されたくるみを見つけたら、怒るどころか喜
んでしまいそうだけれど。

【武田瑛夢/たけだえいむ】eimu@eimu.com
装飾アートの総本山WEBサイト"デコラティブマウンテン"
< http://www.eimu.com/ >

リスのようにおやつにはくるみを食べているけれど、亜麻仁油も最近ブームだ
と言う。含まれている成分で重要なのは「オメガ3」という脂肪酸だ。植物や
肉から普通にとれる「オメガ6」に比べて、意識しないととれないのが「オメ
ガ3」なんですと。

青魚にも多いのでそれでもいいけれど、なかなか毎日青魚というわけにもいか
ないので、サラダに使える亜麻仁油やくるみが便利なのだ。亜麻仁油の方がく
るみよりもオメガ3が多いようなので、早く試してみたい。

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■おかだの光画部トーク[76]
金環食までいよいよ後一か月切りました

おかだよういち
< http://blog.dgcr.com/mt/dgcr/archives/20120424140100.html >
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2012年5月21日(月)、朝早くに日本の多くの地域で、太陽がリング状になる
「金環食」が観測できます。今回はその素晴らしい天体ショーの情報や、撮影
方法、注意事項などをお知らせします。

と言いつつ、一年前の5月24日の光画部トーク[55]で一度書いているので、
復習も兼ねてそちらも読んでみてください。
< http://blog.dgcr.com/mt/dgcr/archives/20110524140100.html >

さて、今回の金環食は、日本の多くの地域で観ることができます。特に千葉か
ら東京、神奈川、静岡にかけて、食の中心が通るので多くの人が長くリング状
の太陽が観ることができます。

中心食帯から外れている地域では、月と太陽が重なって太陽の周囲がリング状
になる金環食にはならないですが、太陽の大部分が欠ける部分日食が観測でき
ます。

地域によって時間は多少前後しますが、東京ではこうなります。
食の始め:6時19分
金環食の始め:7時31分
食の最大:7時34分
金環食の終わり:7時37分
食の終わり:9時2分

月曜日ですから、多くの人はちょうど朝の通勤の時間帯です。道路に立ち止ま
って観測するとかは危険なので、気をつけましょう。早めに会社に行って始業
開始まで、眺めのいい場所で観測するのがいいかもしれません。

位置的には、これも地域によって多少ちがいますが、金環食状態の太陽は、ほ
ぼ真東。高さは地平線から約30度の位置です。まだ朝7時半頃の太陽ですから、
都会ではビルに隠れて見えないかもしれませんし、田舎では山に隠れてまだ太
陽が出てきてないかもしれません。

予め、東側が開けて朝の太陽が見える場所を探しておくといいでしょう。東側
が開けて見晴らしがよさそうな場所を、Googleマップでだいたいのアタリを付
けて、できれば当日までに一度、同じ時間にロケハンに行っておくと安心でき
ます。

観測する際の注意事項ですが、まず絶対に肉眼で見てはいけません。肉眼で太
陽を見続けると永久的な視力低下や、最悪の場合は失明することもあります。
日食時に太陽を見続けることで「日食網膜症」という目の病気(網膜障害)を
発症することも多いそうです。

肉眼でダメならと、ガラスにろうそくなどを燃やしてススを付けたものを用意
したとか、サングラス持ってるからそれ使う、とか聞きますが、それもダメで
す。太陽観測用に「日食グラス」というものが売っていますので、それを用意
してください。日食一か月前の今、あちこちの量販店で特設コーナーが設けら
れています。

日食グラスを掛けたからって安心してはいけません。日食グラスを掛けた状態
でも、望遠鏡や双眼鏡で太陽を見ることは絶対にしてはいけません。網膜が焼
けてしまいますので注意。

撮影する場合は、一眼レフの場合、光量を減らすNDフィルターを用意してくだ
さい。太陽はものすごく明るいので、1万分の1に減光するものか、400分の1に
減光するのを2枚重ねて160,000分の1に減光するようにするか、いずれにせよ
通常の撮影では使わないような、専用のフィルターを買う必要があります。

iPhoneで撮影する用のグッズが販売されていました。NDフィルター付きの5倍
望遠レンズとアタッチメントと小さい三脚がセットになっています。
< http://amzn.to/JluUgF >

すべて全自動のコンデジは、これらのフィルターを取り付けることができない
ので、細工するなり工夫が必要ですが、自動では撮れないので自分で設定する
のは難しいでしょう。

昨年の記事でも触れましたが、直接太陽を撮らなくても、多くの人が日食グラ
スかけて上を向いている中、下を見て木漏れ日を撮影するのもおすすめです。
いつもとは違う、欠けた太陽や、リング状の太陽の形が、地面に浮かび上がっ
て面白いはずです。

JAXAのサイトで、「2012年5月21日『みんなで木もれ日を撮ろう』キャンペー
ン」をやっていますよ。木漏れ日フォトを撮影する方法など、詳しく説明が載
っています。
< http://edu.jaxa.jp/komorebi/ >

お子さまと一緒に観測するのは、こちらの方が安全ですからむしろいいかもし
れません。

参考になるWebサイトのURLを紹介しておきますので、あとひと月、たっぷり予
習して、さらに各自の朝の予定に合わせた観測場所をリサーチして、当日焦ら
ないように準備しておきましょうね。そして、みんなで晴れるようにおまじな
いしましょう!

国立天文台 金環日食特設コンテンツ
< http://naojcamp.mtk.nao.ac.jp/phenomena/20120521/ >

金環日食の解説動画
< http://youtu.be/MZHpKc6Q6KU >

日食ナビ
< http://eclipse-navi.com/ >

日食グラス(Amazon)
< http://amzn.to/JE4dhQ >

太陽撮影用NDフィルター(Amazon)
< http://amzn.to/Ji7Qx7 >

月刊星ナビ2012年05月号(Amazon)
< http://amzn.to/JEcWAI >

金環日食2012(Amazon)
< http://amzn.to/I3b75k >

【おかだよういち/WEB&DTP デザイナー+フォトグラファー】
< http://s-style-arts.com/ > < mailto:okada@s-style-arts.com >
< twitter:http://twitter.com/okada41 >

Adobe Creative Cloudがようやく発表されました。年契約で5,000円/月です
べてのアプリが使えます。MasterCollectionをアップグレードしていたので、
こちらに乗り換えます。
< http://www.adobe.com/jp/products/creativecloud.html >

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
編集後記(04/24)

●いままで何度も書いて来たことをまた。JDN/ジャパンデザインネットのメル
マガ「COMPE WEEKLY」に掲載されていた、9つの写真コンテストの応募要項を
見て驚いた。なんと8つのコンテストが著作権に関して不適切な表記になって
いた。たとえば、「入賞作品の使用権・著作権は、すべて主催者に帰属し、応
募作品は返却いたしません。また、入賞作品は展示会や主催者作成の印刷物や
媒体に掲載する事があります」「入賞作品の版権(展示・広報・出版物への掲
載等)は、主催者に帰属します」「入賞作品の著作権は主催者側に帰属し」
「応募作品は、主催者の全ての広報活動で使用できるものとします」とある。
嗚呼。応募した作品や入賞作品の著作権は誰に帰属するのかなんて、作者に決
まっているではないか。主催者が勝手に帰属云々をいうのは大間違いである。
また、版権なる文言はいまでは法的にも存在しない。

一番問題がある応募要項はこれだ。ある会社が商品にまつわる「きずな」をテ
ーマにしているのだが、「著作権の扱い 全て主催者に著作権を譲渡」とある。
詳しい応募規定を見ると、続々と怪しげな記述が。「応募作品の版権、使用権
は当社に帰属し、応募作品は雑誌や広告、当社ホームページ、会社案内等の各
種媒体への掲載などに使用する可能性があります。また掲載する際、トリミン
グ加工などをさせていただく場合があります」とある。「入賞作品の」ではな
く「応募作品の」である。応募した時点で、作品はこの会社のものになるとい
うことだ。さらに、「応募者は、応募の時点で応募要項に同意したものとしま
す」と入念な記述。さらにさらに、「本応募要項に明記されていない事項につ
いては、全て主催者に決定権を持つものとします」と用心深い。コンテストと
称してはいるが、これは自社商品関連のイメージ写真データを無料で集めるし
かけではないのか。分かってる人は近づかないとは思うがご注意。 (柴田)
< http://www.jpca.gr.jp/about/topics/photocon_guideline.html >
日本写真著作権協会 「応募要項」の範例 参考にしなさい!

●Adobe Creative Suite 6の発売が5月11日に決まり、慌てて5.5のアップグレ
ードパッケージを購入。これは6への無償アップグレードがついている。持っ
ているのは5。6からはDesign Premium(DP)とWeb Premium(WP)が合体して
くれて助かる。いつもInDesignのためにDPを買う。WPに使ってみたいソフトが
あったりしたが、古いバージョンを保管しておかないといけないのは現場にシ
ビアなInDesign。使うのは年に1回程度なんだけど。Creative Cloudが初年度
のみ月3,000円と書かれてあって悩んだ。旧バージョン所持のために今回はパ
ッケージにしたが、正直なところ早まったかも。現場で使用するInDesignのバ
ージョンが6で統一されそうな気がしてきたのだ。Creative CloudならDigital
Publishing Suiteがあるし、オンラインサービスも使える。Webサイト制作系
のお仕事だと、新しい機能が追加されたパッケージを待つよりは、対応が速そ
うなCloudの方がいいかもかも。新しく発表されるソフトも使えるようになる
んだし。/アップグレードしたいのは、DreamweaverとInDesign。/無料メン
バーだとファイル同期および共有機能、2GBのストレージ、無料のアドビサー
ビスなど。/インストール時、ライセンス認証時、およびその後少なくとも30
日ごとに1度は、インターネットに接続する必要がある。/製品自体の提供が
なくなったら、「最新バージョン」を無料でダウンロードできる期間を90日間
以上設けてくれるが、メンバーがいつでも旧バージョンにアクセスできるって
わけではなさそうだ。                  (hammer.mule)
< https://creativecloud-specialoffer.adobe.com/special-offer/ >
Cloudへの切り替え、8月末までなら初年度月3,000円
< http://www.adobe.com/jp/products/creativecloud/faq.html >
当面はCS6とデスクトップ上にある以前のバージョンのCreative Suiteが共存
< http://www.adobe.com/jp/joc/ccevent/ >
本日13時から16時。発表イベントライブ配信。要Facebookアカウント
< http://www.adobe.com/jp/joc/adc/meetup/round05/ >
5/19に品川グランドホール
< https://www.info-event.jp/adobe/pscs6/pre/entry.asp >
6・7月に名古屋、大阪、福岡、東京で

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発行   デジタルクリエイターズ < http://blog.dgcr.com/mt/dgcr/ >

編集長     柴田忠男 < mailto:shibata@dgcr.com >
デスク     濱村和恵 < mailto:zacke@days-i.com >
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2012年4月23日月曜日

日刊デジクリ[#3253] やったよー「まにまにフェスティバル」

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          《関西、頑張っていこー》

■エンドユーザー大変記[24]
 ギャル目線から見る(?!)テクノロジーの未来
 ジョニー・タカ

■クリエイター手抜きプロジェクト[315]Photoshop CS3〜6編
 100枚の画像のサムネールを作成し1枚にまとめる
 古籏一浩

■4/14「まにまにフェスティバル」やっちゃうよー[06]
 やったよー(後編)こんなこと思ってたの
 川合和史@コロ。

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
■エンドユーザー大変記[24]
ギャル目線から見る(?!)テクノロジーの未来

ジョニー・タカ
< http://blog.dgcr.com/mt/dgcr/archives/20120423140300.html >
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前回のテキストを上げる際に、近況の欄に書こうと思ったのだが、あえて掘り
下げてみようと思った記事。

◇女の子が選ぶAndroid端末とは? アキバ系Android女子会【前編】(ASCII)
< http://ascii.jp/elem/000/000/674/674398/ >

外観がカワイイこともそうだが、最も重視されていたのがインカメラの性能で
ある。つまり自分撮りがどれだけ手軽に、更にキレイに撮れて、その写真をデ
コれるか、というところに重きを置いていた。すなわち、プリクラの延長線上
である(タッチペンが欲しい、という意見が多かったのがその証左)。

スマートフォンに適したタッチペンは豊富に出ているし、更にGalaxy Noteと
いう、タッチペンつきまで出てしまった。
< http://www.nttdocomo.co.jp/product/next/sc05d/index.html >

現物を見てきたが、確かにB6サイズぐらいのメモと言えるサイズだ。この大き
さでは、女性が使うにはちょっと厳しいかもしれない。

あと、日本では思ったほどテレビ電話を使うことがなく、インカメラの性能は
なおざりになっている印象がある。だが、インカメラの性能を上げるとなると
どうしてもバッテリー食いという問題が生じる。

ちょうどこの記事を見た後に、関連する意外なニュースが飛び込んできた。

◇カシオの"仲間撮り"デジカメ「EX-TR150」、発売日前に販売終了
(ITmedia デジカメプラス)
< http://camera.itmedia.co.jp/dc/spv/1204/13/news101.html >

◇カシオの不人気デジカメが台湾や中国で大ブレイクした理由
(NIKKEI TRENDY NET)
< http://trendy.nikkeibp.co.jp/article/pickup/20120316/1040085/ >

◇CASIO EX-TR150
< http://casio.jp/dc/products/ex_tr150/ >

自分撮りをするのは、あくまでも自分自身や限られた友人に限る日本に対し、
自分撮りして積極的にソーシャルに公開するアジア圏という、文化の違いだけ
でこんなに売れてしまうものなのか、と思う。

余計な機能を思い切り削ぎ落として、先鋭化かつシンプルにすれば発売前に予
約で売り切れる事態にもなってしまう。

ちょうど『ガイアの夜明け』を昨日(4/17)見たのだが、アジア圏で売れる製
品はシンプル、安い、メンテナンスフリー(この場合は、部品を共通化して修
理・調達がしやすいという面も含む)であること知った。

更にEX-TR150の場合、「中華圏の場合、他人より高いものを買うのがステータ
ス」らしいので、実勢価格が日本円で3万円前後なら確かに高い部類だ。十分
ハイエンド機に匹敵する値段で、少し足せばミラーレスが買える。

《参考》
◇山谷剛史の「アジアン・アイティー」:中国人が「携帯電話で撮影しない」
理由(ITmedia +D PC USER)
< http://plusd.itmedia.co.jp/pcuser/articles/0904/13/news085.html >

この場合、更に"適正価格"というおまけも付く。そこの需要をきっちり量る
メーカーは海外でも通用する。主要電機メーカーがここまで大赤字を叩きだし
た以上、浮上するきっかけは意外や意外、シンプル・イズ・ベストなのかもし
れない。

もちろん、iPhoneやAndroidで充分事足りることはわかるのだが、更に一手間
かけて見せたいという場合、プロセスがシンプルであることが大前提になる。

私が某カメラ会社勤務時代に、モックアップの製品レビュー時に意見を求めら
れ、「もうちょっとカラバリがあれば面白いと思います」と言ったところ、社
員から「金がかかるしラインもいるだろ」と却下された。それから9年、非常
に隔世の感がある。その社員が今どうなってるか、当然知る由はない。

【ジョニー・タカ】johnnytaka32(a)gmail.com

1976年、横浜・関内で生まれ、上州と越後の風を受けて育ち、来世でもFUNKを
踊り続けるフリーランサー。ヴァーチャル・キャラクターに曲を付けて選曲を
展開する"コンピレーション"を1998年から行っている。2012年はようやく発売
されたPSPソフト『フォトカノ』のコンピレーションを展開予定(と言っても
勝手にやってるだけです。それを続けて14年目)。PS3でも『THE IDOLM@STER2』
が発売されたので、そちらの選曲作業も始めてます。
< http://music.ap.teacup.com/cafedejohnny/ >

日常ブログ < http://ameblo.jp/johnnytaka/ >
ツイッター < http://www.twitter.com/johnnytaka1962/ >

○邪道である以前に初期保証が切れることは重々承知であるが、パーツをちょ
ぼちょぼ買っていこうと思っている。Windows8の概要が発表されただけに、そ
れを視野に見込んだことも考えている。

一番美味しいと思っているのは、MSがよくやる"Windows8アップグレード権付
き"Windows7購入。ただWindows8については、PCよりむしろタブレットの方が
本来のポテンシャルが出るような感じがしている。

・Microsoftの「Windows 8」、製品エディションは4つに(ITmedia)
< http://www.itmedia.co.jp/news/articles/1204/17/news027.html >

○TwitterCEO、ディック・コストロ氏来日の裏でこんなことが…
・Twitterを「日本から世界へ」 CEO来日の狙い(ITmedia)
< http://www.itmedia.co.jp/news/articles/1204/16/news094.htm l>

・【ホモォ…】Twitterで謎の生き物が大量繁殖中【ホモォ…】(ねとらぼ)
< http://nlab.itmedia.co.jp/nl/articles/1204/17/news128.html >

まったくもって日本人の想像力は大したもの、と言うしかない。これがコンテ
ンツを生み出す原動力、なのか?

○Anonymousのハッカー、逮捕される──手がかりはガールフレンドのバスト
写真(CNET Japan)
< http://japan.cnet.com/news/offtopic/35016249/ >

実に間抜けな話だ。ブラックハッカーの癖にプライベート空間で写真をソーシ
ャルにアップロードする時にはGPSを切る、ということを忘れていたようだ。

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
■クリエイター手抜きプロジェクト[315]Photoshop CS3〜6編
100枚の画像のサムネールを作成し1枚にまとめる

古籏一浩
< http://blog.dgcr.com/mt/dgcr/archives/20120423140200.html >
───────────────────────────────────
今回は、フォルダ内にある100枚のJPEG画像のサムネールを作成し、1枚にまと
めるスクリプトです。実際のサンプルとしては、以下の画像になります。

< http://footage3.openspc2.org/sozai/manga/castle/nagano/matsumoto/20120311-1.jpg >

サムネール画像のサイズは64×64で、それらが縦横10×10枚並びます。ちなみ
に、漫画/アニメ用の背景用資料として撮影してきたものをまとめて、わかり
やすくするために作成したスクリプトです。

漫画/アニメ背景用資料写真
< http://footage3.openspc2.org/sozai/manga/ >

写真はカシオのデジカメEX-ZR100の、アート風にしてくれる機能(HDR ART)
を利用して撮影しています。

EX-ZR100
< http://casio.jp/dc/products/ex_zr100/hdr/ >

漫画を作成するソフトであるコミPo!であれば、これらの素材を読み込んで利
用できますし、さらに漫画っぽい背景にする機能を使えば、キャラクタとなじ
むと思います。


(function(){
var folder = Folder.selectDialog("フォルダを選択してください");
if (!folder){ return; }
var saveUnit = preferences.rulerUnits;
preferences.rulerUnits = Units.PIXELS;
var docObj = documents.add(640, 640);
var fileList = folder.getFiles("*.jpg"); // JPEGのみ処理
var count = 0; // 参照するファイルの位置を示す
for(var y=0; y<10; y++){
for(var x=0; x<10; x++){
app.open(fileList[count]);
app.activeDocument.resizeCanvas(3648+30, 3648+30, AnchorPosition.MIDDLECENTER);
app.activeDocument.resizeImage(64, 64); // 64x64サイズに画像を縮小
app.activeDocument.selection.selectAll(); // 全てを選択
app.activeDocument.selection.copy(); // コピー
app.activeDocument.close(SaveOptions.DONOTSAVECHANGES);
var selReg = [ [x*64, y*64],
[x*64+64, y*64],
[x*64+64, y*64+64],
[x*64, y*64+64],
[x*64, y*64]];
docObj.selection.select(selReg);
docObj.paste(true);
docObj.selection.deselect();
docObj.flatten();
count++;
if (count >= fileList.length){
preferences.rulerUnits = saveUnit;
return;
}
}
}
preferences.rulerUnits = saveUnit;
})();


【古籏一浩】openspc@alpha.ocn.ne.jp
< http://www.openspc2.org/ >

ようやく、梅も桜も咲きました。例年よりも、かなり遅い状態ですが、暖かく
なれば一気に咲くようです。カメラはあれど、撮影に行く時間が減って、なか
出かけられません。

インプレスジャパンから出版されている「Google API Expert」シリーズが電
子書籍化されました。期間限定で6点セットだと安くなってます。

・達人出版会 - Google API Expertシリーズ電子書籍版 -
< http://tatsu-zine.com/api-expert >

・毎度おなじみASCII.jpの連載
「ブラウザーにファイルを残せるFile system APIの使い方」
< http://ascii.jp/elem/000/000/686/686064/ >

・AndroidのためのHTML5本格アプリ開発【発売中】
< http://www.amazon.co.jp/dp/4897978971/ >

・新標準HTML5 & CSS3辞典【発売中】
< http://www.amazon.co.jp/dp/4844331752/ >

・Google API Expertが解説するHTML5ガイドブック
< http://www.amazon.co.jp/dp/4844329278/ >

・改訂5版JavaScriptポケットリファレンス
< http://www.amazon.co.jp/dp/4774148199 >

・10日で覚えるHTML5入門教室
< http://www.amazon.co.jp/dp/4798124184 >

・ハイビジョン映像素材集
< http://www.openspc2.org/HDTV/ >

・クリエイター手抜きプロジェクト【2011年分まで用意しました】
< http://www.openspc2.org/projectX/ >

・Adobe Illustrator CS3 + JavaScript 自動化サンプル集
< http://www.openspc2.org/book/PDF/Adobe_Illustrator_CS3_JavaScript_Book/ >
吉田印刷所の「印刷の泉」でも購入できるようになりました。

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
■4/14「まにまにフェスティバル」やっちゃうよー[06]
やったよー(後編)こんなこと思ってたの

川合和史@コロ。
< http://blog.dgcr.com/mt/dgcr/archives/20120423140100.html >
───────────────────────────────────
……ども、デジクリ6度目の登場、川合です。(ぺこり)
これで、まにフェスについては最後になる予定です。

前回、延べ来場者数が1,000名弱って書きましたが、1,000名ちょいでした。ほ
んと多くの方にご来場いただけ嬉しかったです。ありがとうございました。デ
ジクリでの紹介記事を読んでくれてた人もいて、迂闊なことは書けないなとド
キッとしたりもしました。(笑)

さて、最終回となる今回は、やっぱりまたイベント内容のことはさておいて、
どんな風に企画を考えていったかについて少し。

前回のデジクリで、まにフェスは元々予定していたイベントが流れたので、あ
たためていた企画を引っ張り出してきて突っ込んだ、と書きましたが、「元々
予定していたイベント」と「あたためていた企画」の両方の要素が入り交じっ
た感じになっています。大枠の部分としては、後者かな。

毎回付き合って読んでくださっている方はご存じかも知れませんが、うちの
「まにまにカレッジ」は、セミナーイベントを学校に見立てたものでして、
「学校なら文化祭や体育祭も」というのが「まにまにフェスティバル」で。

今回の「まにフェスP1」は、そのうちの文化祭のイメージです。文化祭といっ
ても、元々がセミナーイベントなので、その要素はそのまま残して、そこに展
示を組み合わせました。飲食物を扱うのはちょっと難しいので、出店的なもの
はせいぜい物販とかゲームとかくらいかなと思っていたので、そういう意味で
は、割とイメージ通りの感じに。実際、ろくに趣旨の説明もしないままだった
のに、出展者の皆さん、ありがとうございました! 中でも忍者コスプレで臨
んでくださったファーストサーバさんバンザイ!

セミナーと展示を、という組み合わせは、元々あの大阪産業創造館という会場
の作りありきで考えていたもので、その原型は2005年にあそこで、アニメ作家
のルンパロこと左山誠さんとやった「JAWACON2005」でした。

あれはウェブアニメのイベントだったので、4Fホールは上映会でしたが。ちな
みに、村岡正和さんとはその時からのお付き合いだったりします。あの会場で、
そういうことをしたいな、というのが大枠としてありました。
< http://jawacon.net/jawacon2005/ >  JAWACON2005

「元々予定していたイベント」の要素は、4Fのセッション、特に後半の、クリ
エイターズセッションに強く出ています。(Web)クリエイターにとって大き
な刺激になる話を色々と聴ける場を作りたい、という希望があって、クリエイ
ター代表で、一緒に企画していた秋葉さんがピックアップされた方々を中心に
ゲストをお招きしました。

それらを骨組みに、私がやりたかったことを全体に織り込んでいきました。ひ
とつは「呉越同舟」のイベント。ずっと前から時々周りには話していたのです
が、世間的には競合にあたる企業さんを、一所に集めて絡ませたかったんです。
それも産業フェア的なものではなく、コミュニケーションを取るような形のも
のを。

4Fの、ブラウザベンダーさん5社に集まっていただいたのが分かりやすい形で
すが、3Fでも、サーバー会社さんが3社、人材会社さんが2社、協賛入れれば人
材会社さんも3社関係していただいています。当日居合わせた方はご存じだと
思いますが、サーバー会社さんたちには、撃墜王ゲームで「どのサーバー会社
が一番(撃墜王ゲームで)強いか」を競っていただき、KDDIウェブコミュニケ
ーションズさんが、ファーストサーバさんと、フューチャースピリッツさんを
押さえて、見事勝利されました。(笑)

競合としての本来の戦いは、普段、市場でやっていただければいいことで、そ
の上で、その市場で戦い抜いてこられている各社が、どのような強みを持って
サービスを提供されているのかを、それぞれから幅広く、受け手の制作者に伝
えてもらうことが、全体にとっていいことなんじゃないかなと。

で、そんな企画、うちみたくどこの利害に与しても大差ないような弱小が持ち
かけるからこそ、乗っていただき、実現できる話だと思っていて、よそにはな
かなか真似できない面白さも見せられるんじゃないかと。

もうひとつ、これは競合他社でなく、私たちが主軸を置いているWebと、関わ
りの深い色んな業界をできるだけごちゃまぜに巻き込みたかった。

ちょうどオープンステージの一発目、秋葉ちひろさんと赤井さんが話したアプ
リ開発の話が、デザイナーとエンジニアの協力、という話でしたが、そんな隣
り合わせのような業界でも、お互いに知らないことだらけで、なかなかスムー
ズに連携が取れないことが多く、その一方で、Webは、プラットフォームとし
て色んな形で利用され、せめて周辺業界とくらい、もっと互いに知り合ってお
かないと、まとまる話もまとまらないことが多く出てくる。

というか、でてきてる。大きな案件の場合、代理店がそこは吸収してくれると
思いますが、特に関西では、なかなかそこに頼ってばかりもいられない現状も
あって。

イベント一本でどうこうなる話でもありませんけど、とりあえず自分の周りだ
けでも、知り合う程度でも知り合ってもらえれば、そこから何か新しい話に転
がる可能性だって出てくるんじゃないかと、広くIT系からキャラクタービジネ
ス系、業界団体系など、普段私がお付き合いのある狭い範囲でですが、協力を
お願いしました。開催後いくつか、それが奏功したような話もちょこっと聞こ
えてきたりもして、嬉しかったり、安堵したり、そんなこんなでした。

だいぶ長くなってきましたが、最後にもう一個。

色んなこと思って開催したイベントですが、根本の部分でもうひとつ、「関西
でも、手弁当レベルでも、これくらいの中規模イベントならば開催できるし、
地味ながらも意外と影響力も発揮できるんだよ」って、他の地域、特に東京に
向かって見せたかったというのがありました。

付け加えるなら「だから、無視しないでね」と。

来場者数のゼロをひとつ増やせたら「関西なめんな!」くらいは、言いたいと
ころなんですが、まあ、遠く及ばないので控えめに。(笑)
どうしても国内では東京がフィーチャーされ、それが全てといった感が、僻み
も込みですが、感じられて。ちょっと虚勢も張ってみたかった。

規模ではとうてい敵いませんが、「関西らしさ、大阪らしさ」という、その点
では、東京ではなかなか見られないイベントの形を示すことができたかなって、
これはちょっとくらいは興味をひけたんじゃないか、一矢くらいは報いたんじ
ゃないか、って思っています。

そんなこんなで、実際、まにフェス話は尽きないくらいに色々あるのですが、
本当に尽きないのでこれくらいで終わりたいと思います。もし、もっと聞きた
いという奇特な方がいらっしゃいましたら、そのうち、ご飯にでも誘ってくだ
さい。ほいほい出向きます。

また、今回書いたようなことは常々何らかの形で表に出していく機会を窺って
いますので、今後のイベントにも注目してみてください。いつも隙あらば随所
にちりばめていっていますので。

それでは皆さん、改めてありがとうございました!

・まにフェス、参加された方も、参加できなかった方も、こちらをまた是非。
< http://m2.cap-ut.co.jp/fes/ >
開催報告を近日更新。それからしばらく更新が続きます。

・ルンパロさん
< http://rumparo-tita.jp/ >

【川合和史/合同会社かぷっと 代表】
< http://cap-ut.co.jp/ > < koro@cap-ut.co.jp >
< http://twitter.com/cap_ut > < http://www.facebook.com/caputllc >

さて、今週、来週はまた秋葉さんとCSS Nite in OSAKAです。
< http://osaka.cssnite.jp/ >
来月5/12は(私は関わっていませんが)PHPカンファレンス関西2012です。
< http://conference.kphpug.jp/2012/ >
再来月6/30は、Firefox Developers Conference 2012 in Osakaです。
< http://mozilla.jp/events/devcon/2012/osaka/ >

関西、頑張っていこー。

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
編集後記(04/23)

●映画DVD「東京原発」を見た。たまたま図書館のライブラリーをチェックし
ていたらこのDVDを見つけた。2002年制作、2004年の公開だが、2012年の今見
ても古くない。むしろ今こそ見るべき映画だと思う。

カリスマ東京都知事が、副知事と5人の局長を招集した臨時緊急会議の席上、
「東京に原発を誘致する」と爆弾発言、会議室は騒然となる。知事はフリップ
を用いておざなりな説明をしたあとは、局長たちのあーでもないこーでもない
の喧々諤々を余裕で聞き流している。副知事ひとりを除き、各局長らの原発に
対する知識はじつにお寒いものだが、まあ無関心な人達はこんなものだろう。
やがて彼らの右往左往は、都知事に迎合追従する雰囲気に変わって行く。

そこに、副知事が急遽呼んだ原発反対派の大学教授が現れ、彼のレクチャーを
全員で聞くことになる。教授は淡々と原発の現状を説明し、素人な質問にもて
いねいに答える。この反原発理論は初歩的な範囲を超えるものではないが、こ
れまで原発に無関心だった人にとってはかなり衝撃的な内容だと思う。都知事
は廃棄物の処分について問われると、あっさり「そんなものは国の仕事だよ」
とうそぶく。

ふたたび原発誘致に懐疑的になる彼らだが、やがて知事の強引な原発誘致推進
の真の狙いを知ることになる。これがこの映画の核心だ。ここまでの会議室コ
メディは、個性的な俳優たちがコミカルに演じていて飽きさせない。だが、お
もしろいのはここまで。プルトニウム燃料を積んだトラックが、爆弾マニアの
少年に奪われ、東京壊滅の危機というサスペンスに転じてからのドタバタは、
腹立たしいくらいヘタクソ。会議室だけで終始すれば画期的なインテリジェン
ス・コメディ(?)になったかも。この映画はいまこそテレビで放映すべきだ
ろう。政府は「やらせね〜よ」と言うに決まっている。      (柴田)
< http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B0007TKPQS/dgcrcom-22/ >
→アマゾンで見る(レビュー21件)
< http://www.youtube.com/watch?v=cP_HxcFRnOw >
ハイライトシーン(教授レクチャー)

●「女子」「女の子の」とあると、わかんないぜ、と言いたくなる。Googleが
ブラウジングから推定する属性だって、25〜34歳の男性らしいし。一番興味の
あるアプリはスケジュールやToDo系だったりするし。先日、女子会に参加した
が、みーんな変態だった。全員がiPhone、Android、iPadのいずれかを所持。
お店に無線LANのあることを知ると設定するし、撮影画像をアップ。壁に設置
されているノートパソコンのトラックパッドまわりから、パナのレッツノート
だと指摘する人がいれば、皆でほんとだほんとだと騒ぐ。丸められるキーボー
ドがあると、どよめく。わかっても理解してもらえないと思っていれば指摘は
しないし、指摘して全員が騒ぐことも稀だろう。巷での共通言語的「女子」の
枠で言うと、はみ出している(性欲ではないが)変態たちだ。新しい技術やサ
ービスにもアンテナが強い。かと思えば、食事の話やアウトドア、スポーツの
話をしたり。

サムネールを作成し1枚にまとめるスクリプトを使いたい。まにフェスの画像
が約500枚。選定にAdobe Bridgeを使っているが、他のアプリも立ち上げてい
て、非力な私のマシンでは重くてかなわない。/ADCCさんの犬の着ぐるみも人
気だったなぁ。展示ブースが思いのほか面白く、私が参加者だったら、メーカ
ーさんにサービスについて、とことん聞いていたはず。聞きたいことが聞ける
機会はありそうでないなぁと。ブースによってはマンツーマンセミナーっぽか
ったり。人酔いするし、交通の便が悪い場所でしかやらなかったりで、展示会
にはあまり行かないのだけれど、今後はもうちょっと行ってみようと思ったぜ。
                            (hammer.mule)

■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■
発行   デジタルクリエイターズ < http://blog.dgcr.com/mt/dgcr/ >

編集長     柴田忠男 < mailto:shibata@dgcr.com >
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