2012年2月29日水曜日

日刊デジクリ[#3216] 人の視点、神の視点

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【日刊デジタルクリエイターズ】 No.3216    2012/02/29.Wed.14:00.発行
http://www.dgcr.com/    1998/04/13創刊   前号の発行部数 10037部
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         《フリーランスの特権は朝寝と昼寝》

■ユーレカの日々[09]
 人の視点、神の視点
 まつむらまきお

■グラフィック薄氷大魔王[292]
 Firewire400と古いHDD、など小ネタ5題
 吉井 宏

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■ユーレカの日々[09]
人の視点、神の視点

まつむらまきお
< http://blog.dgcr.com/mt/dgcr/archives/20120229140200.html >
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「世界ふれあい街歩き」という番組がある。NHKで放映されている紀行番組だ
が、この番組が好きで、見たり録画したりしている。地味な番組なのであまり
知られていないかと思っていたら、学生などに聞くと案外、「あ、あれ好きで
す」という言葉が返ってくる。

ぼくが見だしたのはここ3年ほどだが、2006年からやっていて、年末年始にま
とめて再放送したり、DVD-BOXが何巻も発売されているところを見ると、なか
なかの人気番組らしい。

最初のうちは「なんか、臨場感があるなぁ」とぼーっと見ていただけだが、意
識して見だすと、その「臨場感」が巧妙な演出によるものだということがわか
ってくる。

まず、特徴的なのが映像とナレーションだ。「街歩き」ではレポーター(旅人)
というキャラクターは設定されるが、それは声のみの出演で、画面には登場し
ない。そのかわり映像=カメラの視点はレポーターの視点(一人称)として設
定される。

カメラが地元の人をとらえ、レポーターの声が「これはなんですか?」と問い
かける。すると相手はこちらを見て「今朝とれた魚だよ。うまいよ」と答える。
カメラが上を向けばナレーションで「わぁ、高い塔がある。どこから昇るのか
な」といった具合に、カメラの視点とナレーションが画面に登場しない人物を
演じるのだ。

歩く場所も観光名所ではなく、路地や市場など、あくまでも旅人視点。撮影は
ステディカムを使っての移動撮影で、道を歩くのはもちろん、店内に入ったり、
階段を上ったり、狭い路地へ迷い込んだりという様子がすべて、一人称視点で
描き出される。

また、約1時間の番組の中で流れる時間は、多くても半日程度。時間も距離も
いきなり飛ぶことはなく、じっくりと「街歩き」を再現してくれる。

ナレーションも観光ガイド的な内容ではなく、街歩きの最中に見かけたことに
ついてなので、見ていると本当に自分自身がその街を一人散策しているか、友
人と一緒に歩いているような気分なのだ。ナレーションは矢崎滋、桂文珍など
有名人があてているが、お気に入りは牧瀬里穂。デートしているような気分に
なれる(笑)。

レポーターと書いたが、実際にナレーションを行なっている人が現地に行って
いるわけでない。すべて友人や恋人と散策しているような気分にさせるための
演出として、映像にあとからナレーションをつけている。番組だけを見ている
と、ゆるく地味な番組なのだが、よく考えてみると随分と凝った作りである。

さて、この番組の最大の特徴である「主人公が出てこない一人称映像」は、特
別珍しいというものではない。もともと、カメラというのはカメラマンの一人
称映像だ。

しかし、世の中の映像全般を見ると案外、一人称で構成されるケースは少ない。
もともと映像が一人称的なのに、映像作品になるとそれがほとんど見られない。
考えてみればフシギな気がする。

もともと人称というのは小説の作法だ。主役がすべて語るのが一人称、語り手
がその物語世界に登場しない、いわば神の視点で語られるのが三人称だ。

小説では全編通して「ぼく」「わたし」という一人称で書くことは珍しくない。
「僕は電車に乗り込み、混雑している車内で彼女の姿を探した。」といったよ
うに、主人公の視点で出来事とその時の気持ちや知識が同時に描かれる。おか
げで、読者は主人公と同化し、出来事を体験することになる。

その同化効果はかなり強烈だ。村上春樹の小説を読んでいると、普段の思考も
ついつい村上春樹の文体になったりする。別に言語化して考えなくてもいいの
に「空が青いと僕は思った」など無駄に言語化して考えてしまう。現実世界で、
他人の考えが自分の頭に流れ込んでくるなんてことは有り得ない。小説の面白
さはまさに、この同化、憑依感覚だろう。

このようなコラムでもやはり人称は重要だ。「ですます」調で書くよりも、こ
のコラムのように「である」調の方が、より筆者の思考に近い気がする。

これに対して、映画やテレビドラマでは三人称、神の視点が基本だ。主人公の
行動、脇役の行動、全体で起きていること、それらが客観的に描かれていく。

時折、登場人物が見ている一人称視点の映像(クローズアップショット)が挿
入され、それにより、登場人物がなにを見ているのかが説明される。次にその
人物の表情が繋げられ、その人物がそれを見てどう感じたのかということが伝
わる。

映画編集の基本「モンタージュ」は、このように一人称映像と三人称映像を交
互につなぐわけだが、全体としては客観的な三人称映像による状況説明が主体
だ。客観的な映像も、そこにいる誰が見ているのか、だれが知り得る状況なの
かを常に意識して撮影されるが、それでも主役が画面に登場しないということ
はあり得ない。

では、映画のもうひとつの要素、音はどうだろうか。画面には登場していなか
ったり、登場していても映像としてはしゃべっていないのに、その人物の声で
セリフをしゃべる場合がある。「モノローグ」といわれるものだ。

「世界ふれあい街歩き」は、全編このモノローグで構成されているわけだが、
映画でモノローグが使われるのはかなり限定された状況だ。導入部や回想シー
ンで一人称的に語られる(「わたくし、山田奈緒子は超売れっ子美人マジシャ
ン…」「姉さん、また事件です…」など)ことはあっても、ドラマ全体が一人
称というのはほとんどない。

「ブレードランナー」の劇場公開バージョンでは、主人公のつぶやき「俺はブ
レードランナー。元警察官…」といったモノローグではじまる。これは、映画
会社から「内容がわかりにくい」という指摘から、後で付け足したものらしい。

しかし、説明的な独り言は、ハードボイルド小説の雰囲気は出るものの、いさ
さか白けてしまい、その後のディレクターズカットでははずされた。その他だ
と、邦画やアート系の小品にありそうな気がするが、圧倒的に少ないのは確か
だろう。

小説が一人称を使って、主人公との同化効果を得ているのに、映画ではそれが
使われないのはなぜだろう?

マンガやアニメはどうだろうか。マンガは基本、映画同様に客観的な視点で状
況が描かれるが、映像よりも一人称度が高い。複数の人物のモノローグが入れ
替わり立ち替わり使われるケースは珍しくない。

これは動かない絵による表現を補うためだ。どうしたって、生身の役者の演技
と同等の表現を絵で行うには限界があるから、モノローグを使ってそれを補う
のだ。

複数の登場人物の心の声がわかってしまうのは、ドラマとしては反則。もし小
説で主人公以外の登場人物が勝手にモノローグで考えを表現しだしたら、読者
は大混乱になるだろう。

だが、マンガだと客観的な画面があるせいか、意外と混乱せずに読める。特に
少女マンガでは主人公の気持ちを表現するのにモノローグが多用される。一人
考えている場面はもちろん、たとえば彼氏と出会った瞬間、心の声で「かっこ
いい!」という風に、いたる所でモノローグが添えられ、全体として主人公の
気持ちを軸に語られる。

そのおかげで、そういった少女マンガを読むという体験は、映画というよりは
小説を読むのに近い、主人公との同化感がある。

マンガ原作のアニメでも、モノローグが多用される。実写映画とは随分対照的
だが、これもキャラクターに芝居をさせるのに手間暇がかかることから、積極
的に取り入れられてきた手法だろう。

映像的な違いではなく、映画としてもどうしてもアニメがマンガ的に感じられ
るのは、モノローグや独り言といった説明的なセリフに頼らないと、表現が成
立しない点にあるように思える。

ゲームはプレイヤーが操作するという意味で、徹底して一人称だ。プレイヤー
のキャラクターが画面上に登場する場合が多いが、それは操作性という問題が
あるからだろう。自分がなにもしなければ画面上ではなにも起きない以上、ゲ
ームはビジュアルがどうであろうと一人称的にならざるを得ない。

言うまでもなく、一人称の面白さは疑似体験だ。小説でもゲームでも、自分自
身がその仮想世界にどっぷりと入り込むことができる。しかし、映像の一人称
には決定的な弱点がある。それは「主人公のキャラがたてられない」というこ
とだ。

画面に主人公が登場しないと、当然、そのキャラクターの印象は薄くなる。ゼ
ルダやドラクエのように、画面に登場したとしても、そのキャラクターの性格
や考え方はプレイヤーが行うことになるので、どういう人物なのかがはっきり
しない。映画やマンガのようなキャラクターの魅力で売る手法が使えない。

「世界ふれあい街歩き」が一見、地味に見えるのも、レポーターというキャラ
クターがビジュアルとして登場しないからだ。牧瀬里穂がヨーロッパの街を探
索していた方が、ビジュアルとしては当然映える。

これに対し、小説の場合、最初からビジュアルがないのでそのような制限がな
い。読者はそれぞれ、主人公になりきりながら、主人公の人柄を思い描く。小
説が映像化されたとき、賛否両論になるのは、読者の数だけ主人公像があるか
らだろう。

ではなぜ、映画では一人称が少ないのだろうか? 映像では主人公を出さざる
を得ないだろうが、モノローグという手法はもっと多用されてもいいはずだ。
色々考えてみて、どうやらこれはそれを体験する「環境」の問題が大きいよう
に思えてきた。

一人称は主人公との距離がとても近い。小説やマンガといった表現は、ものす
ごく個人的なものだ。大人数で同時に読む、ということはあり得ない。自分が
何を読んでいるのかも、他人からはわからない。他の人といっしょに一人称小
説を読む、というのは、一人で読むような没入感は得られないのではないだろ
うか。

もし全編、一人称で語られ、構成される映画だと、劇場で見るとなんだかとて
も恥ずかしいような気になってしまうのではないだろうか? いくら映画に没
入したところで、まわりの観客、自分が置かれた劇場という環境を忘れること
はできない。

同化している主人公の気持ちを、他の人達といっしょに感じ取るというのは、
自分の考えを見透かされているようで、落ち着かないのではないだろうか?
だから映画は三人称にならざるを得ないのではないか。

映画を見た後、一緒に見た人たちと今目の前で起きた「事件」に対しておしゃ
べりする。これは自分たちが均等に「目撃者」という立場だからできる楽しさ
で、一人称が強い小説だと、そうはいかないように思える。

そう考えると、この「世界ふれあい街歩き」がいかに絶妙な設定であるかに気
がつく。旅というシチュエーション。テレビというシチュエーション。一人で
見ても、家族で見ても、ナビゲーターと一緒に異国の街を散策している気分に
なれる。

ベテランナレーターによる、適度にキャラの立った、でも姿を見せない主役。
モノローグも心情まで深いものではなく、友だちや恋人といっしょにおしゃべ
りしながら異国の街を歩く感覚。ストーリーではなく、実時間を体験するコン
テンツだからこそ、成立しているのだろう。

劇場で見ると、映像はもっと迫力を増すだろうが、ナレーションによる一人称
はかえって邪魔になるような気がする。テレビならではの、紀行モノというジ
ャンルだから成り立つ、ゆるいプライベート感覚がこの手法を成立させている
ように思う。他のジャンルではなかなかこの企画は成立しないような気がする。

しかし現代は、映画、ドラマというコンテンツの公開方法は変わりつつある。
劇場という公開形態であれば、今後も観客は「目撃者」という立場であり続け
るだろう。

しかし、テレビやDVD以上にプライベートな視聴環境であるiPhone、iPad、モ
バイルゲーム機で見る映像コンテンツ、ドラマであれば、小説やマンガと同様
の一人称というのもアリではないか?

近年、森見登美彦の小説「四畳半神話大系」がテレビアニメ化されたが、これ
はもう、小説そのまま、ひたすら主人公がのべつまくなしに語るという、とて
もうるさいアニメだった。

おかげで、従来にない文芸感覚あふれる映像になっていた。もともとモノロー
グに違和感がないアニメ(動くマンガ)ということもあるだろうが、かなり面
白い表現だ。

昔、「音の本棚」というFM番組があった。小説をラジオドラマ化する番組で、
朗読ではなく、それなりに脚色されたドラマ版だったが、深夜に一人で聞くラ
ジオドラマという性質上、一人称がとてもよく似合っていた。

劇場では白けてしまう説明過多のモノローグや一人称視点も、電車の中でヘッ
ドフォンとiPhoneの画面で見るのであれば、かえって効果的ではないだろうか?
マンガや小説のように、主人公に没入できるのではないだろうか?

映像を読み解かなくてはならない映画を、小さなiPhoneの画面で見る気にはな
れないが、「四畳半神話大系」やラジオドラマ的に語りで構成される映画なら、
小説同様、楽しめるのではないか。

映画というものは、エジソンが発明した当初はアーケード型、のぞき眼鏡タイ
プのプライベート体験だった。リュミエール兄弟により劇場投影タイプに移行
してから100年。ようやく、エジソンタイプのプライベート体験を活かす環境
が整ったわけだ。

映画が今まで避けてきたモノローグという手法。iPhone時代の現代、もう一度
見なおしてみてもいいような気がする。

【まつむら まきお/まんが家、イラストレーター・成安造形大学准教授】
< twitter:http://www.twitter.com/makio_matsumura >
< http://www.makion.net/ > < mailto:makio@makion.net >

イラストを担当させてもらっている森巧尚さんの「よくわかるiPhoneアプリ開
発の教科書」の最新改訂版である【iOS 5&Xcode 4.2対応版】が出ました。今
回のカバーイラストはフラットな表現で、紙工作っぽい可愛い感じにイメージ
チェンジ。
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韓国版も出ました。
< http://www.noranbook.net/search/search_list.asp?title=9788996659877 >

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■グラフィック薄氷大魔王[292]
Firewire400と古いHDD、など小ネタ5題

吉井 宏
< http://blog.dgcr.com/mt/dgcr/archives/20120229140100.html >
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●Firewire400と古いHDD

古いIDEの3.5インチHDD、そろそろ中身を移し替えて処分しようとIDE対応HDD
ケースを出してきた。接続はと確認すると、Firewire400。うちのMacはどれも
FW800しかついてないぞ! ダメじゃん! FW400製品ってほぼ絶滅してますね〜。

USB1.0対応のケースならあるので、とりあえずいいかなと思ったけど、USB1.0
ではポータブルHDDが電力不足か回らない。電源アダプタなどとうの昔に捨て
ちゃった。

とか言いつつ、Firewire400-800変換アダプタを急遽アマゾンで購入。これで
古いHDDの整理ができる!
< http://www2.elecom.co.jp/cable/adapter/ieee1394/ad-ie6ft9m/ >

変換アダプタを使ってのんびりデータコピーさせておこうと、MacBook Airに
差そうとしたら、Firewireがないっ! ないわなそりゃ。ちょっと間違えただ
け。MacBook Proでやりますよ。しかし、インターフェイス規格がどんどん変
わってかなわん。Thunderbolt一本で全部済む日は来るのか??

古いIDEのHDDからデータ吸い出し作業開始、ポータブル2台はOK。3.5インチは
6個中2個が認識せず異音。250GBと115GBのHDD。けっこう古くて10年くらいた
ってるかも。

中身は昔コピーしたはずだから困らないけど、やはりHDDは古くなるとダメに
なりますね。っていうか、7〜8個のHDDを確認してみたらデータ移動するよう
な大切ものはなさそう。このまま処分でいいのかも。

以前、HDDを処分するときソフマップのHDD破壊サービスってのを利用してみた。
自分でやるとしたら、ハンドドリルで1個くらい穴を開けた上で、コネクタを
つぶしておけば十分な気がする。
< http://blog.dgcr.com/mt/dgcr/archives/20091202141000.html >

久しぶりのFW400でファイルコピーすると、確かに遅い! 160GBをコピーする
のに2時間もかかる。USB2.0とどっこいどっこいらしい。USB3.0は2.0の10倍速
いらしいけど、Macでは標準では使えず。期待のThunderboltはそのまた数倍の
速さ。

Thunderbolt対応のストレージって、まだ高価な業務用しかない。速さが云々
よりも、Mac用の接続ケーブルが一種類で済むってのが魅力なのになあ。早く
普及してほしい。と思ったら、ラシーでちょっと高いけどThunderbolt外付け
HDDありますね。コンセント必要なんだー。電気も一本で大丈夫かと思ったの
に〜。

●アマゾンの箱の件

「アマゾンで買い物して、小さい商品がでかい段ボールに入ってきた!」って
話題がときどきありますね。ムダなように見えますけど、細かいものって扱い
が面倒だからある程度大きいサイズの段ボールに統一する方法はアリだと思い
ます。もう一段階小さい箱を設けてもいいんじゃないかなとは思いますけどね。

あんまり小さい箱だと配送途中に見落としたり、他の荷物の向う側に落っこち
て行方不明になったりする。配る側にしてみれば、ある程度大きな箱でないと
ぜったい困ると思う。

アマゾンの箱の空間に対する商品の容積の少なさでいえば、僕の場合「Scan
Snapの消耗部品」ってのが最小記録だけど、ペンタブの芯とかだともっとすご
いだろうな。あ、ああいうのは封筒で来るのかな? DVDとか封筒で来てポス
トに突っ込まれていること時々ある。でも同じようなサイズの本やDVDでも箱
で来ることもあるし、マチマチですね。

上記のFirewire400-800アダプタが届いたときのアマゾンの梱包、またでかい
箱で来るかと期待してたら、封筒だった。拍子抜け。

●チキンフィレダブルを食べてみた

一度は食べておこうってことで、ケンタッキーの期間限定商品「チキンフィレ
ダブル」を食べてみた。フライドチキン二枚でベーコンをサンドしたヤツ。も
っと巨大なのかと思ったら意外に小ぶりだった。容積的にはマクドナルドの
100円バーガーかもう少し大きいくらい。広告写真の印象よりかなり小さい。

うーむむ。ケンタッキーのチキンが二枚重ねてある以上の何かはなかった気が
する。骨なしだからささみっぽく、「鶏肉の良質なタンパク質を食べている」
という実感はとてもあります。ただ、マヨネーズはいいとしても、チーズはい
らないと思う。チーズのせいで味がわからなくなる。はさんであるベーコンの
味なんかぜんぜんしなかった。

マヨネーズなしにしてもらって、大きな海苔を巻いて醤油をつけて食べたらま
たおいしいかも。巨大のりっこチキン。ちょっと肩すかしだったけど、損した
感はぜんぜんないです。普通においしかった。飲み物つきで500円ですもんね。
まあ、ネタ専用食べ物ってことで。

●某軽自動車のコマーシャル

「おとうさんが軽にしたなんてあり得ない〜!」ってCMはひどいなあ。軽自動
車好きの僕は憤慨したぞ。軽好きな人をバカにしてる上に、「軽っていいかも」
って思ってた層まで「え〜? 軽ってやっぱバカにされるんだなあ」って再確
認させられちゃう。

あのCMを見てあのクルマを買う人ってのは、もともと軽自動車好きであのCMを
見てもバカにされた気分にならなかった人っていう、せまーい層だけ。「この
軽なら許す」って、普通乗用車からあのクルマに乗り換える人はもっとせまい
層。軽自動車のダイハツなのに何やってるんだろ?

●ファンタはドイツ生まれ!

先週書いた「ファンタのCMはニューヨークのスタジオ」の話ですが、ファンタ
に関して根本的なこと間違えてました。ファンタってコカコーラの日本法人の
独自商品だと思い込んでたんです。だから、先日のファンタのCMもPsyopが日
本の広告代理店から受注したもの、という前提で書いちゃいました。あのCMは
世界共通のものなんですね。
< http://www.psyop.tv/fanta-2011-bounce/ >

Wikipediaによれば、ファンタは、第二次大戦中に原液を都合出来なくなった
コカコーラのドイツ法人が開発したものだそうです。Fantaはドイツ語です。
戦争によって生まれた飲み物だったなんて! で、スプライトはファンタのク
リアレモン味を7UPに対抗するために名前を変えて発売、ってのにもびっくり。
< http://goo.gl/ymsv >

【吉井 宏/イラストレーター】
HP < http://www.yoshii.com >
Blog < http://yoshii-blog.blogspot.com/ >

フリーランスの特権は、朝ムリヤリ起きなくていいことと、昼寝だ。ずっと昼
寝しなくて大丈夫なときもあるけど、一度うっかり昼寝してしまうと、翌日か
らその時間に眠くなるように体内時計がセットされてしまう。最近、どうせ午
後は眠くなるんだからと眠気を迎え撃つことにしてる。眠くなる前に寝る! 
アグレッシブな昼寝!

●iPhone/iPadアプリ「REAL STEELPAN」ver.2.0がリリースされました。
「長押しロール」のオン・オフ切り替えスイッチを追加しました。
「オフ」ではレスポンスが速くなるので、素早い演奏が可能になりました。
REAL STEELPAN < http://bit.ly/9aC0XV >
●「ヤンス!ガンス!」DVD発売中
amazonのDVD詳細 < http://amzn.to/bsTAcb >

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■編集後記(02/29)

・新聞やテレビを見ていて気になることがあるとき、あるいは突然思いついた
ことがあるとき、いままではそのへんにある紙片にメモしたり、デスクノート
に書き込んだり、ポストイットに書いたりと、もう手当たり次第、めちゃくち
ゃだった。そのため、どこにメモしたかを忘れて探すことが度々あった。メモ
はたいてい紛失するものである。情報(というほどのものではない。ほんの一
行の覚え書き)は一か所に集中するのが鉄則である、そう決意して大型のデス
クノートに何でも書き込むことにしたが、一か月も続かなかった。
最近ようやく定着してきたのが、A4コピー紙に縦16横2の表をプリントして、
その一枠(縦1.5cm、横8cm)内に一件ずつ記入する方法だ。一枚12平方センチ
のメモ用紙が32枚、一枚の紙に整然と並んでいる。そこに時系列でなんでも書
き込むことにした。頭には必ず3/1というように日付を振る。読むべき本のタ
イトル、買うべき物、新製品、初めて知った漢字の読み、時事川柳、Youtube
で検索すべき古い歌、思いついた駄洒落、家族に伝えるべきことなど、気にな
ることをなんでも書き込む。全マスが埋まったら次の用紙へ移る。用紙の角を
クリップで止めて束ねておく。頻繁にチェックして処理済みは横線で消して行
く。未処理物件はいつまでも残るからわかりやすい。居間のテーブルで新聞を
読むときにも持って行き、せっせとメモする。そういう中から編集後記のネタ
も見つかる。以下はその例。
・そのCMが流れるたびに「バッカじゃねーの」と必ず罵っていて、そのうち文
句つけようと思っていたダイハツ物件が、吉井宏さんに先をこされた。
・首相官邸のメルマガ「官邸かわら版」だが、迷惑メールに設定しても、必ず
よみがえってマークなしで現れるのはどういうわけだ。       (柴田)
< http://www.daihatsu.co.jp/cm/tanto_exe/top_01.htm >
ダイハツのYKB(やっぱり軽ってバカにされる)CM

・「世界ふれあい街歩き」は見たことなかった。行ったことのある土地のもの
が見てみたいな。今の自分はどう感じるんだろう。あ、あと宝塚歌劇の舞台に
なった土地も。/特権というより、それをしないと身体が保たないという……。
「なるべく朝型(必要に応じて夜型)」を始めてから、夕方になると電池が切
れる。前日に夜更かしをすると、当然ながら朝寝坊しがちで、昼過ぎには目玉
がぐりんぐりん。ここで寝られたら夜まで保つが、寝られないと夕方からあく
びの連続。効率も当然下がる。/iPad3が3月7日に発表されるという噂。/ネ
ットで民放ラジオが聞ける「radiko.jp」に、新たにIBC岩手、東北、ラジオ福
島、新潟、FM新潟、新潟県民FM、北日本、富山FM、大分、FM大分、宮崎が参加。
試験放送開始は4月2日12時。どれも大阪からでは聞けないのが残念。それから
同じ日時から全国放送としてラジオNIKKEI、新たに放送大学。放送大学はいい
よね。たまにテレビで見たりするよ。仕事関係以外にも知りたいこと、勉強し
たいことだらけだ。/リリースにはradiko.jpのユニークユーザー数が月間780
万人で、2011年まではスマフォとAIR(パソコン)では拮抗していたが、今で
は4:3でスマフォの方が多くなっている。併用者は約1割。女性の割合は20%か
ら30%に。年代別だと40代が一番多くなっててて意外。   (hammer.mule)
< http://news.mynavi.jp/c_cobs/news/iphonejoshi/2012/02/ipad3retinakddi.html >
発表日、Retina、ホームボタン、KDDI??
< http://radiko.jp/newsrelease/pdf/20120227_001_pressrelease.pdf >
radiko.jpのリリース。都道府県別聴取可能局一覧もあるよ

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2012年2月28日火曜日

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【日刊デジタルクリエイターズ】 No.3215    2012/02/28.Tue.14:00.発行
http://www.dgcr.com/    1998/04/13創刊   前号の発行部数 10036部
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           《相手にしないのがベスト》

■アナログステージ[72]
 ゼロツィートの謎を追う
 べちおサマンサ

■デジタルちゃいろ[10]
 今更ケータイ小説考
 browneyes

■イベント案内
 W3C横浜フォーラム
 まにゼミP4「Web×映像『近くて遠い映像の世界をチラ見する』」
 「動画系ソーシャルの切り札『USTREAMがすごいらしい!』」

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■アナログステージ[72]
ゼロツィートの謎を追う

べちおサマンサ
< http://blog.dgcr.com/mt/dgcr/archives/20120228140500.html >
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Twitterジャンキーの皆さまコンニチハ。今日も元気にTwitterを楽しんでおら
れるでしょうか。『普通のヒトは1日3ツィートが精一杯』という風の便りを耳
にしてから、周りから普通のヒトに見られたくて、つぶやくのを控えているべ
ちおです。控えてませんけど。

『1日3ツィート』って、「おはよす!」「ランチ食うなう!」「おやすみマン
モス!」だけなんですかね。いや、それが『今という時間を楽しむ』Twitter
の醍醐味ですが、もうちょっと味付けしても、美味しいのでは。

『1日3ツィート』の陰で、1日1ツィートどころか、まったくツィートしてない、
『0(ゼロ)ツィート』な女子が大量に増殖しているのをご存知でしょうか。
今回は、そんな『0ツィートな彼女』たちを皮肉たっぷりで、謎の解明をして
みたいと。

まず、彼女たちの特徴として、Twitterのアカウントを取得してから一度もつ
ぶやいたことがない、アイコンは口元をぬいぐるみが隠して上目遣いか、もし
くは目元を隠してアヒル口、もしくはカプチーノのラテアート。たまにネコの
ときもある。もっとも特徴的なのが、フォロー数がすごい。

一見、無差別にフォローをしているようにも受取れるが、彼女たちのフォロー
さんを覗いてみると、アニメアイコンがずらずらと並んでいることが確認でき
る。また、運営サイドから、フォローの案内通知が届かないことも、彼女たち
に共通している特徴だ。

彼女たちのプロフィールを読む限りでは、ちょっと電波がとんでる女性っぽい
が、実は女の子になりたい男性かもしれない。そこは個人の趣味なので、ワタ
クシがとやかく言うことではないし、フォローさんに性差はあまりなさそうな
ので、ビアンっぽさもあるのかと、勝手に想像してしまう。

・とてもシャイ(内気)な女性説

彼の袖を掴みながら、背中に隠れて歩くような照れ屋さんなのか、朝起きて寝
起きだということを世界中の人に知られるのが恥ずかしいのか、そんな、とて
もシャイな女の子。彼の前ではハンバーガーを食べるのも、ソバを啜るのも恥
ずかしく、「わたしはオナラなんてしません」と真顔で言いそうだが、オナラ
という生理現象自体をないことにしていそうだ。

彼とデート中にジュースを飲んでいるとき、グラスがカチンと歯に当たろうも
のなら、2週間くらい音信不通になりかねないくらいデリケート。なので、つ
ぶやいた後、@(リプライ)でツッコミでもいれられようならば、電話回線や
光ファイバーのケーブルを切断して、インターネットから存在を消してしまう
ような、そんな感じなのだろうか。

上記のような様々な憶測から、Twittweでもつぶやくことはせず、みんなのツ
ィートを眺めているだけで満足してしまうタイプで、なんて健気だ。

気がついたら、Twitterから存在が消えていることが多いが、垢バン(アカウ
ント抹消)されたのではなく、誰かにツッコミを入れられてしまい、恥ずかし
さのあまりに姿をくらませたのかもしれない。

・意中の彼に気付かれないようにカモフラージュしている説

好きで好きでどうしようもない彼に、自分であることを気付かれないよう、大
量にフォローを増やし、存在をカモフラージュしている。しかし、彼からすれ
ば、一度に大量なフォロー数が増えれば、その中の一人で終わる可能性もある
が、単発、もしくは1ヶ月ぶりにフォロわれたとなれば、逆に「だれだ?」と
サーチされてしまう。

文章などは、どうしても書き手の癖がでてしまうので、「ん? もしかして○
○○ちゃん?」と特定されかねない。そうなってしまうと、カモフラージュは
まったく無意味に終わってしまうので、あえてツィートをせずに寡黙を貫いて
いる。

やはり、気がついたら、Twitterから存在が消えていることが多いが、垢バン
されたのではなく、彼に存在が気付かれてしまい、次に彼と会ったとき、どう
対応して良いのか変わらず、姿をくらませたのかもしれない。

・電柱の陰から彼の自立を見守っている説

『巨人の星』でお馴染みの、星明子(飛雄馬の姉)のように、仕事に追われ、
上司に怒鳴られ、それでも挫けずに前をみながら歩んでいく彼の一日を、涙を
流しながら見守っている。

「わたしがこうやって陰で見守りながら支えているから、彼は頑張っていけて
いるんだ!」という、ちょっと湾曲した思考回路ではあるが、彼に対する愛は
深そう。

エスカレートしてくると、彼が仕事に出かけている間に、郵便ポストの中を覗
いて、有害なチラシや、勧誘のハガキが届いていないかをチェックしたり、彼
が朝捨てていったゴミ袋を開封し、昨日食べた晩ご飯の残りものなどを回収し、
栄養に偏りがないかを心配してしまいそうだ。

自己満足型のセキュリティー会社のような行動のようにも映るが、成長してい
く弟(息子)を見守る、姉や母親のような、母性本能に優れていながら、ある
意味、ストーカー要素を含んでいるが、本人に自覚症状はなさそうだ。

・まとめと考察

とまぁ、いろいろと仮説を立ててみましたが、結論から言ってしまうと、『0
ツィート』の彼女は、ただのスパムなので、スルーしておくのが一番なんです
けどね、アッハハ。中にはフォロー返しをすると、営業のご案内チックなDMが
バンバンとんでくるらしいので、やはり、相手にしないのがベスト。

ワタクシはそのまま放置ですけど、気になるようならブロックして運営に通報
してしまうのが、世のためかもしれません。結局、オチはここかい! とお叱
りを受けそうですが、まぁまぁ、「インターネットは愉しく遊ぶ」です。

【べちおサマンサ】pipelinehot@yokohama.email.ne.jp
某ナノテク業界の技術開発屋。NDA拘束員。
< http://start.io/bachio > ←まとめ

○新規市場開発(所謂、隙間産業)の長期プロジェクトが決定し、2年後まで
仕事詰まりました。始動する以前に、すでにくたばってますけど/昨日配信さ
れたデジクリで、柴田編集長が「大学生数学基本調査」について触れておりま
した。朝、ラボに着くなり柴田さんから「これ、5分で解いてみて」とメール
が落ちてきた。

寝ぼけ頭で早速解いてみるも、カチカチになり始めているアタマは、「なぜわ
ざわざコンパスなんか使うの? 長さ測って電卓で3で割ればいいじゃん、ダ
メなの?」と、出題の意向をまったく無視した頭脳になっているも、チャレン
ジ。オイラは正答(?)と同じく、単純に平行線で答えを出したが、三角定規
使用がNGだと、平行線をきれいに出すのが面倒。しかし、2箇所に交点を作れ
ば平行線は作れるので(実際にやってみて思い出した)、円から導き出すより
は簡単なのかもしれない。

「コンパスを使って」と、やらしいアイテムを用意されているならば、円と平
定規で楽しんでみよう! と、やってみたのがコレ。コンパスが手元になかっ
たので、CADで描いてみた。
< http://oiran.posterous.com/dgcr-3 >

試しにラボ内でやってみたんですけど、15人中10人正解で、面白いことに正解
者全員が設計(製図やってきてる)から上がってきた人間ばかりでした。その
中で平行線での回答が7人、円を使ったのが3人でした。

○記憶に残っている2週間の出来事→仕事漬けで記憶に残るお出かけなし→と
いいながらも、義祖母の法事で水道橋へ。水道橋の寿司屋さんで精進落としが
済んだあと、『武&山根の展覧会レビュー』でお馴染みのヤマーネにメールし
たら、たまたま仕事が休みでヒマそうだったので、そのまま水道橋で待ち合わ
せをして、2人で呑んでました/これがまた、いい話テンコ盛りでヤマーネの
人の良さをしみじみと感じたのでした→NINA(愛犬)の四十九日→ムスメ(高
2)と2人で、町田の串焼き屋さんにデート。もちろん、未成年なので生ビール
で乾杯! ってわけにはいかず、ムスメちんはカルピス。進路のこと、恋愛の
こと、普段あまり顔を合わさない分、たくさん話ができて、パパ、嬉しいです。

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■デジタルちゃいろ[10]
今更ケータイ小説考

browneyes
< http://blog.dgcr.com/mt/dgcr/archives/20120228140400.html >
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先日、義務教育時代の友人の家に久しぶりに滞在しました。3年ぶりかな、4年
ぶりかな。ワタシが地元を離れ、多忙を極め、会う頻度が激減している分、行
ける時はしっかりお泊りコースで、だらだら時間を過ごす形が増えてます。だ
らだらしつつも、そのだらだらこそが貴重だったりするのですよね。これ自体
女子的感覚なんですかね?

彼女とワタシは表層的にはとことん共通点がなく、在学中、ワタシは地味めで
おとなしめな平均的中学生。彼女はその中学、その学年の、本気とかいてマジ
と読むレベルのスケバン的な何か。当然、当時はまるで接点はなかったのです
が、どこでどう間違ったのかわかりませんが、大人になってから小さな縁が度
重なり、細く長く今後一生続くであろう数少ない友人の一人となりました。

人生の序盤がそれだけ異なるので、その後の人生においても暮らしぶりから趣
味までとことん違うのですが、その友人、元ヤンでありながら、ビジュアル系
バンドの追っかけを長年やっていて、BLが大好きで、ケータイ小説が大好き。
どれもこれもワタシとは相容れない趣味なのですが、ケータイ小説にハマる人
はこれまで周囲にあまりいないのでちょっと興味深い。

そんな感じで唯一ワタシの周りに現れたケータイ小説好きの話を元に、今更
ケータイ小説について色々考えてみたりしました。サンプル少なすぎなので、
これで全体を語れるはずはないですが、個人的には今更の第一次接近遭遇、よ
い機会だったので。

思い返すと彼女は、日常接する人の中に一人、ちょっとPCに詳しい人がいるこ
ともあり、結構早い時期からPCでネットもやっている。いつ頃だろう、2000年
の前半のうちから、wysiwygなソフトを使ってホームページも自分で作ってた。
タグなんかまったく知らなくても、ばんばん作っちゃう。

そのホームページで何をするかというと、文章を書くことと、文章を書いてる
人と交流すること。そういえばケータイ小説なんかが流行るずっと以前から、
メルマガで小説のようなものを書く、なんてコトもやってた。

ところがここ数年、PCは億劫になっちゃってほとんど起動もしなくなり、ネッ
トで云々はそれ自体が彼女のマイブームとしても終わっている様子。そしてケ
ータイ回帰。彼女の日々接する人間関係からはそちらの方が主流なので、むし
ろ自然な着地点に落ち着いた格好。そして、震災直後にガラケーをスマホに買
い替えて以降、読み手としてケータイ小説サイトに、どっぷりハマっているら
しい。

ケータイ小説コミュニティはワタシにとってはまるで未知なので、トレンドも
皆目わからないのだけど、最近彼女がお気に入りのケータイ小説コミュニティ
のサイトでは、読むばっかりでなく、自分も書き手になれるスペースがあるら
しく、「アタシもね、またエッセイ書き始めたの!」と、嬉々として見せてく
れた。

書き手にもなってみたがる心理やニーズについては、別途考えてみた方がいい
気がしますね。なのでここでは読み手としての彼女に着目。

気に入った作品が見つかればとことんスマホ上で読み耽る、その作者が気に入
れば、作者の発表の場がサービスをまたいでいてもどんどん追いかける。
Amazonで書籍版も売り始めたと聞けばポンと買う。

購入した実物を見せてもらったけど、装丁もない、フォントの調整もレイアウ
トも何もない、テキストデータをそのまま横書きでダラダラ印刷しただけ、み
たいな本で、金二千ウン百円也。それを何度も何度も読み返し、次また買っち
ゃおうか、何買おうか、と思案する。

彼女が語り、見せる様々なその「ケータイ小説」にまつわる話は、確かにワタ
シの感覚からすると率直なところ、「なにそれありえない」の連続だったのだ
が、多分、程度の差はあっても、ケータイ小説にハマる層は増える一方で、否
定したり無視したりし続ける時期はとっくに過ぎているんだろうな、と思う。

とはいえ、既存の本の虫ともネット界隈の人とも融合していく気配は、いつま
でたっても感じられない。かくいうワタシも、「現象」としてやっとこ着目し
てはみたものの、今後もケータイ小説を自発的に好んで読むか、と言われれば
読むことはなそうではある。……というか、そもそも融合する意味はそこには
ないんだろうな。

なんだろう、既存の小説とか、既存の本とか、その括りにケータイ小説を入れ
て理解しようと思うと恐らく「お互い」色々と腑に落ちない感じになる気がす
る。発想を完全に切り替えて、新たなメディアとして考えると色々スッと理解
できるような気がする。そして、そう考えた時のケータイ小説は伸びシロがま
だまだ大きい、現代では希少な黎明期で上り調子な新メディアのひとつなんだ
ろうな。

ケータイ小説の読者は既存の、小難しい言葉が頻出したりする小説は芯から苦
手だけど、それは読書欲がないとイコールなわけではない。読書欲はむしろも
のすごく旺盛。あと、感性的にはかなり保守的で、あまり新奇性は求めてない。
求めてないけど、くり返しくり返し、愛してやまないテンプレっぽいストーリ
ーや命題を、様々なバリエーションで味わうことを求めてる。

この層はまだまだコンテンツに飢えている。長いこと自分に合わない小難しい
本を「読む」「読まない」の二択しか与えられていなかったところに、「読め
る」コンテンツが加わったばかりで、焼け石に水……いや違うな、乾いたスポ
ンジのように新作を求め、彼らなりの良作を求めてる。

デバイスについては、上にで触れたように、ハマった作品は最終的にAmazonで
「本」の形態になったものも購入はするので、最初から本として手にする可能
性もあるけれど、どうなんだろう。個人的にはやや懐疑的。

そもそも、既存の「書籍」に対する「難しくてよくわかんない」「読む気にな
れない」という心的な壁は今もそこにある訳で、そこは取り除いてなくなるも
のではないし、取り除くコトに注力するコトはちょっと的外れな気もする。

彼らの読んでもいいと思える環境で、お金もかけずに、試し読みが出来る、と
いう導入の段階は結構キモで、とはいえ彼らは、わざわざ読書のためにiPadや
Kindleやその他の電子ブックリーダーを予め買うほどの熱意はないので、どう
してもケータイなのでしょうね、今のところ。

ケータイ小説の本気なプロの書き手とか、編集者とか仕掛け人ってどのくらい
いるんでしょうね、ゼロではないんでしょうけどまだまだ少ないのかな。知ら
ないだけで脈々とあるのかもしれませんけど。

自分で書きたい訳ではないけれど、書くためのアプローチも戦略もまったく普
通の小説とは違うみたいなので、今更ですが、同じ文字という道具を使ってい
てもまったく別のこの新メディア、そういった周辺に着目しつつ勉強かたがた
いくつか眺めてみようかな。

            +----+----+----+----+

■今回のどこかの国の音楽

□BOHEMIA "Ek tera pyar feat. Devika"
└< http://www.youtube.com/watch?v=tixIb21MO5U >

実は20世紀中はワタシ、クロっぽい音楽が大好物だったこともあり、このボヘ
ミア君はワタシの大のお気に入りです。

9歳だったかな、そのくらいの歳で両親と共にパキスタンからアメリカに移民
としてやってきたものの、アメリカ移住後すぐにお母様が亡くなり、それをき
っかけに家出、ストリートでラップに出会った、という、思いのほか濃厚なエ
ピソードを、つい最近インタビューで語っていましたが、数年前からパンジャ
ビ語のラッパーとして結構注目株。

南亜細亜出身のミュージシャンが、アメリカのクロっぽい音楽で活躍するコト
も昔からないことはないのですが、日本人がいつまでもゲイシャ・ハラキリ
(……いや、今はもうヲタク文化に変わったのかしら)なのと同様、南亜細亜
臭をウリにしてる感が拭えないケースが多かったものですが、彼は自分の言語
を異国の文化にきちんと融合させてる感じがします。

【browneyes】 dc@browneyes.in
日常スナップ撮り続けてます。
アパレル屋→本屋→キャスティング屋→ウェブ屋(←いまここ)しつつ
なんでも屋。
立ち寄り先一覧 < http://start.io/browneyes >
デジタルちゃいろ:今回のどこかの国の音楽プレイリストまとめ
└< http://j.mp/xA0gHF >

最近は色々と新しい出会いも多く、知恵熱出そうなくらいたくさんの刺激を受
けてますが、その割に自分自身の行動が伴わず、やや消化不良。とはいえ、新
しい流れや新しい挑戦の時期なのかもな、という感覚が付きまとってるので、
後先考えずに色々面白い波に突撃していきたいな。

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■イベント案内
W3C横浜フォーラム
< http://www.w3.org/2012/03/06-yokohama-forum/ >
< http://blog.dgcr.com/mt/dgcr/archives/20120228140300.html >
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日時:2012年3月6日(火)16:00〜20:00(懇親会20:00〜)
会場:横浜ランドマークタワー25階 セミナールーム
(横浜市西区みなとみらい2-2-1)
参加費:無料(懇親会4,000円)
申込:2月29日19時までにエントリー。詳細はサイト参照

第一部:次世代ブラウザ技術を用いたコンテンツ表現方式
「W3C/CS標準化活動の取り組みと進捗」
 石井宏治(グルーソフトウェア/W3C CSS WG Editor)
「縦書きレイアウト関連ツールのご紹介」
 村上真雄(アンテナハウス)、調整中(ACCESS)
「縦書きレイアウトのコンテンツ制作事例のご紹介パネルディスカッション)」
 高瀬拓史(イースト)、長谷川秀記(自由電子出版)、境祐司、高橋征義
(達人出版会)ほか

第二部:W3CにおけるWeb技術国際標準化
「調整中」宮下貴弘(ネクストステージ)
「調整中」川田篤(オロ)
「調整中」小林透(NTTサイバーソリュション研究所)
「W3Cご紹介」一色正男(W3C/Keio)
「HTML5 Updates」Michael Smith(W3C/Keio)
「Web&TV Update その他W3C活動報告」芦村和幸(W3C/Keio)

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■セミナー案内
まにゼミP4「Web×映像『近くて遠い映像の世界をチラ見する』」
< http://m2.cap-ut.co.jp/event/semi04.html >
< http://blog.dgcr.com/mt/dgcr/archives/20120228140200.html >
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YoutubeやUSTREAMをはじめ、ここ数年でWebと映像の関係は急速に深まってき
ています。でも、いざ映像を制作しようとすると思うようにならなかったり、
テレビで見た「あんな風」にならなかったり……という経験は誰でもあるので
はないでしょうか? それどころか、映像をWebで公開するだけでも、実は上
手くいかないなんてことも。

知ってるようで良く分かっていない……そこには、歴史の短いWebにはないノ
ウハウやテクニックがあります。そして、その分だけ独自のルールやフォーマ
ットもあります。そんな奥深い映像のほんの入り口だけでも皆さんに知って頂
き、映像を活用するきっかけになればと思っています。

日時:2012年3月17日(土)13:30〜17:00
会場:中央会計セミナールーム(大阪府大阪市中央区備後町3-6-2 大雅ビル3F)
< http://www.chuokaikei.co.jp/company/access.html >
参加費:2,000円

●映像制作の基礎知識/松川睦(D-Studio CORE)
・映像制作のワークフロー
・業界用語や知識で知ったかぶり など

●映像のイマ/大川博巨(Spice-o)
・流行りの表現ってあるの?
・プロジェクションマッピングが熱い など

●Youtubeを活用しよう/深川正英(合同会社かぷっと)
・今だからこそYoutube
・活用例 など

●雑談セッション/全員
・制作費や相場の話などのぶっちゃけトーク

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■セミナー案内
「動画系ソーシャルの切り札『USTREAMがすごいらしい!』」
< http://socialmediadrive.jp/seminar/417.html >
< http://blog.dgcr.com/mt/dgcr/archives/20120228140100.html >
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誰でも本格的に利用できるライブストリーミングサービスであるUSTREAMにつ
いて、年間100本以上の数多くの配信をこなす、ロケッツの吉富氏がUSTREAMと
は何かといった基本的なことから、様々な活用法、さらにこれからのライブメ
ディアの展望について解説します。
また、USTERAM STUDIO+を運営している中央会計の梛野氏が企業の広報ツール
としてのUSTREAMの活用事例をわかりやすくご説明いたします。
※スペシャルゲストがくるかも!
※当日は、USTREAMで配信されます。(サイトより)

日時:2012年3月24日(土)14:00?17:00
会場:中央会計セミナールーム(大阪府大阪市中央区備後町3-6-2 大雅ビル3F)
< http://www.chuokaikei.co.jp/company/access.html >
参加費:2,000円
主催:ソーシャルメディアドライブ

講師:
吉富★アンジェラ★和博(ロケッツ)
< http://www.rockets-jp.com/ >
梛野季之(USTREAM STUDIO + OSAKA CHUO)
< http://ust-osaka.jp/ >

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■編集後記(02/28)

・読書で好きなテーマがいくつかあるが、そのうち「忠臣蔵」と「織田信長」
で一冊ずつ。まず、「爆笑問題の忠臣蔵」である(幻冬舎、2011)。「日本人
なら誰でも馴染みのあるこの不朽の名作を、おなじみ爆笑問題と奇才漫画家お
おひなたごうが再検証」っていう謳い文句だが「再検証」というほどでもない。
田中が史実というか、勉強の成果を説明し、太田がボケる、しつこくボケると
いういつものスタイルで17編、スカスカだから1時間もかからず読み終える。
太田があとがきで「なぜいつまで経っても年末になると、この物騒なテロの話
を日本人は美談としてありがたがるのだろう? という疑問が長年私の中にあ
った」と書いているが、結局その謎は解明されない。忠臣蔵の新説とか、斬新
な切り口とか、そんな期待してたほうがおかしいのかも。時事ネタのボケはお
もしろいけど。おおひなたごうのばかばかしい漫画はいいが、絵がヘタ過ぎ。
一方、花村萬月の「信長私記」(講談社、2012)は始めの2編を読んだだけで
投げ出した。信長の視点で語る若き日の信長だというのだが、不快な違和感。
この文章は生理的にだめ。こういうこともあるんだな。
ついでに書くと、深見真「ブラッドバス」にも辟易(徳間書店、2011)。中国
の無法地帯で自衛官とヤクザとその舎弟の3人が、私設軍隊と大バトルするス
トーリーはスリリングで面白いが、殺戮シーンがえげつない。武器の扱いや人
殺しの方法に興味ある人にはおすすめだけど。なぜ? 誰が? という主人公
の自衛官(&読者の)疑問の答えは最後にある。ご都合主義とまでは言わない
が、ちょっと出来過ぎな構造であった。             (柴田)
< http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4344021037/dgcrcom-22/ >
→アマゾンで「爆笑問題の忠臣蔵」を見る(レビュー1件)
< http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4062174359/dgcrcom-22/ >
→アマゾンで「信長私記」を見る(レビュー1件)
< http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/419863243X/dgcrcom-22/ >
→アマゾンで「ブラッドバス」を見る(レビュー4件)
< http://www.yomiuri.co.jp/editorial/column1/news/20120227-OYT1T01138.htm >
読売新聞2/28編集手帳 「大学生数学基本調査」の結果

・「3Dプロジェクションマッピングって?」無知でした。プロジェクターを使
い、立体物をスクリーンと見立てる映像表現。2010年のラルフローレンのもの
が有名なのだとか。見始めると、元の建物がどういうものだったか忘れてしま
う。動くはずのない建物が展開したり、階段ができたり、人が歩きはじめたり、
商品が大写しになったり。私は映画「インセプション」を連想した。その名か
らわかるように、座標を合わせて映像を作るのが大変なのだそうだ。/その手
の話を初心者向けにしてくれるセミナーあり。/大阪でやっている「光のルネ
サンス」でもやればいいのにと言ってたら、既にやっていた。生で見てみたか
った。イルミネーションが派手なだけだと思っていた。もっとPRしてよ〜。
                            (hammer.mule)
< http://www.youtube.com/watch?v=E7ryMzZQICA >  ラルフローレン
< http://www.youtube.com/watch?v=xrJCSJudmEg >  ニューバランス
< http://www.youtube.com/watch?v=OZfTKSmPxxA >
こっちは360°。3D Mapping Projection with Rabarama
< http://www.youtube.com/watch?v=tu0TRA6a21Q >
ヒュンダイ。壁に車と人を貼っちゃう
< http://www.youtube.com/watch?v=vjDkryNq2Zs >
Carlsberg
< http://www.youtube.com/watch?v=Rr18SvLyFao >
中央公会堂。赤っぽい建物だから難しそう
< http://m2.cap-ut.co.jp/event/semi04.html >
プロジェクションマッピングが熱い

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編集長     柴田忠男 < mailto:shibata@dgcr.com >
デスク     濱村和恵 < mailto:zacke@days-i.com >
アソシエーツ  神田敏晶 < mailto:kanda@knn.com >

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2012年2月27日月曜日

日刊デジクリ[#3214] GALAXY NEXUSのライバル出現

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【日刊デジタルクリエイターズ】 No.3214    2012/02/27.Mon.14:00.発行
http://www.dgcr.com/    1998/04/13創刊   前号の発行部数 10036部
情報提供・投稿・広告の御相談はこちらまで     mailto:info@dgcr.com
登録・解除・変更・FAQはこちら  http://www.dgcr.com/regist/index.html
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    《大学生の24%が「平均」の意味を正しく理解していない》

■エンドユーザー大変記[20]
 GALAXY NEXUSのライバル出現
 ジョニー・タカ

■クリエイター手抜きプロジェクト[307]Adobe Illustrator CS3/CS4/CS5編
 シリアル番号をつけて保存する
 古籏一浩

■イベント案内
 まにまにフェスティバル(まにフェス)P1
 ニコンサロン連続企画展&シンポジウム「Remembrance 3.11」
 第29回WebSig会議「効率化だけではない!中小〜中堅ECサイトの成果を上げ
 る『メディア編集力』とは」

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■エンドユーザー大変記[20]
GALAXY NEXUSのライバル出現

ジョニー・タカ
< http://blog.dgcr.com/mt/dgcr/archives/20120227140500.html >
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あれほどこの欄で「GALAXY NEXUSを買う!」と書いておきながら、自分の不手
際で買えなかったのを歯噛みしていたら、強力なライバルが現れてしまった。
Xperia NXである。

< http://www.sonyericsson.co.jp/product/docomo/so-02d/index.html >
< http://www.nttdocomo.co.jp/product/next/so02d/index.html >

ソニーがソニー・エリクソンの株を100%持ったことにより、実質ソニー・エ
リクソンブランドとしては最後の携帯電話になる。

ソニー、「ソニー・エリクソン」を100%子会社化
(ITmedia +D モバイル)
< http://plusd.itmedia.co.jp/mobile/articles/1202/16/news040.html >
< http://www.sony.co.jp/SonyInfo/News/Press/201202/12-025/index.html >
(ニュースリリース)

別にブランド信仰があるわけではないが、ソニー・エリクソンを冠した最後の
携帯電話を持ちたいと思うなんて、変な所でミーハーなんだよなぁ、俺。

もう一つは現実的なわけがあった。大半のアプリがAndroid2.3以上でないと対
応できないという理由である。もちろん、2.1以下でも動作するアプリもあり、
それはそれで問題はないのだが、現実に則すると最低でも2.3でないと話にな
らない、という問題を突きつけられたのだ。

このあたりで、iPhoneを羨ましく感じてしまう。

もう一つの不安としては、GALAXY NEXUSに搭載されているメインカメラの画素
数が510万だったこと。電池減りを考えれば、これくらいでもいいかなと思っ
ていたのだが、Xperiaで撮った画像のきれいさ具合を見ると、どうしても欲を
もたげてしまう。

それから、メーカーが違うが、XperiaとEVO WiMAXでそれぞれ撮影して比較す
ると、EVOの方がどうしても大味に感じてしまう。Xperiaの方が自然な色合い
に感じる。もちろんこれはとらえ方の個人差になるが、同じ条件下でホワイト
バランスをかけても、どうもHTCの方は無機的に感じてしまうのだ。

今回のGALAXY NEXUSは、どちらかといえばアプリ開発のために販売されたもの
なので、確かに4.0に飛びつきたいという欲はあっても、現実を考えればきち
んと使える方がいい、そう思ったのも事実である。

なので、まずは実機ではなくコールドモックを触ってきた(実機は2/22時点で
東名阪のソニー・ショールームでしか展示されていない)。
< http://www.sonyericsson.co.jp/company/press/20120210_xperia_nx.html >

側面の角が丸くなっておらず角張っているため、いささか持ちにくい。サイズ
はEVO WiMAXを少し大きくしたくらい。この時点で既にう〜ん…と考えてしま
う。どのみちカバーを買う予定ではあるけれど、ここまで角張る必要はあるの
か? と感じてしまう。

でも、今持っているXperiaと比べるとホールド感はある。何度手から滑らせて
落下させたことか…そのあたりを考慮してこのデザインになったのに違いない。

肝心のFloating Prismは、コールドモックでも確かに透けて見えるものの、や
はり実機で光り具合を見たい。

ただ、このテキストが載った後にMWCがあるため、また心変わりがあるかもし
れない。でも、だいたい言われることは「買ってから言え」である。そりゃそ
うだ。まずは"買い換えられるかどうか"が問題なのだが…。

【ジョニー・タカ】johnnytaka32(a)gmail.com

1976年、横浜・関内で生まれ、上州と越後の風を受けて育ち、来世でもFUNKを
踊り続けるフリーランサー。ヴァーチャル・キャラクターに曲を付けて選曲を
展開する"コンピレーション"を1998年から行っている。2012年はようやく発売
されたPSPソフト『フォトカノ』のコンピレーションを展開予定(と言っても
勝手にやってるだけです。それを続けて14年目)。PS3でも『THE IDOLM@STER2』
が発売されたので、そちらの選曲作業も始めてます。
< http://music.ap.teacup.com/cafedejohnny/ >

日常ブログ < http://ameblo.jp/johnnytaka/ >
ツイッター < http://www.twitter.com/johnnytaka1962/ >

○濱村さんがアニメ「日常」について書かれていた部分、

< http://blog.dgcr.com/mt/dgcr/archives/20120213140000.html >

2/18に放送されました。"ドッピオ"がその時のツイッタートレンド1位にな
るくらい。そして実はこんなイヴェントが行われていました。

「日常のナイト」スタッフブログ:都内ちゃんみおスペシャルオフ開催のお知
らせ(詳細更新)
< http://blog.livedoor.jp/ncj_night_blog/archives/4953708.html >

「ドッピオ?」で大恥を掻いた相生祐子(通称:ゆっこ)が、友達の長野原み
おを連れて、同じ目に遭わせようとしたらすらすら注文してしまって返り討ち
に遭った時、みおが注文したオーダーと同じ物をスタバで頼むイベント。一部
のスタバでは"ちゃんみおスペシャル"で通るとは思わなんだ…。

○ツイッターのUIがようやく変わったが、慣れるのに時間がかかりそうだ。TL
が右側だと非常に見づらいので「PBtweet+」でTLを左側に移動する。これで何
とかマシになった。

○アプリのパフォーマンス(処理速度)が2000%落ちる?! 劣悪なmicroSDに
ご用心(TABROID)
< http://www.tabroid.jp/news/2012/02/2000-microsd.html >

microSDHCが"試供品"として付いている場合、それは使わない方がいいかも。
私のXperiaに付いていた16GBのmicroSDHCに、物凄く初期のサンディスク臭を
感じていたので…。

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■クリエイター手抜きプロジェクト[307]Adobe Illustrator CS3/CS4/CS5編
シリアル番号をつけて保存する

古籏一浩
< http://blog.dgcr.com/mt/dgcr/archives/20120227140400.html >
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前回のスクリプトは、実行するといきなり印刷されます。いきなり印刷される
のは困る場合もあると思うので、今回は印刷せずに、シリアル番号を割り振っ
た後にAIファイルで保存するように変更したスクリプトを掲載します。必要と
なるファイルや、レイヤー名の命名規則などは前回と同じです。

以下のスクリプトは、実行するとAIファイルを保存するフォルダを聞いてきま
す。ファイルは連番ファイルで保存され0002.aiのように4桁の番号がつきます。

(function(){
var saveFolder = Folder.selectDialog("保存先フォルダを指定してください");
if (!saveFolder){ return; }
var docObj = activeDocument;
var startNo = prompt("開始番号を入れてください",1);
if (!startNo){ return; }
var endNo = prompt("終了番号を入れてください",3);
if (!endNo){ return; }
for (var i=startNo; i<=endNo; i++){
docObj.layers["serial"].textFrames[0].contents = i;
var num = ("000"+i);
num = num.substr(num.length-4, 4);
var saveFile = new File(saveFolder+"/"+num+".ai");
docObj.saveAs(saveFile);
}
})();


次のスクリプトは、1ドキュメントに複数のシリアル番号がある場合に対応さ
せたものです。前回の2番目のスクリプトを、連番ファイルとして保存するよ
うにしたものです。注意点などは前回と同じです。

(function(){
var saveFolder = Folder.selectDialog("保存先フォルダを指定してください");
if (!saveFolder){ return; }
var docObj = activeDocument;
var startNo = prompt("開始番号を入れてください",1);
if (!startNo){ return; }
var endNo = prompt("終了番号を入れてください",3);
if (!endNo){ return; }
var pageNo = 1; // ファイル名末尾煮付けるページ番号
while(startNo <= endNo){
for(var n=1; n<=100; n++){ // 1枚に最大100までのシリアル番号
try{
docObj.layers["serial"+n].textFrames[0].contents = startNo;
startNo++;
}catch(e){}
}
var num = ("000"+pageNo);
num = num.substr(num.length-4, 4);
var saveFile = new File(saveFolder+"/"+num+".ai");
docObj.saveAs(saveFile);
pageNo++;
}
})();


【古籏一浩】openspc@alpha.ocn.ne.jp
< http://www.openspc2.org/ >

コミPo!がバージョン2に。子供のキャラも作れるっぽい。でも、もうちょっと
老人とかのキャラとかがないと、話が作りにくい部分も。同じキャラで服だけ
着せ替える(変更する)ということもできない(服を替えるたびに新たにキャ
ラを作らないといけない)。

他にも欲しい機能はいろいろありますが、今後のバージョンアップに期待。
また、コミPo!のように手軽に漫画を作成できるアプリケーションがたくさん
出て欲しい気もします。

< http://www.comipo.com/pressrelease/pr20120222.html >


・毎度おなじみASCII.jpの連載
「iOS 5で使えるWeb Workersでカメラアプリ作ってみた」
< http://ascii.jp/elem/000/000/672/672889/ >

・クリエイター手抜きプロジェクト【2011年分まで用意しました】
< http://www.openspc2.org/projectX/ >

・改訂5版JavaScriptポケットリファレンス
< http://www.amazon.co.jp/dp/4774148199 >

・10日で覚えるHTML5入門教室
< http://www.amazon.co.jp/dp/4798124184 >

・ハイビジョン映像素材集
< http://www.openspc2.org/HDTV/ >

・Adobe Illustrator CS3 + JavaScript 自動化サンプル集
< http://www.openspc2.org/book/PDF/Adobe_Illustrator_CS3_JavaScript_Book/ >
吉田印刷所の「印刷の泉」でも購入できるようになりました。

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■イベント案内
まにまにフェスティバル(まにフェス)P1
< http://m2.cap-ut.co.jp/fes/ >
< http://blog.dgcr.com/mt/dgcr/archives/20120227140300.html >
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〈主催者発表〉

様々なコンテンツのプラットフォームである「Web」を中心に、その周辺分野
も含め、制作に携わる企業・個人・コミュニティが一堂に集まり展示・発表を
行うことで、情報交換、交流を促進し、互いに刺激を与え合うコミュニケーシ
ョンの場として企画しました。

年々技術が高度に進化するにつれ、コミュニティや勉強会、セミナーなども細
分化が進んでいますが、今回のイべントではそれぞれの専門分野をさらに深掘
りするもよし、近くて遠い「お隣の分野」に目を向けるもよし、いずれにして
も肩の力を抜いて楽しみながら、何かを発見できるような場を目指します。

3F展示・オープンステージは入場自由、参加無料です。4F「ディレクターズ
セッション」「クリエイターズセッション」は、有料・事前申込制です。

日時:2012年4月14日(土)
 3Fオープンステージ・展示 10:30〜18:00
 ディレクターズセッション 11:15〜15:10
 クリエイターズセッション 16:30〜20:30
会場:大阪産業創造館 3Fマーケットプラザ、4Fイベントホール
(大阪市中央区本町1-4-5)< http://www.sansokan.jp/map/ >
参加費:4F各セッション2,000円、3F展示・オープンステージは入場無料

講師:安藤達也(株式会社サイバーエージェント)、松尾茂起(株式会社WEB
ライダー)、植木潤(KDDIウェブコミュニケーションズ)、篠原裕幸(株式会
社メッサリバティ)、伊東美沙貴(AISHA)、春日井良隆(日本マイクロソフ
ト株式会社)、羽田野太巳(有限会社futomi)、古荘貴司(株式会社日本情報
化農業研究所)、ダニエル・デイビス(Opera Software ASA)、金内哲也(フ
ェンリル株式会社)、浅井智也(Mozilla Japan)、矢野りん(バイドゥ株式
会社)、足立昌彦(バイドゥ株式会社)、池田泰延(ClockMaker)、北村英志
(グーグル株式会社)、駒井健生(KDDIウェブコミュニケーションズ) ほか

ブース:株式会社イマジカデジタルスケープ、ウェブ解析士事務局、株式会社
ココノヱ(撃墜王・特設ブース)、株式会社日本情報化農業研究所、株式会社
FirstStep、株式会社ブリリアントサービス、株式会社レッツアイ、ADCC、ア
プリル株式会社 ほか

主催:まにまにカレッジ(合同会社かぷっと)
特別協賛:株式会社KDDIウェブコミュニケーションズ、日本マイクロソフト株
式会社
協賛:株式会社エイクエント、ウェブ解析士事務局、株式会社日本情報化農業
研究所、バイドゥ株式会社、株式会社First Step、Web CAT Studio(株式会社
リクルートエージェント)ほか

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■イベント案内
ニコンサロン連続企画展&シンポジウム「Remembrance 3.11」
< http://www.nikon-image.com/activity/salon/news/index6.htm >
< http://blog.dgcr.com/mt/dgcr/archives/20120227140200.html >
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〈ニコンのサイトより〉

株式会社ニコンでは、東日本大震災により被災された地域の復興に寄与するべ
く「写真の力で復興支援」をスローガンに、さまざまな活動を実施しています。
その一環として、ニコンサロンでは、2月下旬より銀座・新宿ニコンサロンに
於いて「ニコンサロン連続企画展 Remembrance 3.11」を開催いたします。ま
た、企画展に関連して5回にわたりゲストを迎えて連続シンポジウムを開催い
たします。

◎企画主旨

東日本大震災から一年が過ぎようとしています。甚大な被害を受けた被災地で
は復旧が進んでいるように見えますが、その爪痕は今なお大きく残り、多くの
人々は未曾有の体験がもたらした深い悲しみやトラウマを忘れることができな
いまま途方に暮れ、試行錯誤の日々を続けているように思います。

写真の世界も同様です。この間厖大な写真が失われ、厖大な写真が撮られまし
た。多くの写真家たちが被災地へ出かけ、写真にできることは何なのか、写真
を撮ることとは何なのかを問われてきました。写真そのものを新たな形で考え
ざるを得ない状況の中で自問自答を繰り返してきたのです。

ニコンサロンでは大震災から一年という節目にあたり、8つの特別展と5つのシ
ンポジウムを企画し、あらためてこのカタストロフィの意味を多面的な角度か
ら省察したいと考えます。そこには起こったことを検証したり内面化したりす
るだけでなく、未来の問題が含まれてくるでしょう。予知できない未来を放置
するのではなく、カタストロフィを宿命づけられた未来をいかにして現在に組
み込んでゆくことができるのか。

Remembranceという言葉は、記憶や回想だけではなく、追悼や形見という意味
も持ち、何よりも想い出すことが現在をつくりだすことを示しています。それ
は写真の本質とも重なってきます。日本人の誰もが記憶を持ち、今なお語り続
けているこの震災の意味を、複数の展示と対話から、再生への手がかりとして
浮かびあがらせたいと思います。

◎銀座ニコンサロン
(東京都中央区銀座7-10-1 STRATA GINZA ニコンプラザ銀座1階 
TEL.03-5537-1469)

2012年2月29日(水)〜3月 6日(火)
石川直樹写真展「やがてわたしがいる場所にも草が生い茂る」
< http://www.nikon-image.com/activity/salon/exhibition/2012/02_ginza.htm#03 >
2012年3月 7日(水)〜3月13日(火)
笹岡啓子写真展「Difference 3.11」
< http://www.nikon-image.com/activity/salon/exhibition/2012/03_ginza.htm#02 >
2012年3月14日(水)〜3月20日(火)
新井卓写真展「Here and There─明日の島」
< http://www.nikon-image.com/activity/salon/exhibition/2012/03_ginza.htm#03 >
2012年3月21日(水)〜3月27日(火)
吉野正起写真展「道路2011─岩手・宮城・福島─」
< http://www.nikon-image.com/activity/salon/exhibition/2012/03_ginza.htm#04 >

◎新宿ニコンサロン
(東京都新宿区西新宿1-6-1 新宿エルタワー28階 ニコンプラザ新宿内 
TEL.03-3344-0565)

2012年2月28日(火)〜3月 5日(月)
和田直樹写真展「惨禍─三陸沿岸部の定点記録」
< http://www.nikon-image.com/activity/salon/exhibition/2012/02_shinjyuku.htm#04 >
2012年3月 6日(火)〜3月12日(月)
田代一倫写真展「はまゆりの頃に」
< http://www.nikon-image.com/activity/salon/exhibition/2012/03_shinjyuku.htm#02 >
2012年3月13日(火)〜3月19日(月)
鷲尾和彦写真展「遠い水平線」
< http://www.nikon-image.com/activity/salon/exhibition/2012/03_shinjyuku.htm#03 >
2012年3月20日(火)〜3月26日(月)
宍戸清孝写真展「Home」
< http://www.nikon-image.com/activity/salon/exhibition/2012/03_shinjyuku.htm#04 >

◎【巡回展】大阪ニコンサロン/ニコンサロンbis大阪
(大阪市北区梅田2-2-2 ヒルトンプラザ・ウエストオフィスタワー13階
ニコンプラザ大阪内 TEL.06-6348-9698)

2012年3月22日(木)〜3月28日(水)
石川直樹写真展「やがてわたしがいる場所にも草が生い茂る」
和田直樹写真展「惨禍 ─三陸沿岸部の定点記録」
2012年3月29日(木)〜4月 4日(水)
笹岡啓子写真展「Difference 3.11」
田代一倫写真展「はまゆりの頃に」
2012年4月 5日(木)〜4月11日(水)
新井卓写真展「Here and There─明日の島」
鷲尾和彦写真展「遠い水平線」
2012年4月12日(木)〜4月18日(水)
吉野正起写真展「道路2011─岩手・宮城・福島─」
宍戸清孝写真展「Home」

◎「Remembrance 3.11」連続シンポジウム(全5回)

※受講無料。予約不要。直接会場にお越しください。会場の都合により満席の
場合には、立ち見あるいは入場できない場合がございますので、ご了承下さい。

第1回/2012年2月24日(金)18:30〜20:00 ニコンプラザ新宿
テーマ:日本ゼロ写真/カタストロフィと日本写真
講師:港千尋(写真家・写真評論家)×椹木野衣(美術評論家)×伊藤俊治
(写真史家・美術評論家/ニコンサロン選考委員=司会進行)

第2回/2012年3月2日(金)18:30〜20:00 ニコンプラザ新宿
テーマ:あの日からの写真、マンガ、文学
講師:平野啓一郎(小説家)×しりあがり寿(漫画家)×北島敬三
(写真家/ニコンサロン選考委員=司会進行)

第3回/2012年3月16日(金)18:30〜20:00 ニコンプラザ新宿
テーマ:写真とことば─記録の先にあるもの
講師:池澤夏樹(小説家・詩人)×鷲尾和彦(写真家)×新井卓(写真家)
×竹内万里子(写真批評家/ニコンサロン選考委員=司会進行)

第4回/2012年3月20日(火・祝)18:30〜20:00 ニコンプラザ新宿
テーマ:100年の東北、50年後の日本
講師:赤坂憲雄(民俗学者)×大島洋(写真家/ニコンサロン選考委員
=司会進行)

第5回/2012年3月23日(金)18:30〜20:00 ニコンプラザ新宿
テーマ:原発報道とメディア
講師:武田徹(ジャーナリスト・評論家)×土田ヒロミ
(写真家/ニコンサロン選考委員=司会進行)

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■イベント案内
第29回WebSig会議「効率化だけではない!中小〜中堅ECサイトの成果を上げる
『メディア編集力』とは」
< http://websig247.jp/meeting/29/000230.html >
< http://blog.dgcr.com/mt/dgcr/archives/20120227140100.html >
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楽天やAmazonなど巨大化ショッピングモールが台頭する中、年商数千万〜数億
の中小〜中堅ECサイトも増えてきています。その多くが、そのECならではの独
自性や工夫を行っています。その工夫や独自性はどのようなものなのか。その
ヒントの1つがECサイトの魅力を高める「メディア編集力」です。

後半では、参加者全員によるグループワークを実施し、EC事業者、Webサイト
制作者両方の立場から見た、独自性を出すECサイトのあり方、売上げ向上の工
夫、Win-Winを築くパートナーシップ(テーマは後日決定します)などについ
てディスカッションし、新たなノウハウを共有します。

日時:2012年3月3日(土)13:00〜18:00
会場:シナジーカフェ GMO Yours(GMOインターネット株式会社内 セルリア
ンタワー11F)< http://www.gmo.jp/company-profile/outline/ >
参加費:3,000円

大阪サテライト会場:ファーストサーバ株式会社 大阪本社3F会議室
(大阪市中央区安土町1丁目8番15号 野村不動産大阪ビル3F)
< http://www.firstserver.co.jp/corporate/accessmap.html >
定員:35名
参加費:500円
< http://kokucheese.com/event/index/28891/ >

福岡サテライト会場:五幸ビル6F(福岡市博多区博多駅東1-12-17)
定員:60名
参加費:1,000円
< http://kokucheese.com/event/index/29053/ >

前半:クラシコムのノウハウ大公開!〜メディア編集力で集客アップして脱楽
天を実現しても売上アップ
株式会社クラシコム 代表取締役 青木耕平
< http://kurashicom.jp/ >
後半:グループワーク

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■編集後記(02/27)

・大学生の24%が「平均」の意味を正しく理解していない、という不都合な真
実が「大学生数学基本調査」で判明したという読売の記事。調査は国公立、私
立の48大学で実施、主に入学直後の学生5934人が協力。5問全問正解した学生
はわずか1.2%だったという。「偶数と奇数を足すとなぜ奇数になるのか」を
論理的に説明させる中3レベルの問題の正答率は19%で、小6で学ぶ「平均」に
ついても誤答が目立ち、中堅私大では半数が×だった。
新聞には問題例が3題しかなかったので、日本数学会のサイトで全5題をやって
みた。2次関数の特徴を解説する問題(高1)と、偶数と奇数を足すと必ず奇数
になる理由(中2)を説明できなかった。相似を利用した作図(中3)は、デザ
インの基礎でいつも使っていたから楽勝(定規で測る実測派は誤答:妻がそう
だった)。と思っていたら、コンパスと定規を用いる問題だから、わたしの三
角定規を使う方法はダメみたい。しかし、模範解答では詳しい作図方法を省略
しているのはなぜだ。他は日本語がわかれば解けるが、注意力が必要だ。
日本数学会は、「論理的文章を理解する力、論理を組み立て表現する力が学生
から失われつつある」とし、「大学に対して:数学の入試問題はできるかぎり
記述式にする。1年次2年次の数学教育において、思考整理と論理的記述を学生
に体得させる」という提言をしている。わたしは提言する。「4月に入学、全
学生に基礎的なよみかきそろばん&日本史の勉強をさせ、9月から大学の勉強
に入る」どうだ? またデジクリ理系3人の筆者にこの問題を見せたが、図形
でかなり時間を要したようだった。               (柴田)
< http://mathsoc.jp/comm/kyoiku/chousa2011/ >
日本数学会「大学生数学基本調査」に基づく数学教育への提言
問題は、添付文書の5.調査表(問題を含む)を参照。4.の正答例を先に見て
はいけません。

・まとめサイトで見つけた「Webシステム開発の値段」。元増田(最初に発言
した人。匿名なのでそう呼ばれる)は若いというだけでIT担当にさせられた人。
システムを作ることになり、見積をとったら各社ばらばらで、25万〜400万と
いう開きが出た。見積項目の意味はわからず、何より同じシステムなのに、こ
の開きは何だろうという疑問を投げかけた。これに対してのレスがとても参考
になる。作り手にも要件定義の責任はあり、詳しくないでは済まされない。担
当者が詳しくないということは、後から追加修正が発生するだろう。「〜する
だけのシステム」なんてあり得ない。そのシステムを実現するためには、他の
要素も考えうる。発注内容が曖昧なので見積に開きが出ている。などの意見と
ともに、どういう流れで発注すれば良いのか、予算はどうとるべきか、などの
話まで書かれてあった。この増田さんたち(レスをつけた人たち)に直に話を
聞いてみたいよ。/コメント欄「物凄くトラブル多そうな曖昧な案件だと、保
険のために高めに見積もりだすことがあるが、大体予想通りのトラブルが全部
起きて、帳尻が合うか酷い時は赤字になる。」……そうなのよね。
                            (hammer.mule)
< http://masuda.livedoor.biz/archives/51791103.html >
Webシステム開発の値段

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発行   デジタルクリエイターズ < http://blog.dgcr.com/mt/dgcr/ >

編集長     柴田忠男 < mailto:shibata@dgcr.com >
デスク     濱村和恵 < mailto:zacke@days-i.com >
アソシエーツ  神田敏晶 < mailto:kanda@knn.com >

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2012年2月24日金曜日

日刊デジクリ[#3213] 歴史の事実は変えられない

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          《渋谷をちゃんと残したいのだ》

■映画と夜と音楽と…[534]
 歴史の事実は変えられない
 十河 進

■ところのほんとのところ[74]
 東急東横ビルは[ところ]世界遺産
 所幸則 Tokoro Yukinori

■デジアナ逆十字固め…[123]
 「ZENJIX」ブランドを立ち上げ
 上原ゼンジ

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■映画と夜と音楽と…[534]
歴史の事実は変えられない

十河 進
< http://blog.dgcr.com/mt/dgcr/archives/20120224140300.html >
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            〈てんやわんや/本日休診/花の生涯/台所太平記
                    /夫婦善哉/早春/もず/鰯雲〉

●終戦後を知る人たちはまだまだ大勢生きている

「恩田陸、荻原浩、桜庭一樹、辻村深月、有川浩、木内昇…、さて、この中に
何人女性作家がいるでしょうか?」というクイズを出したいくらい、最近の女
性作家は男名前を付ける。昔、小説の主人公(男)と同じ名前にするために栗
本薫と名乗った中島梓はいたけれど、それとはちょっと違う。もっとも、読み
方は浩を「ヒロ」と読ませたり、昇を「ノボリ」と読ませたりする。

その木内昇さんの評判になっている「笑い三年、泣き三月。」を読んだ。「三
月」は「みつき」と読まないと七五調にならない。終戦の翌年から朝鮮戦争が
始まる頃までの数年間を背景にした小説だ。終戦後、ひと旗あげようと東京に
やってくる萬歳芸人が、上野に着くところから物語が始まる。駅前に立った彼
は、一面の焼け野原に息を呑む。

彼は根っからの善人で、自分の持っている革鞄の中の食料を狙う戦災孤児(彼
は東京大空襲で親兄弟を失い、自分だけが生き残った後ろめたさを感じている)
を「坊ちゃん」と呼んで可愛がる。彼らが出会う南洋からの復員兵は、悲惨な
戦争のせいか、好きだった撮影所を首になったせいかわからないが、ひどいひ
ねくれ者で毒舌ばかり吐く。この三人が浅草の芝居小屋に居着くことになる。

その芝居小屋を立ち上げたのは、PCL(東宝の前身)に長く助監督として勤め
ていた人物である。自分が作った戦意高揚映画を見て少年たちが予科練に入っ
たことを知り、好きな映画の世界をやめる。復員兵とは昔なじみだ。その小屋
では、戦後初めて女性のヌードを見せた額縁ショーをヒントにして、肌を露出
した踊り子たちが登場するショーを企画する。

その踊り子として応募してくるのが、戦前は白亜の豪邸に住んでいたという元
財閥令嬢を名乗る「ふうこ」である。しかし、彼女は終戦直後に日本政府が
「良家の婦女子の貞節を守る」名目で設立した、占領軍(進駐軍と呼んだ)兵
士のための公的な売春宿(特殊慰安施設協会「略称RAA」ともっともらしい名
前を付けた)にいたことを別の踊り子に暴露される。

その「ふうこ」の部屋で、萬歳芸人と戦災孤児と復員兵が同居することになる。
窓を隔てた向かいの部屋に住むのが復員兵の昔なじみで、戦争中は従軍写真家
として特攻隊員たちを撮影してきた男だ。彼は南洋でマラリヤに感染していて、
時々、発作を起こす。彼の手引きで戦災孤児は写真の世界に興味を示す。

木内さんは四十代半ば、自分の知らない古い時代を詳しく調べたのだろう。こ
ういう時代設定がむずかしいのは、その時代を知っている人がまだまだ多くい
るからだ。時代小説なら多少の間違いは気付かなくても、自分が経験している
時代なら「こんなことはなかったぞ」と言われてしまう。僕は生まれる前の話
なので「よく調べているなあ」と感心しながら読んだ。

戦前の写真雑誌「光画」が紹介されたり、戦前のPCLの話が出てきたり、戦後
の東宝争議が同時代の事件として話されたりする。その辺のことはよく知って
いるので間違っていれば気付くのだが、僕は自然にすらすらと読んだ。よくで
きた人情話で、ときどき涙ぐむ。僕の会社が戦前に出版した写真の技術書が登
場するかと思ったが、残念ながら出てはこなかった。

「笑い三年、泣き三月。」を読んでいて思ったのは、主人公の復員兵や小屋主
は黒澤明や成瀬巳喜男がいた頃に砧の撮影所で一緒に働いていたのだなあ、と
いうことだった。池部良も東宝在籍のまま出征し、戦後、「青い山脈」(1949
年)で人気が出る。そして「笑い三年、泣き三月。」の主人公たちが浅草でス
トリップショーを始めた頃、黒澤明監督の「酔ひどれ天使」(1948年)が公開
された。

同じ頃、小津監督も名作を作り続けていたが、残念ながら成瀬巳喜男監督はま
だ戦後の名作群を作っていない。戦前の名匠も鬱々として楽しまない日々が続
いていたのか、その頃「ヤルセナキオ」と呼ばれた。先日、亡くなった淡島千
景さんも当時は、宝塚の人気スターとして活躍中だ。そして、成瀬が淡島千景
を主演に作品を撮るのは十数年後のことだった。

●映画の世界で半世紀以上生きてきた女優としての歴史

人気作家だった獅子文六の新聞連載小説を渋谷実が監督した「てんやわんや」
(1950年)で松竹からデビューしたとき、淡島千景はすでに二十代も半ばを過
ぎていた。しかし、その鮮烈なデビューぶりは有名だ。冒頭、セパレーツの水
着を身に着け、ビルの屋上で日光浴をしているのである。彼女は、戦後の女性
像を作った。明るく、活動的で、ドライ(死語ですね)なアプレガールである。

しかし、僕が記憶している最初の淡島千景は、NHK大河ドラマ第一作目「花の
生涯」(1963年)のたか女である。人気作家だった舟橋聖一の原作で、井伊直
弼を尾上松緑、その参謀役になる長野主膳を佐田啓二(中井貴一のお父さん)
が演じ、ふたりの男に愛される村山たかを淡島千景が演じた。それは映画版
「花の生涯」(1953年)のたか女を気に入った原作者が強く推薦したからだ
った。

「花の生涯」が放映されていたときに公開になったのが、谷崎潤一郎原作の
「台所太平記」(1963年)だ。これは谷崎家に勤めた女中さんたちを描いたも
ので、文豪役を森繁久爾が演じ、その妻の役が淡島千景だった。「花の生涯」
のたか女はもちろん着物しか身に付けないが、この映画でもずっと和服姿だっ
た気がする。僕にとって淡島千景は、和服の似合う女優だった。

僕も初期の「本日休診」(1952年)などは見ているが、淡島千景という女優に
関しては着物姿の年上の女というイメージが強い。森繁久爾と共演した代表作
「夫婦善哉」(1955年)でも、ずっと着物姿だったと思う。元芸者の役だし、
時代設定から言って不思議ではない。セパレーツの水着姿のアプレガール役と
いう方が、僕には想像できなかった。

だからだろうか、小津安二郎監督の「早春」(1956年)で洋装のサラリーマン
の奥さん役で出てきたときには、ひどく新鮮な感じがした。主人公の池部良が
演じるのは、蒲田から丸の内に通っているサラリーマンである。その妻が淡島
千景だった。結婚して八年、子供もいない夫婦の間にはすきま風が吹いている。
いわゆる倦怠期である。

池部良には、通勤電車の中で知り合った遊び仲間がいる。須賀不二夫や高橋貞
二などだ。会社が終わると麻雀をしたり、休日にはみんなでハイキングに出か
けたりする。その仲間のひとりにキンギョと呼ばれる、岸恵子が演じるOL(当
時はそんな言葉はなくて、女事務員か?)がいる。ちょっと不良っぽいところ
があり、ある日、池部良は岸恵子と深い仲になる。

池部良とキンギョの仲が、妻である淡島千景に知られる。妻は家を出て、友人
のところに寄宿する。夫は苦悩し、キンギョと別れ、生活を変えるために地方
転勤の話を受ける。ある日、地方の旧家に下宿している池部良が帰ると、二階
の部屋から何も言わず妻が姿を現す。このシーンの淡島千景の表情が忘れられ
ない。再び夫と一緒に生きていこうと決めた穏やかな顔をしている。

●明るく振る舞う中に浮かび上がる哀しみや切なさ

「夫婦善哉」もそうだが、女にだらしなく甲斐性もない夫を許し、暖かく包み
込む優しさが淡島千景が演じる女性像にはあった。勝ち気で、気っぷがよく、
啖呵を切るように早口で喋る、頼りがいのある女性像。しかし、一方で、だら
しないところもある女という印象がある。そのだらしなさの中から、彼女が抱
えた哀しみや切なさが浮かび上がってくる。

「もず」(1961年)という映画がある。淡島千景は、有馬稲子の母親を演じて
いる。しかし、実際には淡島千景は有馬稲子より八年早く生まれただけだ。こ
のとき、淡島千景は、まだ四十にもなっていなかった。それでも、結婚に失敗
して上京してきた二十年ぶりに会う娘(有馬稲子)に戸惑う母親を演じて味わ
いがあった。

「もず」は、彼女がデビューした「てんやわんや」と同じ渋谷実監督である。
小津安二郎や木下恵介ばかりが騒がれるが、松竹には同時期に渋谷実監督もい
たのだ。渋谷実作品は軽妙なコメディという印象があるけれど、「もず」はシ
リアスな作品で、母と娘の複雑な葛藤を描いている。娘に嫉妬する母親を演じ
た淡島千景が印象に残る作品だ。

僕は昔から憂いを秘めた泣き顔の女優(松原智恵子とか酒井和歌子)が好きで、
有馬稲子はその代表格である。しかし、憂いや哀しみを湛えた泣き顔ではなく、
どちらかというと暗さばかりが目立つ印象がある。小津安二郎監督の「東京暮
色」(1957年)では妊娠して自殺する役だったこともあるが、終始、暗い表情
ですぐにも泣き出しそうだった。

「もず」でも、有馬稲子の表情は暗い。二十年ぶりに別れていた母親を訪ねる
が、母親は料理屋の仲居(酌婦という言葉が似合う)として長年暮らしていて、
その世界にどっぷりと浸かっている。その夜、母親のなじみ客(永井智雄)が
やってきて、その客と座敷で二人きりになった母親をうかがう有馬稲子の表情
は本当に暗い。世の中の不幸をすべて背負った顔をしている。

逆に、久しぶりに店にきたなじみ客に嬌声をあげて甘える淡島千景のだらしな
さと、その姿態からにじみ出る悲しみが忘れられない。淡島千景は明るい(あ
るいは明るく振る舞う)役が多かったが、それとは裏腹なさみしさをにじみ出
す。「もず」でも男に媚態を示しながら、一方で娘の目を気にする。そこに人
生の深い味わいが漂うのだ。

●成瀬巳喜男と淡島千景が作った昭和33年の厚木の話

さて、戦前、松竹からPCLに移り評価の高い作品を作った成瀬巳喜男監督は、
戦後も五年を過ぎた頃から活発に作品を発表する。1945年から1949年までは年
に一作だったが、1950年(昭和25年)には四作品、翌年には「銀座化粧」「舞
姫」「めし」と名作が続いた。「笑い三年、泣き三月。」の登場人物たちがそ
れぞれの道を歩き始めた頃である。戦後も落ち着いてきたのだろう。

その後、朝鮮戦争によって日本は好景気になる。そんなことも、もしかしたら
影響しているのだろうか。その後の数年間に成瀬巳喜男監督は十数本の作品を
作り、すべてが成瀬調の名作傑作ばかりである。制作本数が落ち着くのは、
1957年(昭和32年)からだ。この後、ほぼ年一本のペースが数年続く。そして、
1958年に公開されたのが淡島千景主演の「鰯雲」だった。

1958年(昭和33年)は、「ALWAYS 三丁目の夕日」(2005年)が舞台に選択し
た時代だ。その年は、日本が国連安保理事会の非常任理事国になったニュース
から始まった。国民の多くが国際社会への復帰を実感したことだろう。同じ1
月1日、「東京通信工業」は社名を「ソニー」に変更した。

2月には日劇で第一回「ウエスタン・カーニバル」が開催され、女性ファンが
熱狂し失神者が出る。KRTテレビ(現在のTBS)で「月光仮面」の放映が始まり、
4月からの売春禁止法の実施に向け赤線業者の転業や廃業が始まった。3月には
関門トンネルが開通し、東京では国立競技場が落成式を行った。

4月、長嶋茂雄が巨人軍選手としてデビューし、金田正一投手によって4打席4
三振に仕留められた。NHKは「事件記者」と「バス通り裏」の放映を始め、南
極観測船「宗谷」が帰還した。6月、阿蘇山が噴火し、7月には横井英樹が狙撃
され、安藤組組長の安藤昇が逃亡生活に入った。そして、12月23日、東京タワ
ーの落成式が行われ、翌日、数え切れない人々が展望台をめざして列を作った。

そんな年だったが、まだまだ戦争が与えた傷は深かった。「鰯雲」の中で、淡
島千景は東京近郊の農家の戦争未亡人を演じている。短い結婚生活で長男を生
むが夫は戦死し、戦後の農地改革を経て少なくなった農地を女手ひとつで支え、
姑にイヤミを言われながら戦後を生きている。そんな彼女のところに新聞記者
が農家の生活を取材にきているシーンから映画は始まる。

記者を演じるのは、「七人の侍」や「野良犬」など黒澤明作品でおなじみの木
村功だ。彼は農家の主婦だがテキパキと受け答えする、女学校出の元地主の娘
である淡島千景に好意を持つ。木村功は自転車で取材に来ていたのだがパンク
してしまい、淡島千景の自転車で町まで送ってもらうことになる。木村功を後
ろに乗せて農道を力強く自転車を走らせる淡島千景がたくましい。

農道の周囲は、見渡す限りの田園風景だ。高い建物など何もない。一体、どこ
の田舎だと思っていたが、淡島千景の自転車が着いた場所は、ある新聞社の
「厚木通信部」と看板が下がった事務所である。「厚木かい」と、思わず僕は
口にした。今では都内へ通勤する人々が暮らす町である。昭和33年、あんな田
園風景が広がっていたのだ。

この映画でも、淡島千景は洋装になることはない。普段は和服姿であり、農地
を耕したり田植えをするときはもんぺ姿である。厚木だと思って見ると、田植
風景のシーンで奥を走り抜けるのは確かに小田急電車である。ロマンスカーら
しき電車も写っているが、四両編成である。テッチャンたちにとっては、貴重
な資料映像なのかもしれない。

●古い映画を現在の視点で見るのは仕方がないこと

「鰯雲」は戦後の農村の様々な問題を描いていて、なるほど当時はそれが大問
題だったんだろうなあ、と歴史的感慨を伴って見てしまう。戦前の地主の家か
ら嫁いだ淡島千景は姑問題を抱え、本家を継いだ兄(中村雁治郎)は戦後の新
憲法や農地改革に戸惑う。その長男(小林桂樹)は嫁取り問題があり、商業学
校を出て厚木で銀行に勤める次男(太刀川洋一)は従姉妹(水野久美)と深い
関係になり、三男(大塚国夫)は東京で自動車修理工の学校へ通うと言い出す。

そんな五十年以上前の作品に、改めて映像の力を感じた。淡島千景は四十歳の
姿を留めているし、厚木駅は木造の駅である。厚木駅前には小さな食堂がポツ
ンとあるだけだ。しかし、登場人物たちにとって「町」と言えば、厚木なので
ある。そこで小料理屋を営んでいるのが淡島千景の女学校時代の同級生(新珠
三千代)であり、彼女のパトロンは儲かるらしいと聞いて自動車教習所を開こ
うとしている。

僕の世代だと、そんな時代の雰囲気をまだ受容できるし、ある意味では懐かし
い風景なのだが、若い人が見るとこの映画はどんな風に見えるのだろう。僕が
明治の頃の記録映像を見るような感じなのだろうか。それでも、ノスタルジー
を掻きたてるように美化され再現された「ALWAYS 三丁目の夕日」の光景とは
違って、実際の光景を見ることができるのだ。貴重だと思う。

最後は、東京本社に転勤になった木村功を見送るシーンだ。わびしい田舎駅の
ホームで、小林桂樹と嫁(司葉子)が「どうしたのかしら?」などと言ってい
る。淡島千景がこないのをいぶかしんでいるのだ。カットが変わると淡島千景
は、ひとりで田植えを終えた田んぼで農作業を黙々とこなしている。男への想
いを断ち切るような表情がせつない。それほど当時の厚木と東京は遠かったの
だろう。

「鰯雲」の世界は、すでに歴史の領域に入っている。そこには厚木付近の農家
の当時の深刻な問題が描かれているけれど、今の僕は彼らが農地を宅地として
売り、土地成金になったことを知っている。いくら、昔気質の中村雁治郎が土
地を売る悲しさを演じても、一方で「もう少しして宅地ブームになれば、いい
目に遭うから」とツッコミを入れている己がいる。

古い映画を見るときに、どうしても現在の目で見ることになるのは仕方がない。
日本がどう復興し、厚木がどう発展するのか、僕たちは知っているし、中村雁
治郎や杉村春子、小林桂樹がいくつまで生きたか、そして淡島千景が2012年2
月16日に87歳で死ぬこともわかっている。それでも、物語に浸れるのは、その
作品がすぐれている証左だと思う。

ところで、「笑い三年、泣き三月。」のように現在の作家が昔を書くと、どこ
かにその視点(歴史の結果を知っていること)が入ってしまうのも仕方がない
ことだ。登場人物は何が起こるかわからないが、作者も読者も知っている。逆
に、作家はそれを利用する。たとえば、登場人物が昭和20年8月6日のヒロシマ
にいる設定の物語が、過去、数え切れないほど描かれてきたように…。

【そごう・すすむ】sogo@mbf.nifty.com < http://twitter.com/sogo1951 >

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「2003年版 青息吐息編」350円+税
「2004年版 明鏡止水編」350円+税 各年度版を順次配信
< https://hon-to.jp/asp/ShowSeriesDetail.do;jsessionid=5B74240F5672207C2DF9991748732FCC?seriesId=B-MBJ-23510-8-113528X >

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■ところのほんとのところ[74]
東急東横ビルは[ところ]世界遺産

所幸則 Tokoro Yukinori
< http://blog.dgcr.com/mt/dgcr/archives/20120224140200.html >
───────────────────────────────────
[ところ]は2008年の元旦から渋谷の街を撮り始めた。夜明け前から渋谷をう
ろつきシャッターを切っていた。もともとスナップも風景も得意だった中学〜
大学の頃の勘はすぐ戻ってきた。1982年から住んでいるのに、26年間は渋谷を
撮らなかったということになる。今は2012年だから、撮り始めて4年目に入っ
ている。

[ところ]は、大学の2年生の頃から人物の構成による作品が増え、気ずくと
人物写真家になっていたが、2002年頃から少しずつ気持ちが変わっていった。
2006年末に2007年世界フィギュアの6連ポスターを仕上げたときに、なんだか
集大成のような気がしたことと、作品集「CHIAROSCURO天使に至る系譜」(美
術出版社)を出したことが大きな要因だったと思う。特にこの本では[ところ]
の半生を綴っているので、たぶん「生まれ変わりたかった」のだと思う。

2008年の前半に力を入れたのは、渋谷に住んでいる利点を生かしたスナップ写
真だった。それも、夜明け直前から夜明け1時間ぐらいの写真ばかり。この写
真は好評で連載の話も来たけれど、[ところ]の勘を信じて断った。それまで
とは違う考え方の写真を追求した結果、たどり着いたのが「渋谷1セコンド」
だった。

これは多くの人にすごく受け入れられた。日本でもヨーロッパでも、写真の世
界で評価された。随分いろいろなメディアで紹介もされた。そういう実績が積
み重なって行くうちに、渋谷・東地区まちづくり協議会とか渋谷区役所も展示
の協力をしてくれるようになっていった。

[ところ]に東急建設株式会社の原和弘さんを紹介してくれたのは、ワイン仲
間の建築家・西森陸雄くんだった。原さんからは、渋谷・東地区まちづくり協
議会の代表幹事・小林幹育さんをご紹介いただいた。何がどう繋がるか、世の
中予想もできない。

そして、2009年あたりから渋谷がどんどん変わって行く気配を感じ始めた。20
08年から撮っていたが、あったものがなくなり、なかった所に新しいもの生ま
れるのを目のあたりにする。記録のつもりで撮っている意識などなかった[と
ころ]だったけれど、まぎれもなく記録の意味も持つようになっていったこと
が、いまさらながらに衝撃だった。写真とはもともと記録に使われることが主
なる目的だったんだと、改めて気づかされた。

東急の人たちと話していると色々なことがわかってきた。[ところ]の大好き
な東急東横のビルがなくなるということ。銀座線が地上3階から、地下に潜る
こと。東急東横線も地下に潜ってしまう。まったく違う渋谷に変わってしまう
という。

それを聞いた時、渋谷がなくなってしまう前に、渋谷のあらゆる路線の駅ビル
でもある東急東横百貨店の中や上から、渋谷の街を撮りたくなった。渋谷のラ
ンドスケープを撮っている「写真家所幸則」としては当然の感情だろう。

もう時間がない。渋谷を渋谷足らしめている根幹であるこの建物の中、もしく
は外からの撮影ができないものか、原さんと小林さんに相談した。2か月後、
お二人のお口添えもあり、2日間自由に撮影できる許可がもらえた。

屋上から、パイプを乗り越えて鉄柵から、テラスのような所から。もちろん恐
怖感が伴う撮影もあったが、不思議な光景を捉えることができた。東急東横ビ
ルの中に、銀座線が吸い込まれたり、JRが吸い込まれたりする光景は素晴らし
かった。こうして、新たな「渋谷ワンセコンド」が撮れたので、必ず発表した
いと思う。

[ところ]セレクトの[ところ]世界遺産ともいうべきこの建物は、もっとい
ろいろな角度から撮りたいので、また相談しながら撮り方を考えたい。
渋谷をちゃんと残したいのだ。

最後に告知!
発売中の「月刊CAPA」3月号の連載「スローフォト」パリ編、僕の写真感をコ
ラムで書いています。

「日本の問題 Ver.311(収益全額寄付公演)」の最終日のアフタートークで
[ところ]がゲストとして話すことになりました。是非足をお運びください。
< http://nipponnomondai.net/ver311/ >
< http://stage.corich.jp/stage_detail.php?stage_main_id=26545 >

【ところ・ゆきのり】写真家
CHIAROSCUARO所幸則 < http://tokoroyukinori.seesaa.net/ >
所幸則公式サイト  < http://tokoroyukinori.com/ >

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■デジアナ逆十字固め…[123]
「ZENJIX」ブランドを立ち上げ

上原ゼンジ
< http://blog.dgcr.com/mt/dgcr/archives/20120224140100.html >
───────────────────────────────────
先日「CP+」の会場で、「ZENJIX」ブランドの発表会を行なってきた。
「ZENJIX」というのは、私が考案した宙玉レンズや蛇腹レンズなどの製品のブ
ランドのこと。実際はカメラやカメラの関連用品の製造販売を行なっている
「アドプラス」から製品化され、販売されることになっている。

アドプラスの社長の清家英明氏と初めてお会いしたのは、昨年のCP+の会場だ
った。そこで宙玉レンズなどを製品化していきたいという話があり、その後何
度かお会いしたり、試作品を作ったりして、今回のブランドの立ち上げになっ
たというわけだ。

でも、最初の頃はあまり「ブランド」というようなイメージはなかったかもし
れない。試作品の形が見えてきた時に、製品にロゴを入れようという話になり、
初めて「ブランド」を意識した。

「ZENJIX」というのは本名の「善二」からとった。これは「吉野善三郎」さん
の「ゼンザブロニカ」とか、「小西六兵衛」の「コニカ」と同じ方式だな。
「キヤノン」が「観音」から名付けたというのは知っていたけど、「ミノルタ」
が「稔る田」からとったというのは、今初めて知った。ブランド名の由来とい
うのもなかなか面白いですね。

アドプラスは熊本の会社で、自社で製品を開発したり、海外から面白い製品を
輸入して販売したり、フィルムの現像などもやっている。最近はフィルムの現
像をやってくれるところが少なくなってきているが、アドプラスの「トイラボ」
ではカラーネガだけでなく、リバーサルフィルムやモノクロ現像、それからク
ロスプロセスなどにも対応している。スキャニングまでやってくれるので、み
んな熊本までわざわざフィルムを送っているというわけだ。

輸入商品だとF値0.95という明るさを誇る「SLR Magic HyperPrime 50mm 」 と
か、旧ソビエト製のカメラをリメイクした「RED ARMY CAMERA Fed 5B」など、
ちょっと変わった製品を探してきて販売している。

最新のヒット作はカメラの形をしたiPhoneケースのiCAだ。CP+の会場では
Canonブースの真ん前という、いい場所にブースを構えていたアドプラスだが、
このiCAは人気が高く、ブースにはいつも人だかりができていた。いろんなメ
ディアにも取り上げて貰えたし、熊本からみんなで出てきて宣伝をしたかいが
あったんじゃないだろうか。

◇iCAのシステムは、この動画を見ると分かりやすい(MACお宝鑑定団)
< http://www.youtube.com/watch?v=WNPltOUrhIw >

●ガッチリ握手とかミニ鏡割りとか

「ZENJIX」の発表会というのは、アドプラスの小さなブース内で行われた。ス
テージ上に吉高由里子を上げていた、対面のキヤノンブースとはちょっと規模
が違います。

発表会の直前まであまり人が集まっていなかったから、誰も聞いてくれる人が
いないと悲しいなと思ってたんだけど、始めたら徐々に人が集まりだした。ま
あ、写真やカメラが好きな人が、いーっぱい来てるから、イベントが始まれば、
なんだなんだという感じで人は見てくれるのだ。

この発表会では、私と清家社長がガッチリと握手を交わしているところの撮影
会とか、ミニ鏡割りなどが行われた。鏡割りの樽は酒の入っていない小さなプ
ラスチック製のオモチャのようなもんなんだけど、これを二人で木槌で叩くと
マグネット式のフタがパカンと開くというシステムだ。でも後で考えてみたら、
木槌は二本あるべきだった。二人で木槌を持ったら、ケーキ入刀になってしま
う。まあ、清家さんとの初めての共同作業ということにしておこう。

「ZENJIX」ではカメラやレンズ、写真用品などをリリースしていく予定。第一
弾がiPhone用の宙玉レンズで、ネジ式でiCAにも付くようになる。今後iCA用に
は、魚眼やマクロ、望遠などのレンズが製品化される予定なのだが、そういっ
た製品と互換性があり、宙玉を外したら、魚眼を付けたり、マクロレンズを付
けたりということができるわけだ。

また宙玉レンズはその後、一眼レフやコンパクトデジカメ用のものも製品化し
ていきたいと思っている。やはりチップスターの空き箱を使って工作をするの
はちょっと面倒だし、チップスターをレンズの先に付けてウロウロしたくない
という人が大半だろうからw

今回のCP+は前年と比べ3割増しぐらいの入場者数だったようだ。実際、現場に
いて賑わってる感はあったし、カメラを触るための行列もたくさんできていた。
やはりイベントの直前にニコン D800、オリンパス OM-D、ペンタックス K-01
などの発表があったというのも大きかったのだろう。

さまざまなタイプの製品が続々登場してくる様子は、デジタルカメラ開発の戦
国時代という感じもする。震災、タイの洪水、円高などでどのメーカーも苦し
い中、このイベントに合わせて、新製品を開発してきたということだろう。

単に1ユーザーとして見れば、いろんなタイプのカメラが出てくることは大歓
迎だが、5年後、10年後にどのメーカーのどのシリーズが生き延びているのか
と考えるとちょっと恐い気もする。なんか頑張りすぎているようにも思えるか
らだ。

ただ、我々もそんな戦国時代に「ZENJIX」として参入していこうとしているん
だから、ずうずうしい話だ。まあ、ニッチに生き残れるよう、大手には出来な
いような面白い製品を出していきたいものだと思ってます。

◇「ZENJIX」ブランド発表会(動画)
< http://www.youtube.com/watch?v=jqIku1Q-HVc >

●「521金環日食観察会」を全国に広げよう!

前回も5月21日の金環日食観察会の話を書かせていただいたが、その後体制も
整ってきつつある。私も呼びかけに協力しているのは、きちんとした観察会の
開催を全国に広めていこうという動き。日食が観察できるのは、朝の通勤通学
の時間帯なので、世紀の大イベントをきっちり体感しましょうという話だ。

今後、ビジネス的にも盛り上がっていくことが予想されるが、実際には当日観
ることができなかったり、通学途中に観ようとして目を痛めたり、事故に遭っ
てしまったりということも起こりうる。だったら、学校側にお願いをして観察
会を開くのがベスト。

それに対して、所沢市での開催にこぎつけた光学機器メーカーのビクセンでは、
「ソラミンゴプロジェクト」を立ち上げた。サポーター企業や学校OBと組んで
「日食グラス」をプレゼントしようという動きだ。興味を持たれた方はぜひサ
イトの方をご覧下さい!

◇「ソラミンゴプロジェクト」サイト
< http://soramingo.net/ >

【うえはらぜんじ】zenji@maminka.com < http://twitter.com/Zenji_Uehara >
上原ゼンジのWEBサイト
< http://www.zenji.info/ >
Soratama - 宙玉レンズの専門サイト
< http://www.soratama.org/ >
上原ゼンジ写真実験室のFacebookページ
< https://www.facebook.com/zenlabo >

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
■編集後記(02/24)

・堂場瞬一「ヒート」を読む(実業之日本社、2011)。非常におもしろかった。
神奈川県知事から、世界最高記録の出るマラソン大会を実施し、日本人に優勝
させよ、という無理難題の命令が下った県スポーツ課の一職員・音無。超高速
コースの設定、勝てるランナーの招聘、強いペースメーカーの確保になりふり
かまわず突進する。不運な競技人生を送っている、ハーフの元日本最高記録保
持者の甲本。音無は天性の物といえるペース配分を持つ甲本にペースメーカー
を依頼する。だが、甲本は裏方としてレースの組み立てに回る気はない。ラン
ナーは山城、最も世界記録に近い男。このレースは山城のためにある。しかし、
自分の意志以外に従う必要はない、周囲はすべて奴隷か敵だと考える徹底的な
リアリストの山城は、「東海道マラソン」参加を断固拒否する。この3人を軸
に物語は展開する。マラソンが実現しなければこの物語は成立しない。3/4は、
目的のためには手段を選ばない音無が手練手管を弄して、甲本と山城に出場
決意させるまでを描く。残りの1/4がレースの場面。これが圧巻。疾走感満点。
甲本と山城は、読者の想定外のものすごい走りを見せるからたまらない。途中
で本を閉じることは絶対できない。この物語で、誰の意見も聞かない山城を
[二度]も動かしたのは、前作「チーム」で学連選抜の主将だった浦である
(ちょっとご都合主義だけど)。だから「チーム」「ヒート」の順に読んでほ
しい。筆者は「マラソンで最も大事な要素─ペース配分を他人に任せてしまう
のは、正しいことだろうか。野球で、バッターが次の球種を必ず教えてもらう
ようなものではないか? それではスポーツの楽しみは半減する」と、甲本を
通して異議申し立てをしているかのようである。マラソンにペースメーカーは
不要だ、わたしもそう思う。マラソンファン、読むべし。     (柴田)
< http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4408535982/dgcrcom-22/ >
→アマゾンで見る(レビュー5件)
< http://blog.dgcr.com/mt/dgcr/archives/20120112140000.html >
「チーム」を読んだ感想:編集後記

・Fさん東京出張土産のバウムクーヘン(クラシックバウム)。パッケージが
絵皿みたいで可愛い。チョコでコーティングされてるのに、あっさりしていて
重くない。ドイツの伝統ある「ホレンディッシェ・カカオシュトゥーベ」とい
うカフェの銘菓。サイトによると「国立ドイツ菓子協会の手引き書にはバウム
クーヘンの定義(特別な判定基準)があり、『バター以外の油脂は使用しない
こと』、『ベーキングパウダー(膨張剤)は使用しないこと』などの厳しい基
準を満たしたものだけが『バウムクーヘン』と認められています。そんなドイ
ツの本格レシピに基づいた、からだに優しい無添加のバウムクーヘンをご提供
いたします。」とのこと。今度はプレーンなバウムクーヘンが食べたい〜!
                            (hammer.mule)
< http://www.isetan.co.jp/icm2/jsp/shops/foods/kakaostube/index.jsp >
ホレンディッシェ・カカオシュトゥーベ
< http://www.hollaendische-kakao-stube.de/ >
公式サイト。カップ可愛い……。ケーキもあるのね。
< http://www.hollaendische-kakao-stube.de/seite_04/neu_cms/neu.html >
大阪にも出店していたのか〜!

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編集長     柴田忠男 < mailto:shibata@dgcr.com >
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2012年2月23日木曜日

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            《早起きは三日間たたる》

■買物王子の家づくり[23]
 広くなったのに収納できない!?
 石原 強

■ショート・ストーリーのKUNI[112]
 感動体験
 ヤマシタクニコ

■ローマでMANGA[49]
 イタリアで唯一のMANGA構築法解説者
 midori

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■買物王子の家づくり[23]
広くなったのに収納できない!?

石原 強
< http://blog.dgcr.com/mt/dgcr/archives/20120223140300.html >
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お正月をフルに使って荷解きをしたので、なんとか生活できるようになりまし
た。でも、まだまだ空いていないダンボールがいくつも積まれています。入居
後に残っている工事も済ませる必要があります。それらを、ひとつづつ片付け
ていかなければなりません。

●一向に減らないダンボールの山

前に住んでいたマンションは押し入れが二つに納戸と、狭いながらも収納が豊
富にありました。新居は一階と二階に納戸を設けているので、収納スペースは
広がったはずです。しかし、床にモノが置かれて、思ったように収納ができま
せん。棚を設置するなど、収納の事前準備が十分にできていませんでした。

二階の納戸の奥には、三階に上げられなかった本棚があります。けれども本は
すべて三階に運び上げてしまいました。重たいダンボールをひと箱ずつ二階に
下ろして並べます。引っ越し前に、ずいぶん処分したつもりだったけど、やっ
ぱり入りきらない本が床に積まれてしまいました。

キッチンは、最後まで迷ったあげく、食器棚や吊戸棚を設置しませんでした。
オープンなシンク下には引き出しを設置して、普段使う調理器具は収まりまし
た。それ以外にも、たまにしか使わない器具や食器類が、ダンボール箱4箱分
以上あることがわかりました。今はそのままになっていますが、その中には大
事にしていたワイングラスも入っていて、飲みたい時、すぐに取り出せないの
が残念です。

一階の寝室は服で一杯になっています。壁一面のハンガーポールは、十分なス
ペースを確保したつもりだったけど、既にパツパツで取り出しにくい。そのた
めよく着ているコートは、別の場所に引っ掛けています。これでは春になった
ら収まらないのは確実です。

三階の子供部屋は、なにも準備していなかったので、引越しのダンボールを二
段に重ねて簡易の棚としています。格好悪いけど大きさも揃っているし丈夫。
なにより壊れても惜しくない。ぴったりしたものが見つかるまで、しばらくそ
のままになりそうです。

家全体では、表に見える収納が少ないほど、部屋がすっきり見えるのは間違い
ない。ここはぐっと我慢して、収納を増やさずにモノを収めたい。必然的に使
わないものは処分対象です。しかし、それぞれに愛着があって決心がつかず、
一向にダンボールが減っていかないのです。

●入居後の「ダメ工事」

引渡し直前やに施主や設計者がチェックして、未完成部分や不具合部分などを
指摘して手直してもらうことを「ダメ工事」と言います。うちも入居前にチェ
ックして気になるところには、マスキングテープで印をつけてあります。

引渡し直前の突貫工事になった壁紙は、階段の壁に凸凹したところがあって気
になります。階段片側は壁全面を張り替えてもらいます。ほかにも工事中にキ
ズがついたり、破れたところ、建具の不具合で把手が壁紙を削ってしまったと
ころもあります。これは部分的に補修をしてもらいました。

家の前の道路を渋谷区が直す工事にあわせて、駐車場のコンクリートも厚く打
ち直しました。しかし、うまく固まっていなくて、端のほうは足で削れてしま
うところがありました。確認してもらったら「乾燥中に寒くて凍ったらしい」
とのことで、再度、薄くコンクリートを塗って補修しました。

玄関のスイッチは、センサーがついていて、人が近づくと自動的にライトが光
ります。明るい昼間は点かない設定になっているのですが、気づかずにスイッ
チを消してしまうことがありました。そうなると、夜は階段が真っ暗になって
しまうので足下がおぼつかない。点灯状態がわかるように、スイッチをパイロ
ットランプ付きのものに変更してもらいました。

一階の水周りのタイルにひびが入ってしまった。原因は不明だけど一枚だけな
ので交換してもらいました。選んだサーモタイルは、表面がざらっとしている
ので汚れやすいらいしい。掃除しても「なかなかきれいにならない」と不評で
す。サイズの合わなかったミラーボックスも、きちんと収まるものに交換して
設置してもらいました。

準備不足で玄関に表札をつけていませんでした。迷った郵便屋さん、宅配便さ
んが「家はどこですか?」と電話してきます。急いで取り付けなければならな
いから、ネットで探してみた。なんだか装飾的なものが多くて、気に入ったも
のが見つからない。そうしているうちに慣れてきて、郵便や荷物が普通に届く
ようになったので、今でも表札がないままになってます。でも、このままでは
まずい。

入居後なので、工事が入るたびにモノを移動したり片付けたりで面倒です。一
通り気がつくところは指摘して良くなったけれど、まだ最初の一年間は、不具
合が出ることがあるらしいです。

●住み心地は快適

二階のリビングは明るくて暖かい。冬暖かいということで、夏の暑さが若干心
配です。そこで、カーテンは無印良品の遮光カーテンと「熱を通しにくいレー
ス」をオーダーしました。どの程度効果があるのかわかりませんが、少しでも
夏の暑さを和らげてくれることを期待しています。

ダイニングは、入居直後、西側に家がなくて昼間はまぶしいくらいでした。年
明けて工事が始まると、西側の窓が塞がれたために少し暗くなりました。予定
されてたとはいえ残念に思いました。しばらくして慣れてくると、これくらい
でちょうど良いと感じるようになりました。

特に天窓の光が良い。一日の変化がダイレクトに感じられます。朝は、部屋の
明るさで天気がすぐにわかります。天気がよいと窓は青色です。白いと曇り、
雨が降っていると雨粒が流れていくので、どのくらい激しく降っているのかわ
かります。夕方は、刻一刻と暗くなっていく様子が見て取れます。
< http://blog.dgcr.com/mt/dgcr/archives/2012/02/23/images/01.jpg >

ダイニングテーブルの上に取り付けたシーリングライトは、テーブルのセンタ
ーから微妙にずれてしまいました。テーブルを入れてみたら納まりが悪かった
ので、設計時の想定から90度向きを変えたからです。天井にフックをつけて位
置を微調整できそうです。

金額に怯みつついれた床暖房が、今は大活躍。エアコンはほとんど使っていま
せん。風もあたらないし乾燥もなくて快適です。そのかわり無垢フローリング
には大きく隙間ができました。いろんな所で話を聞いていたので予想はしてい
ましたが、3mm近く空いているところもあってびっくり。
< http://blog.dgcr.com/mt/dgcr/archives/2012/02/23/images/02.jpg >

そのせいで「ゴミが隙間に入ってとれない、気になる」と妻が嘆くので、掃除
機を買うことにしました。最初はロボット掃除機「ルンバ」が欲しいと思って
いたけど、床にモノが散乱しがちな我が家には向かないと断念。大きなものは
出し入れが面倒で使わなくなると判断して、口コミで評価の高い「マキタ」の
ハンディークリーナーを選びました。コンパクトでコードレスなので、マメに
掃除することができます。これは正解でした。

慣れない家ではアクシデントもあります。次男は三階から階段を落ちました。
寝ていると思って目を離した隙でした。二階ゲートをつけて階段に入れないよ
うにしたけれど、三階は未対策でした。そのことをFacebookで報告したら、同
僚が追加でゲートを譲ってくれました。一安心と思っていたら、今度は妻が滑
り落ちて、一週間以上お尻が痛いと言っています。

入居後のドタバタも最初のひと月で落ち着いてきました。収納のために棚はど
こにどのくらいつけようとか、どこにどんな家具を置こうとか、もっと住みや
すくするためにどうしたら良いかと考えているとワクワクしてきます。

今は思い通りに片付かないので落ち着かない。でも、少しずつ変えていけば、
いつか馴染んでくるだろうと、おおらかに考えることにしました。

【いしはら・つよし】tsuyoshi@muddler.jp
twitter < http://twitter.com/244ishi >
Webmanagement < http://webmanagement.jp/ >
Shopping Prince blog < http://www.muddler.jp/ >

加古里子の絵本「あなたのいえわたしのいえ」では、家の役割とか必要な要素
について、順を追ってわかりやすく説明されています。子供に読んで聞かせて
いましたが、家づくりを考え直すきっかけにもなる絵本です。悩んでいる時に
読むと、家をシンプルに捉えてみれば、本来必要ないことにこだわっているの
ではないか? と思えてくるのです。

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
■ショート・ストーリーのKUNI[112]
感動体験

ヤマシタクニコ
< http://blog.dgcr.com/mt/dgcr/archives/20120223140200.html >
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電車を降り、ホームから改札に向かう階段を上っていた彼はふと、親子連れに
気づいた。母親とまだ3〜4歳くらいと思える女の子の2人。母親は身の回りの
ものを詰めたらしいショルダーバッグのほかに、ボストンバッグと布製のトー
トバッグをひとつずつ両手に持っていて、どちらにもぎっしりとものが詰まっ
ているようだ。

女の子も、少しでも母親を手伝おうと思ってレジ袋をひとつ下げているが、た
いした助けにはなっていない。そもそも、母親の足取りが、どんな事情からか
さんざんあちこちをまわってきた人のそれで、階段一段あがるのもつらそうに
見える。

彼は2、3段を早足で駆け上がり「持ちますよ」と言って母親の手から荷物を取
った。母親は驚いて振り返ったが、すぐ弱々しくほほえんで「すみません」と
言った。

荷物は彼にとっても相当な重さで、結局改札を抜けて、タクシー乗り場まで持
っていくことになった。だが、口数こそ少ないが本当に安心したように穏やか
な表情になった母親を見ると、彼も持った甲斐があると感じた。

タクシーの順番が回ってきて、いざ乗り込む直前、女の子がふと、自分のポケ
ットをまさぐり、もじもじしながら彼に何かを差し出した。「あげる」
それは電車に乗る前にどこかで摘んできたらしい紫の小さな花だった。すみれ、
だろうか? すっかりしおれたすみれ。お礼のつもりなのだ。

彼は女の子にむかってにっこりほほえんだ。タクシーはすぐ走り去ったが、彼
の心の中にあたたかいものがゆっくりとひろがっていった。

その夜、彼がパソコンを立ち上げると一通のメールが届いていた。

───今日の駅での体験はいかがでした?
ささやかではありますが、感動を味わっていただけましたでしょうか?

あ。と彼は思った。

何日か前、道を歩いていると偶然、学生時代のクラスメイトに会った。クラス
メイトはなかば強引に彼を喫茶店に誘い、簡単な説明を終えると書類を取りだ
した。

「ここにサインすればいいんだ。あ、メールアドレスも忘れずに。連絡がくる
 から」
「うさんくさいなあ。何なんだよ、感動体験って」
「おれもよく知らないんだ。知り合いの紹介なんで。でも、感動っていいこと
 だろ」
「まあな」

「みんな退屈してるだろ。おもしろくないことばかりで疲れてるし。そんなぎ
 すぎすした毎日にささやかな感動をお届けします、てことだそうだ。心のリ
 フレッシュってやつ?」
「ふうん」
「心配すんなよ。別に入会金も会費もいらないんだ。少なくともおれは払って
 ない」
「おまえも会員なのか」
「もちろんさ。はやってるんだ」

それがこれなのか。だが、するとあの親子は雇われて演技していたのだろうか? 
とてもそんなふうには見えなかったが。それに、いつも乗る電車ならともかく、
今朝は寝過ごして、どうせならと思って歯医者に寄ってから出勤した。尾行で
もしない限り、駅での出会いを仕組むことは不可能だろう。まあ、深く考えな
いでおこうか。

その日はそれで終わった。

数日後、休憩時間に人気のない廊下を歩いていると、どこからか話し声が聞こ
えた。なんだろうと思って、一瞬聞き耳を立てるとそれはふだんは使わない階
段の踊り場から聞こえるのだ。盗み聞きをするつもりはなかったが、彼はつい
近づいてみた。

ものかげで携帯を片手に話しているのは、隣の課の女子社員だった。化粧が派
手で、だれにでもため口をきく。夜な夜な遊び歩いてるらしいとか、ろくなう
わさのない女だったが、いま聞こえてくるのは同一人物とは思えない神妙な口
調だ。

「…うん、おとうさんも体、気をつけないとだめだよ…あたし、心配してるし
…うん…うん…いまね。セーター編んでるんだ。先輩で編み物得意なひとがい
てね。こっそり通って教えてもらってるんだよ…うん、仕事終わってから…だ
いぶ進んだから、完成したら送るよ…」

彼はなんだかうれしくなった。化粧が濃いからというだけで、何か決めつけて
るところがあったかもしれない。ほんとは父親思いのふつうの女の子だったの
か。盗み聞きはほめられたことではないだろうが、いいことを聞いた。セータ
ー、うまく仕上がるといいなあ。

すると、その夜もメールが届いた。

───本日はいかがでしたか?
心がほっとする体験をしていただけたのではと思っています。

彼はしばらくモニタを見つめてぽかんとした。

その一週間後にはいつも通勤途上で出会うが、話をしたこともなかった高齢の
女性から突然話しかけられた。聞けば、女性の亡くなった息子に彼がどことな
く似ているので以前から気にかけていたという。それが、近々遠方の老人ホー
ムに入居することになり、息子と別れるようでさびしいのでつい、声をかけた
という。

思いがけない話ではあったが、息子の思い出を語る口調に、彼はつい目頭をお
さえた。記念にと、高価そうなマフラーまで手渡された。予測してはいたが、
夜、パソコンを立ち上げると、メールが届いていた。

───いかがでしょう。本日も感動していただけたでしょうか。

彼はもう、驚かなかった。
数日後に、またメールが届いた。

───そろそろ、もっと大きな感動をお望みではないでしょうか?
ご希望ならご用意できます。新たなお申し込みは必要ありません。
このメールに何も書かず、そのまま返信してください。

大きな感動、か。確かに、「ささやかな感動」では満足を得られなくなってい
た、かもしれない。彼は少し迷ったが、「返信」ボタンをクリックした。

3日後。彼が翌日の会議の資料を整えていると、同僚の一人が沈痛な面持ちで
ドアを開けて入ってきた。緊張した様子に、まわりの人間も思わず表情をこわ
ばらせた。

「主任が死んだ」
え、と彼は息をのんだ。ざわめきがひろがる。うそ。なんで。どういうこと?
「くわしいことはわからない。まったくの急死としか」
「うそ! 信じられない」
「昨日も元気に帰っていったし…まったくふつうだった」

「そんな…いまわれわれがやってるプロジェクト、主任が中心になって進めて
 いたのに」
「持病があったとは聞いていたけど…」
「私たち、どうすればいいの」
「心配しなくていい。主任はおれたちのためにすっかり用意してくれていた。
 奥さんがこれをわれわれに、と」

同僚の手にはプロジェクト名が記された一冊の分厚いファイルがあった。駆け
寄ったみんながページを繰ると、そこにはプロジェクトを進めるにあたって必
要な工程、予算やイメージ、だれに何を頼めばいいか、外部に委託するにはど
ことどこがいいか、細かな企画を通すときに注意するべきポイントなど、部下
たちが何より知りたいことがすべて書かれていた。

「主任は予測していたんだ」
「何も言わずに、でもあたしたちのこと心配してくれてたんだ!」
「これさえあればなんとかなりそうな気がするよ、な!」

みんな涙ぐみながらうなずいた。彼も涙をおさえられなかった。彼はその主任
が好きだった。えらそうなことは言わず、黙々と自分にできることをやり遂げ
ていく姿勢に共感していた。尊敬できる人だった。

彼ははっとした。そうだ。だからこそ、これが「大きな感動」なのか? ほか
の誰かではなく、主任が死んだのは偶然なのか?

予想通り、メールが来ていた。

───本日は感動を味わっていただけたでしょうか?
われわれはもっともっと大きな感動を

彼は全部読まないうちにノートパソコンを閉じた。

喫茶店で隣のテーブルの女の子たちがおしゃべりしている。
「…それでね。彼ったら、時間を間違えてた私のこと、全然怒りもしなくて。
 それどころか私のためにお弁当作って持ってきてくれたんだよねー」
「えー!」
「かんどー!」

本屋で立ち読みをしていると背後の客の会話が聞こえる。
「もう枯れたと思っていた桜の木につぼみがついたんだよ」
「え、そうなんですか」
「桜に励まされているような気がしてね。もういちどがんばってみるかと…」

以前からそうだったろうか? 意識するから、街中が感動体験でいっぱいのよ
うに思えるのか。すべて偶然か。それとも、ひょっとしたらみんな、自分と同
じように入会しているのではないだろうか? そうかもしれない。

自分に紹介してくれた友人も、知り合いの紹介だと言ってた。はやってる、と
も言ってた。いったい、だれが何の目的でしていることなのかわからないまま、
友人から友人へ、知り合いのそのまた知り合いから知り合いへ、事態はひろが
っているのだ。

またメールが届いた。

───われわれはもっと大きな感動をお届けできます。
あなたに早く、それを味わっていただきたくて仕方ありません。

ものすごく晴れた日だった。真っ青な空。ハイコントラストの世界。光が多す
ぎる、と彼は思った。彼は広い交差点にいて、大勢の人々とともに信号が青に
変わるのを待っていた。向かい側にも大勢のひとがいる。

付近ははなやかなショッピングビルやオフィスが建ち並び、けばけばしい看板
が重なり合い、街路樹の根元にはくしゃくしゃのチラシが捨てられ、さまざま
な方向から人が出てきてはまたどこかに行く。自転車がきいっとブレーキ音を
立てて止まったと思うと昼間から酔客のグループが人混みを横切る。ありふれ
た繁華街の光景。

でも、ただならぬ雰囲気があった。何とはわからないが、大勢の人が、信号が
替わるのを待つように何かを待っていた。やがて車用の信号も赤になり、交差
点の中がしんと静まった。

すると、一人の男が飛び出した。そして
「もうたくさんだ!」と叫んだ。
「おれたちはほんものの感動がほしい!」
彼はどきりとした。言い当てられた気がした。
たちまち何人もが男の言葉を繰り返した。

「そうだそうだ!」
「つまらない感動体験はたくさんだ!」

大勢のひとが交差点内になだれこんだ。彼は後ろから押され、横からこずかれ、
寄りかかった看板ごと倒れた。倒れた彼の上を何人もが踏みつけていった。交
差点内はあっというまに群衆であふれた。みんな口々に叫んでいた。それはよ
く聞き取れなかったが、たぶん、こう言っていた。もっと大きな感動を!

その興奮は彼にも伝わった。そうだ。まさしくそうだ。彼は痛みをこらえなが
ら立ち上がり、交差点の中に入っていった。久しく忘れていた高揚した気分だ。
体があつい。自分と同じ気分のひとがこんなにいて、いっせいに声を上げてい
る。何かが起こる。起こるにちがいない。ああ、いまここでこうして感じてい
ること、これこそが感動なのではないか。

そう思った瞬間、疑念が生まれる。これもまた仕組まれているのか? そうな
のか? それを振り切ろうとしたとき、ぱん、という音がして、悲鳴がそれに
続いた。人々はあとずさり、交差点の中にぽかりとあいた空間ができた。その
中心で男が血を流して倒れていた。ぴくりともしない。血だまりがゆっくり広
がる。

静まりかえった交差点に、きーんという音、それに続いて調整の悪いマイクを
通した声が、耳を聾するばかりのボリュウムで聞こえた。

   さあ、感動のときがやってきた!
   君たちにはもっともっと、大きな感動が必要だ!

交差点内のすべての目という目がきょろきょろと音源を探し、耳は必死で何か
聞き逃しているかもしれないことを聞こうとした。だが何の手がかりも得られ
ないまま、交差点内にさらに銃声が響いた。それは抜けるような青空の向こう
から降ってくるようだった。

【ヤマシタクニコ】koo@midtan.net
< http://midtan.net/ >
< http://yamashitakuniko.posterous.com/ >

あるイベントに参加するために6時半に起きた。私にしてはむちゃくちゃ早い。
早起きすればそれだけ時間を有効に使える、早起きは三文の得とはよく言った
もんだな…というのが世間の常識らしいですが、私にはあんまりあてはまりま
せん。その日一日眠くて何をやっても能率悪いし、影響は翌日や翌々日におよ
ぶこともあります。早起きは三日間たたる、が正解なのですが、そんな体質な
んとかしろ、ですか。すいません。

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
■ローマでMANGA[49]
イタリアで唯一のMANGA構築法解説者

midori
< http://blog.dgcr.com/mt/dgcr/archives/20120223140100.html >
───────────────────────────────────
1月になってやっと始まったMANGA・セミナー。6回あったはずが、交通機関の
24時間ストライキと、金曜日になると降る雪が2週続いて、実質3回の実施とい
う結果になっている。

まぁ、いいですけどね。そういうこともあろうかと、ブログを立ち上げ、毎週
の授業をアップしている。これから春になると頻発する交通機関のストライキ
は、何故かいつも金曜日なのだ。
< http://manganosensei2012.blogspot.com/ >

今までも、毎年セミナーのブログを立ち上げたが、昨年までと違うのは、私の
意気込み。授業に来られない人にも内容が伝わるように、親切に書いている。
さらには、オープンにして、更新するたびにFaceBookでお知らせしている。

少なくとも、MANGAはグラフィックスタイルのみではない、ということをもっ
とたくさんの人に知ってもらう手始めだ。イタリアの巷には、MANGAの描き方
の本やワークショップが多々あるけれど、構築法の解説はない。ほんとに、
私がイタリアで唯一のMANGA構築法解説者なのだ。

さて、MANGAセミナー。毎回7名が参加する。他のコースが忙しかったりして、
出入りがあるせいで潜在的には9名。今年は、MANGA家が作品のアイデアを出し
てネームにするまでを、順を追って授業にすることにした。まぁ、作家によっ
て、その時によってやり方は色々だろうけれど。

MANGAは読者がキャラに感情移入して、ストーリーを生きるという重要な性格
があるので、主人公の重要度がヨーロッパコミックスとちょっと違う。

そこで、このストーリー作りをキャラから始めることにした。まずラフでなん
でもいいから人物を描かせ、そのラフから受ける印象を基に性格付けをしても
らった。性格付けが終わったら、5W+1H(Who, When, Where, What, Why+How)
を書きだして、ストーリーの基礎とした。

先週は、そのストーリーの基礎を起承転結に発展させ、簡単に4ページに配分
してもらった。そして一人一人の仕事を見て、配分が妥当かどうかをサジェス
チョンしていった。この作業は、ペラペラのアイデア用紙に鉛筆で、小さな長
方形を描いて見開きとし、そこに小さく文字かアイデアスケッチで進めさせた。

あくまでも、先に文字でストーリーを書き上げないように、キャラも細かいと
ころまで決めてしまわないように指示した。

MANGA作りに慣れてない人が先に文字でストーリーを作ると、どうでもよい細
かな設定や、絵にするのがとても難しい抽象的な表現が出てくるので後で困る。
文字でしか表現できなくて、やたらト書きやセリフが多くなってしまう。

また、キャラの容姿や服装を先に細かく決めてしまうと、そこから外れるのが
難しくなる。全部を少しづつ少しづつ育て上げていくのが、こうした罠に落ち
なくて済む方法なのだ。

皆、言われたとおりにA4のペラペラの紙に小さな見開きを書き、小さなラフな
絵や文字で記入している。お直しをサジェスチョンすると、中にはもっと大き
なサイズで本格的にネームに入ってもよい生徒もいた。うふふ。授業がうまく
いっている。

7人の内、まったく勝手に制作を進めている一人がいた。ふさふさの金髪が可
愛い女生徒で、私が解説している時から、何やら手を動かしていた。実技に移
行した時も、A4一枚を原稿用紙に見立ててコマ割りをして原稿を描いている。
時々、私のセミナーを受けながら課題をやる生徒もいるので、それなんだろう
と思っていた。

金髪さんのサジェスチョンは最後になってしまった。他の課題をやってるから、
どうせ進んでないだろうと思っていた。近くに寄ってみると、いわゆるMANGA
式の絵柄で丁寧に描いている。私の授業実技を進めていたのだ。終業ベルが鳴
ってしまったので、来週、一番に見るねと言ってお開きにした。

はい、ここで私の間違いが二つ。多分に私の性癖から来ている。

つまり、相手の行動の理由を先回りして考えて、それなら仕方がないねと許し
てしまう。だから、他の課題をやっているのだろうと考えて、まずそれをその
ままにしてしまった。注意しなかった。確かめもしなかった。

私の授業を進めているのだとわかって、それがまったく指示に従ってないこと
がわかった時点でも、それを受け入れようとしてしまった。教師じゃないじゃ
んか!! 来週は、授業が始まる前に、金髪さんの間違いをただし、私の支持通
りにやり直してもらおう。

先週の授業中、校長のディーノが(校長と雇われ教師の間柄でも名前呼び捨て、
"TU"で呼び合うのが普通)私の教室を覗いて、話があるから休憩時間に校長室
に来るように、とのお達し。

行ってみたら、マンガブックを普通の書店さんで販売できることになった、と
ニコニコしている。イタリアでは、マンガはマンガ専門書店で売るのが普通だ。
当然、マンガに興味のある人しか来ない。最近、大手の書店で美術コーナーの
近くにマンガを置くところが増えてきた。一般書店に配本するということは、
もっと多くの人に見て貰える可能性があるということ。

ディーノ、すっかり気を良くして、判型も当初の予定より大きくする、と鼻息
が荒い。企画者・執筆者としては嬉しい鼻息だ。

2月1日に配信になったNo.3196でまつむらまきおさんが「マンガが生き残る唯
一の方法」で面白い提案をなさっていた。
< http://blog.dgcr.com/mt/dgcr/archives/20120201140200.html >

MANGAを横書きにすればいいじゃないか! という話。海外で売れているMANGA、
マニアだけではなく、「普通の子どもや女子高生やオッサンやオバサンが読ま
なければ、産業にならない」。底力はあるのに。

マンガ学校で私のセミナーに来る生徒の中には、何も言わないと日本式の右開
きでネームを描き始める生徒もいる。もちろん、セリフはイタリア語書きだか
らテキストの読みは左から右。字を読む方向と物語の進む方向がぶつかる状態
になる。彼らは全く抵抗がないという。人間は何にでも慣れるとはいえ、そう
かなぁと思う。制作側の立場として。

一昔前までは、イタリアの出版社が日本の出版社に頭を下げて、出版権を購入
するばかりだったけど、昨今では日本の出版の方から「こういうのあるけど、
どう?」ということも起こっているそうだ。つまり、発行部数が日本市場に比
べてとても少ないイタリア(ヨーロッパ)の市場も当てにするようになってる
ということではないだろうか。

50年も縦書き日本語MANGAを読んできた身には、若干の抵抗もあるけれど、ネ
ットではすべて横書きが当たり前で抵抗なく読んでいるのだから、すぐに慣れ
るかもしれない(右から読むので日本では右側を上手として扱う。横書きでは
左が上手になる。その辺の変換が日本人の脳みそになにか影響があるのか、と
いう指摘は興味深い)。

MANGAがもっと外国のマンガ家にも身近になって、MANGA言語がもっと浸透して
いくと、面白いことになるかもしれない。20年くらい経ったら。。。

【みどり】midorigo@mac.com

日本の国政の状態をネットで知るたびに、胸のうちがグズグズ煮崩れて行くよ
うな痛みを感じます。

新潟で小学校跡を中国領事館に売却を約束してしまった?
< http://ameblo.jp/japangard/theme-10023150990.html >

年金補償? その負担は誰がする?
西田昌司【誰が負担するのか全く見えない無責任施策】
< http://www.youtube.com/watch?v=X7ib_yLsFDk >

日本が資源大国になれるメタンハイドレードという天然資源について。結晶と
して海底から顔を出していて、低コストで切削しやすい日本海側の研究費が出
ず、莫大な予算を砂に混ざって採掘しにくい太平洋側につけているのはなぜか…
< http://www.youtube.com/watch?v=c3bxgYCqkfk >

国防のイロハを知らない国防大臣 国会中継(2012.02.17)石破茂(自由民主
党)〜衆議院予算委員会
< http://www.youtube.com/watch?v=YjR_A1cvqL4 >

「政治なんか知らないよ〜」と、のほほんとしていた頃に戻りたい。。。いや
いや、これは、痛みを感じ、どこに病巣があるのかを見定め、治療方法を見つ
けるための過程なんだ…

私の日常生活のブログです。食べ物の話が多い。
< http://midoroma.blog87.fc2.com/ >

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
■編集後記(02/23)

・近所のヨークマートにほとんど毎日「クリアウォーター水」(変な名称だ)
を汲みに行く。その設備の隣に、コピーマシンや電子レンジなどセルフサービ
スのキカイが並んでいる。昨日ふと気がついたのだが、いつの間にかコピー機
が進化していた。もはや単なるコピー機ではない。カラー液晶パネルには、コ
ピー、スキャン、USBメモリプリントというメニューがあった(ファクシミリ
通信、PCプリントも可能な機種もあるらしい)。コピーでは、単純なコピー以
外に、両面コピー、4面連写、1枚の用紙に複数配置など多彩な機能がある。ス
キャンはまさしくコピー感覚で、手持ちのUSBメモリに保存(JPEG、PDF、TIFF)
できる。解像度は200×200dpiと400×400dpi、原稿の下地を薄くする機能もあ
る。1スキャン20円だ。また、USBメモリ内のデータもそのままプリントアウト、
これもコピー感覚だ。プリント代はA3カラーで80円、B4・B5・A4カラーが50円、
モノクロは10円だ。……ということをメモしてきたが、いつからこうなってい
たのか。わたしが知らなかっただけか。
ついでに酒類の売り場に行くと、ビール風ノンアルコール飲料の新商品「アサ
ヒ ドライゼロ」があった。「スーパードライ」に酷似していることから、
「誤飲による未成年の飲酒や飲酒運転につながりかねない」と業界内で批判さ
れたやつだ。でも、赤で大きくノンアルコールと書かれているし、Alc.0.00%
の赤帯もあるので間違いようがないと思う。既存のビールテイスト飲料と異な
り、麦汁を一切使用せずにビール成分を再現したという。期待をこめて飲んだ
……やっぱりこの味か。いりません。              (柴田)

・感動体験か。3本のうち2本が枯れてしまい、無理だろうと思っていた胡蝶蘭
につぼみ。小さなことで喜べる自分が好きだ。/昨日書いた「まにフェス」の
詳細ページがオープン。5大ブラウザベンダーさんや、そうそうたるスピーカ
ー陣のお話が聞けるチャンス。入場無料の展示会場でも、オープンステージが
あって、ここでもお話が聞ける。展示物を見たり、ゲームで遊んだり。期末と
期末のフォローで疲れているだろうこの時期、このイベントで新しいガソリン
入れて、推進力を加速してみてください〜!/最近買って良かったと思った
iPhoneアプリ。「Launch Center」。よく使うアプリを登録しておける。一覧
にないアプリや設定画面でも、URLスキームさえわかれば登録可能。まずは設
定の「Wi-Fi」を入れてみた。夜中に思い出して、明日かけようと思った電話
(これが結構ストレス。忘れそうだし、いますぐにかけて解決したいしで。)
も入れるようにしている。「Speed Dial」で、かける先を電話帳から選び、時
間も登録。一定間隔(一時間、一日、一週間、一ヶ月、一年)でのリピート表
示もできる。予定時間になるとバナー通知され、通知センター(どの画面から
でも出せるシャッターみたいなやつ)にも表示。この通知をクリックするだけ
で、電話がかけられる。機能を選んでから必要事項のみを登録するので、ToDo
に登録するより早くて良い。雑排水管清掃の作業日通知が来たのだが、その日
は忙しいので日曜日に振り替えてもらいたい。電話でしか変更できず、受付時
間も限定される。仕事ではないため、こういうのは忘れたり、後回しにしがち。
Launch Centerのおかげで無事変更できたよ。       (hammer.mule)
< http://m2.cap-ut.co.jp/fes/ >  まにまにフェスティバル
< http://itunes.apple.com/jp/app/id488626436?mt=8 >  Launch Center
< http://den2den2.blog45.fc2.com/blog-entry-216.html >
設定ショートカットのURLスキーム一覧
< http://www18.atwiki.jp/iphone-urlscheme/ >
iPhoneアプリのURLスキーム@ウィキ
< http://web.mac.com/micono/ipaBacklist/ipaBacklist.html >
URLスキームを調べられる「ipaBacklist」。買おうかな……

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●私との相性が最悪だったメーカー

あまりこの手の話はしたくなかったのですが、あまりにも不愉快な体験をした
ので、今回はそれをネタにしてみました。

事の発端は、最新のTTL自動調光フラッシュの購入から始まります。順当であ
れば純正品購入で問題ないのですが、高額なので、価格と頻度を天秤に掛け、
安いサードパーティー製品を選んだわけです。

もちろん、サードパーティー製品がすべてダメという話をしているわけではあ
りません。分かっている範囲では、Nikon対応のTTL自動調光フラッシュは純正
以外に5社が販売を行っています。問題のフラッシュはこの中の1社の製品です。

さて、各社の交換レンズばかりでなく、自社ブランドのデジタル一眼レフまで
リリースしているメーカー製フラッシュを昨年夏に購入したのですが、いきな
り初期不良で3週間ほど修理に出すことになってしまいました。

普通であれば販売店で交換してもらえる話ですが、問題の販売店(Mac関連販
売で有名な店)は交換に応じないと宣言しているので、泣き寝入りモード。結
果として、メーカーに直接電話を入れて修理に出したわけです。TTL自動調光
フラッシュなのに、光量不足という症状でした。

問い合わせの電話でのやりとりは、かなりイライラするものでした。コールセ
ンター(?)はビギナー相手の対応だったからです。

もちろん、私は喧嘩腰ではなく事実を淡々と説明したわけです。使用している
機材と予備の機材で同一の症状であること。天井は白で距離も一般家庭なので
常識ある範囲、などなど。

しかし、担当者は相変わらず私をビギナー扱いし頓珍漢な事を設問してきたの
で、遂に私は「あの〜そんなことは百も承知。私は素人ではないので……」と
切り返した途端「すぐに着払いで送って下さい」ということになりました。

そして、3週間後に修理から戻って来て取り敢えず問題は解決したのですが、
使いたかった時には修理中で、戻ってきたら用無しとなってしまったため、ほ
とんど使わずにしばらく放置していました。

年末となり、またまた必要に迫られたのですが、今度は装着レンズをどう変更
しても、フラッシュ側の数値でレンズの焦点距離が17mmに固定されてしまうの
です。

私の所有レンズで、該当範囲のズームレンズは11〜16mm、18〜55mm、18〜70mm
だけです。つまり、17mmの焦点距離に該当するレンズは皆無。もちろん17mmと
いう単焦点レンズも持っていません。ということで、再修理となったわけです。
使いたいときに修理が二度も続くって笑えないですね。

考えてみると、このメーカーの製品を最初(今回が二度目)に購入したのは学
生の時でした。ペーパークラフトのバイトで溜めたお金を握り、新宿まで出掛
けて望遠ズームを購入したのです。

ところが、一年半ほどでレンズにカビが生えてしまい怒り狂った、そんなこと
を思い出しました。今までレンズにカビが生えたのはこの製品だけです。

結局それがトラウマとなり、それ以降はこのメーカーの製品には手を出してい
なかったのですが、今回はなんとなく魔がさしてしまったのかもしれません。
実はその後、最近までカメラ量販店の店員をしていた知人から、このメーカー
の製品は異常に返品や修理が多かったと聞いてびっくり。知人の店だけの問題
かも知れませんが……。

ちなみに、今まで購入(学生の頃から)したクリップオンタイプのフラッシュ
は、カコ製×1、オリンパス製×2、パナソニック(ナショナル)製×5、ニコ
ン製×5、サンパック製×2、そして今回の製品となっていますが、故障という
か不良品問題はこの製品だけ。他は今までに故障という体験をしたことがあり
ません。なお、これらのフラッシュを現在もすべて所有しているというわけで
はありません。半分近くは知人などに譲渡してしまいました。

さて、あまり使わないのに、どうしてTTL自動調光フラッシュを購入したのか?
と突っ込まれそうですが、基本は今でもマニュアル発光です。時々外部オート
調光という、古いタイプの処理もよく利用しています。これは簡単に言うと、
ISOに合わせて予め用意されている絞り値設定すれば、ほぼオートで調光して
くれるシステムです。

もっとも昔のシステムなので、新規にこのシステムを購入する場合は、迷わず
中古ショップに向かった方がいいかもしれません。ちなみに、このシステムの
メリットは、カメラ本体を選ばないという点。だから、未だに学生の時に購入
したフラッシュを使い続けられるわけです。

話をTTL自動調光フラッシュ購入に戻すと、失敗が許されないぶっつけ本番の
撮影が控えていたからです。予行演習も出来ないような状況では、取り敢えず
安全策が必要ですからね。まっ、問題の撮影はなんとかごまかしましたが、そ
のためにかなりの練習が必要でした。

もちろん、このケースは色々な悪い偶然が重なったための結果だとは思うので
すが、なんだか三回目がありそうで怖いです。しかし、今となっては同じサー
ドパーティー製品で評判の良い方を購入しておくべきでした。後の祭りですね。

たまたま私との相性が最悪だったのかも知れませんが、それにしも購入した二
製品がともに外れって、日本企業の製品じゃ普通は考えられないですからね。
ということで、相性は重要ですから、このメーカーの製品には二度と手を出さ
ないことに決めました。

●一瞬で悩殺された「OLYMPUS OM-D」

さて、最近の私は散歩用などでOLYMPUS PEN Lite E-PL1s + Ai NIKKOR 50mm
F1.8という組み合わせにドップリと漬かっています。アダプタで開放F値の小
さいNIKKORレンズを装着することで焦点距離は2倍となるので、純正のマイク
ロフォーサーズ環境では手に入れることの出来ない、明るい中望遠レンズ環境
となるからです。Ai NIKKOR 105mm F1.8なら、210mm F1.8の望遠になります。
こうなると、もう完全に500mmのミラーレンズを装着しているような状況にな
ります。

ところで、同じマイクロフォーサーズのPanasonic LUMIX DMC-GF2も愛用して
いますが、これ用のビューファインダーは20万画素という低解像度なので、マ
ニュアルによるピント処理には向いていないため、もっぱらOLYMPUS PEN Lite
E-PL1sを利用しているのです。

もちろん、液晶ファインダーはオートフォーカスなら便利ですが、それでも夏
場などは周りが明るすぎて液晶で被写体を確認出来なくなってしまいます。結
局、ビューファインダーは必要不可欠というわけです。

ただし、操作性は圧倒的にPanasonicの方がよく、個人的にはデザインも気に
入っています。価格が熟れてきたらPanasonic Lumix GX1をと考えていたので
すが、ここに来てOLYMPUS OM-Dのリリースで完全に悩殺されてしまいました。

OMシリーズは二台所有しており、Nikonの次に機材を持っていましたので、
OLYMPUS OM-Dは見た瞬間の一撃です。とにかく孤高のレンズであるNIKKORが、
アダプターでしっかり利用できるミラーレス一眼は、本当に楽しくて仕方があ
りません。

実は、NIKKOR以外にライカMマウントと、古いOLYMPUS OMシステムのレンズも
色々在るのでオモチャに不自由はしていません。やはり少々不便である方が、
モノを作る場合の楽しさは高くなりますね。

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■今月のお気に入りミュージックと映画

[Somewhere Over the Rainbow/What a Wonderful World]
by Israel Ka'ano'i Kamakawiwo'ole in 1993(Hawaii)

邦題「虹の彼方に/この素晴らしき世界」。1997年に肥満が原因で38歳の若さ
で他界してしまったために、生涯2枚のアルバムしかリリースしていないハワ
イ州出身のシンガー「イズラエル・カマカヴィヴォオレ」。通称イズ(IZ)。
340kgを超える巨体から湧き出る歌声はあまりにも美しくて言葉になりません。
お薦めです。

※イズラエル・カマカヴィヴォオレのハワイ語表記中の3つのアポストロフィ
は、正確には逆さまのアポストロフィ(オキナ)となります。

[9th Campany]by Fyodor Bondarchuk in 2005(Russian)

原題「9 Рота」、邦題「アフガン」。アフガニスタン紛争中の1988年1月7
日から8日にかけて行われた、3234高地を巡る戦いをもとにした戦争ドラマ。
イスラム武装勢力ムジャヒディンと対峙した、ソ連軍第345親衛空挺連隊第9中
隊の兵士たちを、実話に基づき描いた作品。日本劇場未公開。

まさにロシア版「プラトーン」ですね。興味深いのはロシア側から描いている
アフガニスタン紛争という点。また、当時はロシア連邦ではなくて、ソビエト
社会主義共和国連邦だったので、よけいに興味深い内容となっています。

そして、ストーリは事実を元にしているので重みは全然違います。ロシア軍全
面協力で撮影されているので、戦闘シーンは半端ではありません。また、内容
は当然、美談でもヒーロー系でもありません。下手な胡散臭い反戦映画を見る
よりも説得力があると思います。

ところで、アジア系ロシア人の兵士として清原和博にそっくりな俳優さんが出
ています。ちょっとびっくりしました。ちなみに最近はロシア映画にはまって
います。

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■アップルストア銀座のセッション

2012年3月19日(月)18:30〜
Hands on a Macとして画像処理セッション
『海津ヨシノリの画像処理テクニック講座Vol. 66』
Adobe Photoshop CS5によるフォトレタッチ技法【風景・建築物編】として、建
築物や風景写真のレタッチ技法をハンズオンいたします。予約無用・参加無料・
退席自由です。なお、セッションの翌月に予定されているハンズオンセミナー
の参加希望者を、セミナー修了後に募集するのがここ数ヶ月の恒例となってい
ます。

【海津ヨシノリ】グラフィックデザイナー/イラストレーター/写真家/
怪しいお菓子研究家
yoshinori@kaizu.com
< http://www.kaizu.com >
< http://kaizu-blog.blogspot.com >
< http://web.me.com/kaizu >

ブログで公開したお菓子については要望が大変多かったので、今年から「なん
ちゃってレシピ」を記述することにしました。ちなみにレシピの分量を正確に
計測しないとつくれないという方がいましたが、料理はレシピじゃなくて勢い
が大切です。考えちゃダメなんですね。実は作ったお菓子の半分は、学生達か
らのリクエスト&お茶会用なのです。というわけで、女子大の講師の話があれ
ば熱烈歓迎です。

ところで、ブログで大学のイベントなどの告知をする場合に、独自のローカル・
ルールに従って掲載をしています。それは、ずばり『大学からの案内ではなく、
学生から案内が入ったイベントだけ』というルールです。どこかで線引きをし
ないと色々困りますからね。現状これが一番フェアだと思っています。もちろ
ん、将来どうなるかは私にもわかりません。

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■グラフィック薄氷大魔王[291]
CGアニメ関連のとりとめなく三題

吉井 宏
< http://blog.dgcr.com/mt/dgcr/archives/20120222140200.html >
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●補助金漬けアニメ

日本のアニメだけでなく「モンスターvsエイリアン」等のキャラも出てくる、
最近やたらと多い中国の「パクリアニメ」。

「全力の最新技術で作られたエヴァとガンダムのパクリアニメがひどすぎる」
(RocketNews24)
< http://rocketnews24.com/2012/01/27/176550/ >

中国では国産コンテンツを増やそうと、アニメを作る人にどんどん補助金を出
してるそうだ。補助金目当てでものすごい勢いでアニメが作られていて、だか
らパクリや内容の善し悪し関係なしに本数を最優先、ということらしい。

世界一のアニメ大国・中国が抱える「国策振興」という病
(KINBRICKS NOW)
< http://kinbricksnow.com/archives/51747884.html >

「80後」「90後」でも変わらない中国のアニメビジネス=百元籠羊・安田峰俊
のシンポを聞いてきた(KINBRICKS NOW)
< http://kinbricksnow.com/archives/51751767.html >

補助金は業界の衰退期に「なんとか助けてくれえっ」てことで国に出してもら
って死期を遅らせるものだろうけど、業界立ち上げ期に補助金ジャブジャブ状
態。作ったアニメの長さに応じて補助金が出るって、そりゃ健全な業界育成に
なるわけないよ。

ただ、それは補助金狙いの実業家がやってることであって、実際に制作してる
人たちは「こんなもん作りたいんじゃないよっ!」ってかなり不満を抱えてる
んではないかと思う。若くて志のあるクリエイターは世界のどこにもいて、現
状を変えよう! って思ってると思います。

あと、アニメコンテンツをお金を出して買う文化がない国でビジネスとして成
功するわけないって件は、輸出用と考えればそんなに変でもない。韓国とかそ
のへんある程度成功してるわけだし。それから、ビジネスだけじゃなくて、ハ
リウッド映画や日本のテレビアニメがアメリカや日本のイメージ向上に役立っ
てるのを踏襲したいのかも。

ところで、日本のアニメコンテンツの強さって、50年以上をかけた過当競争と
発酵だと思う。ものすごい数の予備軍を勝ち上がったマンガ家が、人気や連載
の存続をかけて競争して作り上げたマンガを原作としたアニメが、やはりアニ
メ同士での戦いを繰り広げ……。

発酵ってのは、以前は外国なんてぜんぜん目に入らない狭い日本で爛熟した文
化が、あり得ない方向に発達したり腐ったり影響しあったりした結果、とんで
もないレベルに達してしまうっていうアレ。「和算」とかそうだよね。外国と
か関係なしに数学が趣味の娯楽として異常発展してしまい、気がついたら世界
最高レベルっていうアレです。

そういう過当競争と発酵を経て強くなったけど、これからはどうなるかわから
ない。もちろん、そういう熟成期がなかった国でも、粗製濫造の嵐が数十年続
いたらまた違う形の発展があるのかもしれない。

●アメリカ製CG映画テイスト

上記のリンク周辺で知ったドイツ製の子供向けCGアニメ「Animals United」。
CGアニメ映画はけっこうチェックしてるんだけど、これはぜんぜん知らなかっ
た。日本未公開だけど邦題はついてて、「どうぶつ会議」(笑)。YouTubeで
予告編が見れる。

しかし、どう見てもアメリカ製動物CGアニメ映画のテイスト。ドイツでさえこ
れか。世界中で同じソフト(Autodesk)と同じお手本(ピクサーやドリームワ
ークスとか)だったら、割と同じテイストに行っちゃいますよねえ。
< http://www.youtube.com/watch?v=jAFtwYi-QuA >

最近見た「怪盗グルーの月泥棒」「くもりときどきミートボール」など、ピク
サーを含めたカートゥーン傾向のCGアニメーションの演技というか、モーショ
ンや表情付けって、完全にアメリカ式のものであって、これを日本のCGアニメ
にやってもまったくそぐわないな。西洋人のオーバーアクションが元になって
るから、日本の作品でやってもクサいだけ。

そもそも、レンダーマン的なリアルな質感自体が日本の作品に合わない可能性
も。やはり、質感や画質を上げれば上げるほどに、向こうのCGアニメ映画っぽ
くなるかも。

ショートアニメやCMなどかなりの数のCG作品を見てますけど、やはり世界中の
どの国で作られたCGでも、リアルな方向に行けば行くほどアメリカCGのテイス
トに近づいてしまうようです。

画面のテイストという意味では、日本のCGアニメ映画「よなよなペンギン」や
「ホッタラケの島」などは、アメリカ製CG映画とは明らかに方向がちがってる。
このへん伸ばしていくべきなんだろうな。「もののけ島のナキ」の画面テイス
トはアメリカCG映画に近づいてるかな。「ヤンス!ガンス! MEAT OR DIE」も
ハリウッドCG映画っぽくないぞ!

たとえば爽健美茶のCMの動物CGは、CG好きの僕でさえいくらなんでもクドすぎ
ると思うハリウッドCG映画テイスト。肉食人種のCGというか。サンタモニカの
Animal Logicというスタジオが作ったそう。「がんばってアメリカの一流CGプ
ロダクションに依頼してみましたっ!」感もあふれてて、きもちわるかったで
す。爽健美茶の爽やかさとかけ離れた世界。
< http://www.animallogic.com >

今やってるファンタのCMもニューヨークのスタジオだそうで、リアルCGとはち
がう一つの方向の典型で、割とよく見るテイストです。このCMが日本のターゲ
ット層にどうウケるのかわかりませんけど、爽健美茶のCMと同様に「日本でな
じみのないテイストの海外CG映像」って点で興味あります。
< http://www.psyop.tv/fanta-2011-bounce/ >

●マンガや小説の映画化

ちょっと旧聞ですが、ハリウッド版「アキラ(Akira)」再び中断。予算オー
バーで終了の可能性も、だそうで。あらららら〜。今までの映画化企画もボロ
クソ言われてたし、これでよかったのかもね。検索したら、それでもまだ完全
ボツというわけではなく、継続中の模様。

AKIRA、アトム、ドラゴンボール等々、日本のマンガがハリウッドでCGや実写
映画になるってニュースの何にワクワクするかというと、「あの場面がハリウ
ッド式のリアルな実写になったらスゴイぞ!」だけなわけじゃん?

長いマンガを一本の映画にまとめることで無理が出てくるし、誰も「一本のち
ゃんとした劇映画」になることなんか期待してないよね?(CG映像でも実物を
撮影したように見える映像をギリギリ「実写化」と言っていい気がします。
「タンタンの冒険」はフルCGだけど実写に見えるって意味で)

たとえば「AKIRA」なら、冒頭の爆心地へバイクで向かうシーンの実写版はぜ
ひ見たいけど、他はものすごい見たいわけじゃないもん。ドラゴンボールなら
フリーザとの死闘だけ見たい。ファンが見に来るんだから、日本人が演じて舞
台が日本でなきゃ見に行く理由ないもん。アメリカ人のファンだってそう思っ
てると思う。

映像化するなら、いくつかの最高の見せ場だけ15分の映像でいいと思うわけで
す。有名スターもいらない。音楽で言ったらシングル盤やPVみたいな形で売り
物になったら面白い。

もっと言えば、「爆心地へバイクで向かうシーン」の何を見たいかというと、
マンガを見て脳内に生成された映像と、プロの映画監督が「こういうことだよ
な?」と作った映像がどうちがうかを確認したいってことじゃん。

ってことは、「爆心地へバイクで向かうシーン」を、10人の監督それぞれのバ
ージョンを見たい! セットとか俳優とかは監督同士の話し合いで共有もでき
るわけだし。そういうの見たくない?

そういったオムニバス方式のCDや映画って、ミュージシャンや監督が奇をてら
ったり個性を過剰に押し出したりするけど、そういうのはちょいと抑えてもら
って。

マンガの実写化はある程度画面が決まってくるけど、小説だと読み手それぞれ
の頭にそれぞれの映像が浮かぶ。誰もが「オレの脳内映像化が最高!」と思っ
てる。だから小説の映画化ってどんなに凝って作られても「オレのより全然ダ
メ」って感想を誰もが持つのはしょうがないよねえ。

【吉井 宏/イラストレーター】
HP < http://www.yoshii.com >
Blog < http://yoshii-blog.blogspot.com/ >

CGアニメ関連で書いたまま公開するタイミングを逃してたもの3つでした。と
ころで、最近ようやく気がついたのですが、LionのMail.appで送ったメールの
添付書類がHTMLメールみたいに本文に貼り付いて、保存できない問題があるん
ですね。2人に指摘されてわかった。ファイルを送るのはほぼサーバーアップ
してダウンロードしてもらってるから気づかなかった。あ! 年賀状メールの
添付画像もWindowsで受け取った人は全部そうなっちゃってたわけか!! 
……まあ、HTMLで見えてりゃいいんだけど、見えない人もいたかも。
< http://goo.gl/i46oe >

●iPhone/iPadアプリ「REAL STEELPAN」ver.2.0がリリースされました。
「長押しロール」のオン・オフ切り替えスイッチを追加しました。
「オフ」ではレスポンスが速くなるので、素早い演奏が可能になりました。
REAL STEELPAN < http://bit.ly/9aC0XV >
●「ヤンス!ガンス!」DVD発売中
amazonのDVD詳細 < http://amzn.to/bsTAcb >

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■イベント案内
第15回文化庁メディア芸術祭 受賞作品展
< http://megei.jp/ >
< http://blog.dgcr.com/mt/dgcr/archives/20120222140100.html >
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「第15回文化庁メディア芸術祭 受賞作品展」が、2月22日(水)から3月4日
(日)まで、12日間にわたって開催される。メイン会場の国立新美術館のほか、
サテライト会場として東京・六本木周辺の4会場(東京ミッドタウン d-labo、
TOHOシネマズ六本木、メルセデスベンツコネクション、ニコファーレ)におい
て、さまざまな催しがすべて無料で展開される。

受賞作品や審査委員会推薦作品を展示・上映するほか、受賞者や審査委員をは
じめとしたシンポジウム、アーティスト・トーク、ワークショップなどのイベ
ントもある。特設サイトでは。会場案内や期間中開催されるイベント情報を公
開中である。
< http://megei.jp/ >

◎メイン会場

●国立新美術館 企画展示室1E/3F講堂/3F研修室(東京都港区六本木7-22-2)
< http://www.nact.jp/ >
< http://megei.jp/layout?locale=ja >
日程:2月22日(水)〜3月4日(日)10:00〜18:00 金20:00 28日(火)休
内容:作品展示・上映、シンポジウム、ワークショップ、トークイベント、
パフォーマンス

◎サテライト会場

●d-labo(東京都港区赤坂9-7-1 東京ミッドタウンタワー7F)
< http://www.d-labo-midtown.com/index.php >
日程:2月22日(水)〜3月4日(日)平日11:00〜19:00 土日10:00〜18:00
※2月28日(火)、3月3日(土)はd-labo独自イベント開催
内容:マンガライブラリー、読書会、トーク&上映会

●メルセデス・ベンツ コネクション(東京都港区六本木7-8-1)
< http://www.mercedes-benz-connection.com/index.html >
日程:2月22日(水)〜3月4日(日)10:00〜20:00
内容:作品展示・上映、トークイベント、ワークショップ

●ニコファーレ(東京都港区六本木7-14-23 セントラム六本木B1F)
< http://www.nicofarre.jp/ >
日程:2月22日(水)、24日(金)、27日(月)、29日(水)
※イベントによって開催時間が異なる。詳細は特設サイトを参照。
内容:ゲームセンター、トークイベント

●TOHOシネマズ六本木ヒルズ プレミアスクリーン(東京都港区六本木6-10-2
六本木ヒルズけやき坂コンプレックス内)
< http://www.tohotheater.jp/ >
日程:2月22日(水)〜3月4日(日)1日1回上映
内容:特別上映

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■編集後記(02/22)

・川口市立図書館にも映像のライブラリーがある。サイトを掘っていったら、
日本映画633本、外国映画2383本のリストが現れた。今まで気がつかなかった
が、あって当然だ。だが、最近の作品が少ない。いや、ほとんどない。貧弱と
いっていいだろう。そんな中から、1959年・新東宝の「明治大帝と乃木将軍」
を借りて見た。空前の大ヒットとなった前作「明治天皇と日露大戦争」の中か
ら、乃木将軍のエピソードを抜き出し(映像は使い回しが多いようだ)、明治
天皇の崩御の後、殉死するまでを描いている。肝心の乃木将軍役の林寛は、写
真で見る本物の風格にはるかに及ばないが、この俳優の当たり役らしい。明治
天皇は嵐寛寿郎、昭憲皇后は高倉みゆき、二人とも神々しいばかりである。宮
中のシーンはドキュメンタリー映像のように見えてしまう。ストーリー展開な
どは陳腐で退屈だが、たまに見る古い映画もしみじみいいものである。半世紀
以上も前、小学生のときに「敵中横断三百里」を映画館に見に行った記憶があ
る。雪の中をロシア兵に追われて騎馬で逃げるシーンしか思い出せないが、鉄
嶺と奉天という地名だけは鮮明に覚えている。なぜ、だれと一緒に見に行った
のだろうか。もしかしたら学校の行事だったのか。クラス会仲間に超絶の記憶
力を持つ人物がいるので、こんど機会があったら聞いてみようと思う。図書館
ライブラリーは無料だから今後も利用しよう。でもSFテレビドラマシリーズ
「V」を見始めてしまったので、とうぶんお預けかな。      (柴田)
< http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B0009RJF9Q/dgcrcom-22/ >
→アマゾンで見る

・4月14日に大阪で「まにまにフェスティバル」開催。5大ブラウザベンダーさ
んが来られたり、あの「撃墜王」で遊べたり。ディレクターズセッションでは
SEOやソーシャル、クラウドなどについて。クリエイターズセッションは内容
調整中。登壇される人たちは濃くて面白い人ばかり。セッションは有料だけど、
展示ブースは無料だよ〜。                (hammer.mule)
< http://m2.cap-ut.co.jp/fes/ >  まにまにフェスティバル
< http://gekitsuioh.jp/ >  撃墜王

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発行   デジタルクリエイターズ < http://blog.dgcr.com/mt/dgcr/ >

編集長     柴田忠男 < mailto:shibata@dgcr.com >
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